山田 佳 院長の独自取材記事
けい耳鼻咽喉科
(堺市南区/栂・美木多駅)
最終更新日:2024/12/09

泉北高速線鉄道、栂・美木多駅から車で7分の場所に位置する「けい耳鼻咽喉科」。同院は、泉北庭代台医療センター内にある「山田歯科医院」と併設する耳鼻咽喉科で、歯科と耳鼻咽喉科の双方の観点から診療を行うことができるのも強みの一つだ。院長の山田佳先生は、日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医であり、特にめまいの治療を得意としている。患者一人ひとりとのコミュニケーションを重視し、「地域の皆さんにとって、耳鼻咽喉科といえば当院だと言ってもらえるような医院をめざしていきたい」と熱く語る院長に、診療にかける思いを聞いた。
(取材日2024年3月5日/情報更新日2024年12月4日)
歯科と耳鼻咽喉科の双方の視点で患者をフォロー
開院のきっかけを教えてください。

主人が当院と併設の「山田歯科医院」を先代から受け継ぎ、院長をしています。歯科と耳鼻咽喉科って領域が近くて被る部分が多いことから、いつか併設という形で私の専門分野の耳鼻咽喉科も開院できたらいいねと夫婦の中で話し合っていたんですよ。お互いの専門分野を生かし合うことで、より幅広い疾患や症状に向き合うことができ、地域の皆さんに寄り添った診療を行うことができると思ったんです。子育てやコロナ禍が重なり思うように計画を進めることができず、もどかしい思いをずっと抱えていましたが、2024年2月、どちらも落ち着いてきたタイミングで開院する運びとなりました。
どのような患者さんが多く来院されますか?
午前中はご高齢の方が多く来院してくださっています。耳が聞こえにくいという症状の方が多いですが、耳がかゆいなどの小さな違和感で来てくださる方もいますよ。当院は「こんな症状でも行っていいのかな?」と感じるような症状でもしっかり診療しますので、心配せず来院してくださいね。そういった小さな違和感から大きな疾患が見つかることもありますし、何もなかったらなかったで、安心できると思います。診療だけではなく、心の不安を取り除いてあげることも医師として重要なことだと思っているので、そういう時こそ私を頼ってほしいです。午後は、鼻水など風邪の症状があるお子さんを連れた方や比較的若い世代の方も来院されます。お子さんと親御さんを一緒に診療することも可能なので「子どもからうつったかな?」と感じたときは気軽に相談してくださいね。
診療内容について教えてください。

耳が聞こえづらい、鼻詰まり、喉の違和感など耳鼻咽喉科全般の症状を診療しています。私はめまいを専門として診療していた経験があるので、ふらつきが気になる方やぐるぐる目が回る方など、めまいの症状に悩まれている方を詳しく診療できる点が当院の強みですね。また、女性医師単独で診療しているクリニックはこの地域ではあまり見かけないので、女性医師を希望している方にとって頼りになるクリニックでありたいなと思っています。当番制でどの医師が診療してくれるのか不安になったり、わざわざ担当医に曜日を合わせなければいけないとなると、通院するのもおっくうですよね。私自身がすべての患者さんと向き合うことで、患者さんにとって安心して来院していただける場をこれからも守っていきたいです。患者さん一人ひとり時間をしっかり取って、コミュニュケーションを大切にしたいという思いから、土曜日は午前だけではなく午後も診察を行っています。
子どもの診療も安心して行うことができる体制
歯科と連携することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

