70歳を超えたら白内障を意識
気づかず重症化する前にまず受診を
市橋眼科
(大阪市淀川区/塚本駅)
最終更新日:2024/11/15


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加齢が主な原因で、80歳以上になれば多くの人が発症するともいわれる白内障。近年は日帰り手術を実施する医療機関も増えており、より気軽に治療が受けられるようになったが、やはり手術は怖いもの。手術の痛みや日帰り手術の安全性など不安に思う人も多いだろう。「市橋眼科」の副院長である市橋卓先生は、現在も滋賀県にある東近江市立能登川病院昴会アイセンターに所属しながら、白内障・緑内障・網膜硝子体・まぶたの各手術に数多く対応している。同院には、遠方から訪れる患者も少なくないという。専門性を追求しながらも、患者の不安にとことん寄り添う同院の白内障日帰り手術の流れと白内障の概要について、市橋副院長に話を聞いた。
(取材日2024年8月28日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q白内障とはどのような症状のある病気なのでしょうか。
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A
白内障は、目の中にある水晶体が白く濁ることで視力が低下する病気です。代表的な症状は、文字がかすんで見える、物が二重に見える、視界がぼやける、まぶしく感じるなど。個人差はありますが、数年単位で症状が進んでいくケースが一般的です。徐々に見えづらくなっていくため、ご本人では気づかないことも多く、見え方に違和感を覚えて受診したときには、かなり進行してしまっているということもあります。なお先天性や糖尿病の合併症など一部を除き、その主な原因は加齢とされ、80歳を超えれば多くの方が白内障を発症するともいわれています。目に異常を感じていなくても、70歳を過ぎたら年1回ほど検査を受けましょう。
- Q痛みや帰宅後の急変など、日帰り手術を受けるのは不安です。
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A
白内障手術の前に行う麻酔は点眼で行いますので、「痛みがあるのではないか」と不安になりすぎる必要はありません。術後ごくまれに眼圧が高くなるなどして頭痛や目の奥の違和感が出やすくなる方もいますが、ほとんどの方はそういった心配も少ないと考えます。また日帰り手術のメリットは、術後は自宅に戻り、慣れた環境でゆっくりと過ごすことが可能です。手術直後は激しい運動や入浴などに制限はあるものの、普段どおりの生活ができますよ。事前の説明会などで詳しくご自宅での過ごし方もお伝えしますが、帰宅後に不安を感じたり問題が発生したりした場合には、お電話で対応するなど、ご安心いただけるように体制を整えています。
- Qこちらならではの白内障診療の特徴を教えてください。
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A
当院では手術を決めた方にご出席いただく、少人数制の説明会を開催しています。看護師や薬剤師らも参加しており、医師には言いづらい・聞きづらいことなどもご相談いただけるので、しっかりと不安を解消してから手術に臨むことができます。手術中は「次はこうしますよ」といったお声がけをし、「何をされるのか」という不安を与えないよう心がけています。また手術後、ガーゼの眼帯をつけると片目がまったく見えない状態となりとても不便なため、当院では原則として透明の眼帯をつけていただきます。手術直後は視界がぼやけているものの、少しでも安全にご帰宅いただきたい、ご自宅でも快適に過ごしていただきたいという思いから採用しました。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診表をもとに診査
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「いつから視力の低下を感じているか」「どのような症状があるか」などの質問項目に沿って問診票を記入する。これまで発症したことのある病気や現在飲んでいる薬は診断や手術可否の重要なポイントとなり得るほか、目周辺の打撲といった外傷も白内障の発症に関わっていることもあるため、漏れなく記入する。市橋副院長は、白内障はもちろん、その他の目の病気の可能性も視野に入れながら、丁寧に診察・検査を進めていくという。
- 2手術適用や全身の状態を詳しくチェック
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白内障の診断後、手術を希望する場合はさらに精密な検査を受ける。採血や目に入れるレンズを決めるための眼軸長を測る検査のほか、角膜の状態、不正乱視の有無などを調べる。なお、白内障の手術は患者の希望があって初めて検討されるもので診断後必ずしもすぐに手術が必要というわけではなく、定期的な検査を受けながら手術の必要性を見極めるケースも少なくないそうだ。家族への相談も含め、手術を受けるかを考えることができる。
- 3手術の流れや費用、リスクについての説明
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手術の日程を決め、ライフスタイルに合わせて眼内レンズを選ぶ。快適に読書をしたいなら手元の見やすさを重視したレンズ、遠くの物を見ることが多いなら遠方にピントを合わせるためのレンズ、近方・中間・遠方のすべての見やすさを追求した多焦点レンズなど、自分に合うレンズを先生と相談しながら探そう。同院では少人数制の説明会を開催し、手術の流れや費用、リスクまでわかりやすく説明。ここで不安を解消して手術に臨む。
- 4院内で日帰り手術を実施
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手術3日前から事前の点眼を始める。当日、車や自転車の運転は不可のため、付き添い者がいない場合は徒歩で来院を。散瞳薬の点眼、点眼麻酔で準備が整ったら、いよいよ手術へ。手の置き場を安定させることで不安を抑える役割があるという抱き枕を抱えて、体の力を抜いて臨む。市橋副院長は不安を感じないよう声かけにも工夫を凝らしているという。手術が終わったら少し休み、ふらつきなど異常がなければすぐに帰宅可能。
- 5通院による経過観察
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自宅では術後のフォローとして、医師の指示どおりの時間に点眼を行う。手術当日、違和感や不安があれば電話にて対応してもらえる。翌日から3日目までは術後診察を受けに来院が必要だが、問題なければ1週間後、2週間後と通院頻度は少なくなっていく。術後3ヵ月程度は目薬によるケアが必要なため、忘れずに継続する。なお時期をずらして両眼の手術を行う場合、同院では片目手術日から最短1週間後に実施可能とのことだ。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズを用いた白内障手術/50万円~