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上馬塲 伸始 院長の独自取材記事

しんメンタルクリニック

(新潟市中央区/新潟駅)

最終更新日:2024/05/29

上馬塲伸始院長 しんメンタルクリニック main

新潟市の中心部にある新潟駅の南側、えきなんと呼ばれるエリアに2024年1月に開業した「しんメンタルクリニック」。大学進学を機に新潟県に移り住んだという上馬塲伸始(うえばば・しんじ)院長が、自然が豊かで住みやすいと感じたこの地に根を下ろし、精神科医療に携わって約20年が経過した。上馬塲院長は、地域の精神科医療の中核を担う病院で長年診療にあたってきた経験から、より気軽に受診できる精神科・心療内科が必要だと痛感し、開業を決意。IT技術を活用するなどして、効率的で患者ファーストな診療をめざし尽力している。珍しい苗字なので出身地を尋ねると、「それは話のネタにしているので、興味のある人は私に直接聞いてください」といたずらな笑みを浮かべた院長。そんな気さくな上馬塲院長に同院の診療の特徴などについて聞いた。

(取材日2024年3月23日)

ウェブ問診を活用し、患者ファーストな診療につなげる

精神科や心療内科の治療について教えてください。

上馬塲伸始院長 しんメンタルクリニック1

精神科や心療内科の医師は、心のトラブルやそれに付随して起こるさまざまな体の不調に対して、薬物療法などの治療を行います。もちろん、精神療法といってカウンセリングに近いアプローチもしますが、対話に限らず、多角的な治療を行っています。また、精神科や心療内科には、その方の症状が病的なものなのか、精神疾患があるのかどうか診断をつけることも役割としています。この「診断をする」ということが実はすごく大事なんですね。また当院では、まず患者さんのお話をよく伺い、治療方針をいくつか提示した上で、ご希望に沿った方法をお選びいただくようにしています。「治療よりも今はとりあえず休みたい」という希望でも構いません。それぞれの治療には期待できる効果とリスクがあるので、説明も欠かさないようにしています。

初診時の診療の流れについて詳しく教えてください。

当院は予約制なので、まずはお電話かホームページからご予約ください。それから、ウェブ問診票というものがありますので、ホームページや予約完了メールからアクセスしていただき、事前にご記入いただくようお願いしています。難しい場合は、来院時にスタッフがお手伝いしますので心配しないでください。受付が終わったら待合室で順番が来るまでお待ちいただき、その後、医師が詳しくお話を伺って一緒に治療方針を決めていきます。最後に、看護師と相談して次回の予約をお取りください。私に言いにくいことがあれば看護師に伝えていただいても大丈夫なので、ちょっとしたことでも気軽に相談してくださいね。

限られた時間で、症状などをうまく伝えられるか不安な方もいるかと思います。

上馬塲伸始院長 しんメンタルクリニック2

確かに精神科の医師にとっても、限られた時間内で何をお聞きするべきかを判断するのは難しく感じるところです。そのため当院ではウェブ問診を活用しているのです。こちらが知りたい情報を先にお聞きしておくことで、その分時間に余裕が生まれ、患者さんがお話ししたいことを伺う時間ができます。普段私が診療を行う際、「患者さんがこの質問にこう答えたら、次はこういう質問をしよう」と考えていることがあるんですが、ウェブ問診ではその一連の流れを再現し、質問に答えていただくことで医師にとって必要な情報をおおよそ得られるようになっているんですね。また、紙の問診票だとスペースが限られていて伝えたい内容をすべて書けないことがありますが、ウェブ上ならたくさん書けることも利点の一つでしょう。ただし、記入してから受診までに日数があると状態が変わっていることもあるので、症状やお困りのことについては診療内でも確認するようにしています。