歯科領域と耳鼻咽喉科領域の治療を同時に行える点がメリットです。例えば歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)という、虫歯や歯周病を放置することで細菌が上顎洞に入り、蓄膿症になってしまう病気があります。この病気を発症される方は、歯が痛いのか蓄膿症が痛いのかご自身では判断が難しく、また医師によっては正確に診断できない場合もあります。歯医者に行ったら耳鼻咽喉科へ、耳鼻咽喉科へ行ったら歯医者へ行ってくださいと言われてたらい回しになることもあるんですよ。当院は耳鼻咽喉科と歯科を併設しているのでスムーズに連携をとることができ、より詳しく診療を行うことができます。また歯列矯正をする際、鼻詰まりがあると上顎の発達を妨げ、歯列矯正のスピードが滞ってしまうことがあります。このような場合も、耳鼻咽喉科と連携が取れていると鼻詰まりと歯の治療を同時に行うことができるので、スムーズに進めることができると思っています。
子どもを診療する際、意識していることはありますか?
痛い治療をすると、病院自体を嫌いになってしまい治療が遅れて症状が悪化する可能性があるので、できるだけ痛みを感じないような診療を行っています。また、嫌がるからといってスタッフ総出でお子さんを押さえつけるとさらに嫌がって暴れてしまうので、恐怖心を少しでも和らげるようにリラックスできる雰囲気作りも心がけていますね。ご家族の方には「どこが悪くて、なぜ通院が必要なのか」ということをご理解いただけるまで説明しています。中耳炎一つとっても、さまざまな種類がありますし、どこがどう悪いのかイメージしにくいですよね。なので、イラストや図を使用して視覚的にわかりやすくご説明しています。帰宅してからも診療内容を思い出せるように、将来的には病気についての説明用紙をご用意しようと思っています。これからも「患者さんに寄り添った診療を行うための変化」を積極的に取り入れていきたいです。
スタッフさんについても教えてください。

事務員が6人、看護師が3人在籍しています。みんな笑顔がすてきで、「一緒に頑張っていきたい」と、心の底から思える信頼できるスタッフたちです。私自身も4人子どもがいますし、大半のスタッフが子育て経験者なので、お子さんとのコミュニケーションや接し方に慣れています。なので、ご家族の方は安心して通院していただけると思います。子どもが嫌がって暴れるから行きにくい、人見知りで話したがらないから行きにくいなど、お子さんの診療で心配事がある方も心配せずに、気軽に来院してくださいね。
「耳鼻咽喉科といえばここ」と言われる日をめざして
患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

「これも聞いておけばよかった」「私の病気って一体なんだったんだろう?」「これは何に効く薬なんだろう?」など、受診後ももやもやとした不安な気持ちが解消されない時ってありますよね。私の患者さんにはそんな思いをしてほしくないので、疑問を残さず帰っていただくために、患者さんにとってわかりやすい言葉で説明することを心がけています。例えば、聴力検査で結果の紙をただ渡されて「難聴です」と言われても、何がどう悪くて難聴なのかわからないですよね。なので、患者さんと一緒に数値を見て、「ここの数値が悪いから聞こえにくいんですよ」などと、患者さんに納得していただけるようにご説明しています。
アレルギーの症状で来院される方も多いとお伺いしました。
幅広い世代の方がアレルギーの症状で来院されています。アレルギーの薬を飲んでいるのに全然鼻の症状が治らないという主訴で来院される方が、CTを撮ると蓄膿症だというパターンも結構あるんです。そのような患者さんは蓄膿症の治療と並行してアレルギーの薬を処方します。アレルギーの薬にもさまざまあり、眠くなりにくいものなど、一人ひとりのライフスタイルや体質によって処方を変えるので、今の薬が効いていないなという方は、一度相談してくださいね。薬以外にも花粉症の改善を目的とした減感作療法や鼻の粘膜のレーザー治療も行っています。内科でアレルギーの薬を処方してもらい飲んでいるという方も多くいらっしゃると思いますが、耳鼻咽喉科だからこそ行うことができる検査やご説明できる視点があります。アレルギー以外にも鼻のポリープや副鼻腔炎などの病気が隠れている場合もあるので、耳・鼻・喉の症状は耳鼻咽喉科に来院してほしいですね。
最後に、今後の展望と読者の方へのメッセージをお願いします。

地域の方々から「耳鼻咽喉科といえば、けい耳鼻咽喉科だよね」と言ってもらえるような医院をめざしていきたいです。12台分の駐車場を完備し、土曜の午後も診療していますし、現在、順番予約に加えて、窓口と電話での時間指定予約も行っており、来院していただきやすい体制を整えています。患者さん一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取り、一度来院したらまた足を運びたくなるような医院作りを心がけているので、お子さんからご高齢の方まで、心配事がある際はお気軽に来院していただけるとうれしいです。