伊藤 涼 院長、菅野 健児 副理事長 の独自取材記事
キュアステーション イオン葛西クリニック
(江戸川区/西葛西駅)
最終更新日:2024/04/10
「キュアステーション イオン葛西クリニック」は、「医療体験の未来を創る」をミッションに、デジタルを活用した医療を提供することで患者の利便性の向上をめざす医療法人社団DMHがオープンしたクリニックだ。西葛西駅北口から徒歩10分、ショッピングモール内という立ち寄りやすい立地を生かし、子どもから高齢者まであらゆる世代の患者にとって、気軽に利用できる身近なクリニックをめざしている。総合病院の救急科、総合診療科、呼吸器内科のほか、離島での診療経験を持つ伊藤涼院長と、同法人の副理事長で、呼吸器外科を専門として同院でも診療を行う菅野健児先生に、クリニックのコンセプトや診療の特徴、今後の展望などを聞いた。
(取材日2024年3月15日/情報更新日2024年4月3日)
診療科の垣根を越えた総合的な医療で地域に貢献
2024年3月の開院だそうですね。
【菅野副理事長】はい。当院は医療法人社団DMHが運営する、保険診療をメインとしたクリニックです。当法人ではまずオンライン診療専門のクリニックを立ち上げたのですが、オンラインと並行して保険診療を対面で行うクリニックがあれば患者さんのニーズにもより応えられるのではないかと考え、2023年7月に1院目の対面診療クリニック「キュアステーション 六本木クリニック」をオープンしました。当院はその2院目となります。私は六本木院の院長を経て、2024年3月のオープン時から当院の院長を務めていましたが、このたび法人の副理事長に就任することになり、2024年4月からは伊藤涼先生に院長を務めていただくことになりました。とはいえ、私も当院の医師として診療は継続していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
伊藤院長のご経歴を教えていただけますか。
【伊藤院長】2015年に防衛医科大学校を卒業し、初期研修修了後に2年半、離島医療に従事しました。離島では医師は私一人ですから、内科・外科を問わず何でも診ることになり、診療の幅を広げるとても貴重な経験となりました。その後、板橋中央総合病院の救急科、総合診療科、呼吸器内科を経て、現在に至ります。これまで培ってきた経験を生かして、当院でも年齢や性別を問わず、特定の臓器や病気にもとらわれず、地域の皆さんの身近にあって総合的な医療で健康を支える「プライマリケア」を実践してきたいと思っています。
どのような患者さんが来院されていますか。
【伊藤院長】小さなお子さんから90歳を超えた高齢の方まで、さまざまな世代の患者さんが来院されています。患者さんの症状も発熱などの風邪症状や消化器症状、生活習慣病、花粉症、呼吸器疾患、打撲による痛みや腫れ、傷口の処置まで、幅広いですね。お子さんの急な発熱や腹痛などにも対応していますので、どんな症状でもご相談ください。基本的には予約制ですが、直接来院していただいても構いません。少しお待たせするかもしれませんが、「どんな患者さんも断らない」がモットーです。気軽に足を運んでいただきたいですね。
土日祝を含め20時半まで診療。通いやすい環境を整備
クリニックのコンセプトをお聞かせください。
【菅野副理事長】当法人では、「患者さまが安心して、いつでも受診できる」ことを基本的なコンセプトとしています。病院に行くだけで半日、場合によっては1日かかるとなると面倒に感じるでしょうし、仕事や学校のため診療時間に来院できない方もおられると思います。このような受診のハードルを下げるために、当院では診療時間を土日祝日も含めて9時~20時半までに設定しています。また、来院前にオンラインで問診を行うなど、待ち時間の短縮にも努めています。
【伊藤院長】診療面では、新型コロナウイルスやインフルエンザ、アデノウイルスや溶連菌などの感染症や、ヘルペス・帯状疱疹を診断できる迅速検査キットを導入しています。短時間で結果がわかるので待ち時間も短縮できますし、スムーズに治療を開始することで症状の早期改善も期待できると思います。
オンライン診療にも対応されているそうですね。