何でも相談できる雰囲気づくりを心がける

開業までの経緯をお聞かせください。そもそもなぜ医師をめざされたんでしょうか。

上馬塲伸始院長 しんメンタルクリニック3

医師である父から、「人のためになる仕事をするように」とよく言われていたんですね。医師に憧れもありましたので、大学進学を機に決断しました。精神科に進もうと決めたきっかけは、研修中、精神的に非常に具合が悪かった患者さんの治療の様子を目の当たりにしたことでした。その時、精神科の治療の意義を実感したんですよ。幅広い年齢層の多彩な症状を診るということに、医師として興味が湧いたことも理由の一つです。ただ、残念ながら精神科のクリニックはどこも患者さんが飽和状態で予約がなかなか取れません。私は長年、地域の精神科医療の要となるような病院に勤めていましたが、地元のクリニックで予約が取れなくて遠方からおみえになる方も多くいらして……。「自分の症状は病気なのかな?」と思っても気軽に相談できない状況で、それをなんとかしたくて開業に踏み切りました。

お仕事の難しさややりがいは、どういったところにありますか。

心の疾患は、目にも見えず数値にもしにくいので難しいですね。経過を診ていく中で、途中で病名が変わるケースもあります。例えば、うつ状態だった方がある時急に躁状態になったりすると、この方はうつ病ではなく躁うつ病だったんだね、というふうに診断が変わるんです。そういうところに難しさがありますし、時間もかかるので大変です。だからこそ、患者さんが「先生に会えて良かった」と言ってくださったら本当にうれしく、この仕事をしているやりがいを感じます。初めてお越しになる時は皆さん沈んだ表情をされていますが、私が関わることで、にこやかに過ごせるようになっていただけるよう、できる限りのことをしたいと思います。

診療において大切にしていることは何ですか。

上馬塲伸始院長 しんメンタルクリニック4

精神科や心療内科はハードルが高く、受診しにくいというイメージをお持ちの方が多いので、臆せず気軽に相談できるような雰囲気づくりを心がけています。これは精神科に限ったことではありませんが、「実は、処方された薬を飲んでいないんです」といった場合に医師に怒られるのが怖くて言い出せない患者さんがいらっしゃると思うんですね。そういったことを言いやすい雰囲気をつくること、言いたいことが言える関係づくりをしていくということが大切だと思っています。こちらが緊張すると患者さんにも緊張が伝わりますから、私はリラックスした状態でお話しするようにも心がけているんですよ。そうするうちにちょっとずつ打ち解けるといいますか、患者さんの表情がやわらかくなっていくのを感じることがあります。

気軽に受診できるクリニックをめざして

環境面においても、患者さんが受診しやすいよう工夫されているそうですね。

上馬塲伸始院長 しんメンタルクリニック5

当院はもともと皮膚科だった建物を改装したんですが、その際にできる限りたくさんの扉や壁を設置してプライバシーに配慮しました。それでも、構造上うっすらと声が聞こえてしまうことがあるので、他の患者さんの話し声が聞き取りにくくなるように院内では音楽をかけています。患者さんの中には音に過敏な方もいらっしゃるのでできれば音がないほうが良いのですが、これに関しては苦肉の策でした。診療予約については、1ヵ月先まで早い段階で埋まってしまう状況ですが、キャンセルが出るとウェブ上の予約画面に空きが表示されるので、こまめにチェックしていただければ幸いです。当日にキャンセルが出ることもあります。また再診の方で、状態が安定していて、どうしてもいらっしゃれないという場合には短時間のオンライン診療にも対応しています。

上馬塲院長のプライベートについても伺っていいですか。

特に熱中していることはないんですが、休みの日はウォーキングに勤しんでいます。1時間から2時間くらい川べりなどを歩いてリフレッシュしていますね。ですが、結局そういうときも頭の中は仕事のことであふれていて、「次はこれをしようかな」とか「こういう時にはどうしようかな」と考えを巡らせているので、完全な休みにはなっていないかもしれません。それでも、頭の中が整理されてとても充実した時間にはなっています。

最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

上馬塲伸始院長 しんメンタルクリニック6

開業以来多くの患者さんにお越しいただき、初診の予約が取りづらくなってきたので、今後は医師の数を増やし、より多くの患者さんを受け入れられるよう体制を整えていきたいと思っています。臨床心理士を採用して心理検査なども実施できればいいですね。また、ITに関する情報は常にアップデートして、ウェブ問診をより便利に、有益に使えるようにも対応していきたいです。地域の皆さんのお役に少しでも立てるよう力を尽くしてまいりますので、心の不調を自覚されている方はぜひお気軽にご相談ください。

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