【菅野副理事長】対面診療はどうしても特定の場所に縛られることになりますが、オンライン診療は地理的な制限がなく、場所を選ばず医療サービスを受けることができます。私の専門は外科で、これまでは診察室や手術室など自分の手が届く範囲でしか医療を提供することはできませんでした。しかし、オンラインというツールを使えば地域を選ばず、さまざまな患者さんの健康に貢献できるのではないかと思っています。また、当法人では「医療の標準化」をコンセプトの一つに掲げています。当院でもオンライン診療などデジタルの力を活用して、正しい根拠に基づく医療を快適に受けられるサービスの提供をめざしていきたいと考えています。
伊藤院長はオンライン診療のメリットをどうお考えですか。
【伊藤院長】通院や待ち時間の負担が軽減されますので、忙しい方はもちろん、体調が悪くて来院が難しい方でも受診しやすいと思います。花粉症や不眠症で症状の落ち着いている患者さんにもオンライン診療はお勧めです。ただ、当院は通いやすい環境を整えていますので、通院圏内にお住まいの方は直接来院し、遠方にお住まいの方がオンライン診療を利用するといったかたちも良いと思います。また、定期的に通院している方が、新型コロナウイルス感染症に罹患したといった理由で来院できなくなった場合に、オンライン診療ではいつものお薬を処方することもできます。画面越しに診療を行うため患者さんとのコミュニケーションが取りづらいという声もあるようですが、私も副理事長もオンライン診療には慣れていますので、安心して利用していただけると思います。
患者とは壁をつくらず、何でも話せる間柄でいたい
医療の標準化について、もう少し教えていただけますか。
【伊藤院長】簡単に言えば「いつでもどこでも同じように診療を提供すること」です。医療はエビデンスに基づいて行えば、医師によって大きく治療方針が変わるものではないと思いますが、実際には医療機関によって医療サービスが異なっていたり、同じクリニックでも医師によって治療方針が違っていたりする状況に、以前から疑問を持っていました。当法人では勤務する医師が共通の診療方針に基づいた治療を行うことをめざしており、私たち医療者が常に最新の知見をアップデートして、その時々で最善だと考えられる治療を提供していかなければと考えています。また、問診や検査結果のほか既往歴・家族歴・経済面やライフスタイルなど生活背景を踏まえ、患者さん一人ひとりに合った治療を提供できるよう、日頃からのコミュニケーションも大切にしています。将来的には、全国にキュアステーションを展開し、日本のプライマリケアの質の向上に貢献できればと思います。
診療の際、心がけていることを教えてください。
【伊藤院長】患者さんとの間に壁をつくらないことです。中には医師に対して威圧感を抱く患者さんもおられますから、なるべく私から声をかけて話しやすい雰囲気づくりを意識しています。当院でもご高齢の患者さんとは孫か子どものように、同年代の方とは友達、10代の若い患者さんとは近所のお兄ちゃんのように、気さくに何でも話せる関係性を築いていきたいですね。
【菅野副理事長】私も患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。私自身お話を聞くのが好きですし、患者さんも「話を聞いてもらえてうれしい」と言ってくださいます。診療方針に悩んだときは、患者さんのお話の中にヒントが見つかることもありますので、時間が許す限り患者さんの話を聞くようにしています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
【菅野副理事長】来院しやすい環境をつくることで、病気の予防や健康寿命の延伸につなげたいと考えています。貴重な時間を割いて受診してくださった患者さんに気持ち良く帰っていただきたいですし、当院での診察をご自分の健康について考えるきっかけにしていただければと思います。
【伊藤院長】私は呼吸器内科が専門で、成人・小児に関わらず喘息や長引く咳の治療・管理を得意としています。お困りの場合はぜひご相談いただきたいですね。もちろん、そのほかの疾患にも幅広く対応できるだけの勉強・経験を積んできました。クリニックというよりも、「町の健康相談所」に行くような感覚で、気軽に足を運んでいただければうれしいですね。