奥 直樹 院長の独自取材記事
なかもず駅前おく歯科クリニック
(堺市北区/中百舌鳥駅)
最終更新日:2024/03/29

南海高野線・中百舌鳥駅から徒歩1分の「なかもず駅前おく歯科クリニック」。奥直樹院長が、家族全員でかかれる歯科クリニックをめざし2024年2月に開業した。勤務医時代、それぞれ個性の異なる3つの歯科医院に勤務して幅広い技術やクリニック運営のノウハウを習得した奥院長。同院では患者との関係性を大切にした診療スタイルにこだわり、患者一人ひとりの診療時間をしっかりと確保し、丁寧な説明と診療を心がけている。穏やかな笑顔と優しい口調が印象的な奥院長に、クリニックの特色やこだわり、診療の際に心がけていること、小児の診療について、幅広く話を聞いた。
(取材日2024年3月2日)
患者との関係性を大切にした家族で通える歯科医院に
クリニックの特色やこだわりを教えてください。

当院は「ご家族全員でかかれる歯科クリニック」をめざして2024年2月に開業しました。現在は保険診療をベースに、虫歯・歯周病の各治療や予防歯科など一般的な診療を提供していますが、特に大切にしているのが、診療時間をしっかりと確保するということ。患者さんお一人お一人とのコミュニケーションを大事にし、納得していただけるご説明と、丁寧な治療にこだわっています。現時点ではインプラント治療や矯正は行っておらず、他施設のご紹介というかたちになりますが、人員増など条件が整えばインプラント治療を導入したいと考えており、また矯正専門の歯科医師の外来日設定も検討しているところです。
診療への考え方は、これまでのご経験を通じて培われたものだそうですね。
当院では、患者さんとの関係性を大切にした診療を行っていますが、これはタイプの異なる3つの歯科医院での勤務経験を経て定まった診療方針です。大学卒業後、最初に勤務した尼崎市内の歯科医院は、診療時間をしっかり確保しより良い治療法を選択してもらうために説明にも力を入れているクリニックでした。そこでの勤務の合間に、施設や患者さんのご自宅に伺う訪問診療を行う歯科医院にも週1回勤め、高齢の方への対応もしっかりと学ぶことができました。3つ目に経験したのが、忙しい方でも気軽に足を運べる便利な大型クリニック。いつご来院いただいても治療が可能なため患者さんの数が非常に多く、さまざまな症例に出会うことができました。「丁寧に説明されたい」「必要最小限の診療を」など患者さんのニーズもさまざまで正解はありませんが、患者さんと関係性を築きながら満足していただける方法を探っていくやり方が、自分に合っていると感じたんです。
院内の設備でこだわられた部分はありますか?

ご家族みんなで通っていただきたいとの思いから、どのような年齢層の方も入りやすい、温かみあるイメージの内装にしました。現在は個室・半個室を合わせたチェア3台で診療を行っており、将来的には最大5台まで拡張できるスペースを確保しています。入り口にスロープがあり、個室は車いすでも入室可能。背の低いチェアのため、車いすからの乗り移りやお子さんの着席が楽にできるのも特徴です。この他、患者さんへのより詳しい説明を行うカウンセリングルームも設置しています。ウェブ予約システムも準備が整ったので、初診のみですがスタートしました。気軽に来ていただけるとうれしいですね。
考えを押しつけず、都合に合わせた無理のない通院を
診療の際に心がけていること、説明する際にしている工夫などはありますか。

可能な限り痛みを少なくすること、怖くないように丁寧に治療をすることです。痛みについては、例えば麻酔液を人肌と同じくらいの温度に温めることで注入の際の刺激を軽減する、電動麻酔器で麻酔が入る速度と量をコントロールすることで痛みを最小限に抑えるといった工夫もしています。恐怖心を和らげるために大切にしているのは、お声がけです。治療中も「大丈夫ですか?」と伺い、決して強引に治療を進めることはありません。またご説明の際には、「虫歯」や「歯周病」など患者さんにお伝えする内容に応じたアニメーション動画をモニターに映してお話ししています。口頭や静止画でお伝えするよりも、動いているのでイメージが湧きやすく、患者さんの理解も深まっているようです。
予防歯科にも力を入れているそうですね。
歯科医師の私が1日3回、歯磨きをしていても、必ず汚れが付着している場所が1ヵ所あるほど、どんなにブラッシングを頑張っていても磨き残しは避けられないものです。ですから定期的に通院いただいて歯科衛生士のケアを受けていただきたいですね。メンテナンスの際には染め出ししてのブラッシング指導、フロスや歯間ブラシなど補助的な清掃用具の使用方法の説明にも力を注いでいます。特に注意していただきたいのが、「子どもの頃から虫歯が1本もない」という方。小さい頃に虫歯菌が定着しなかった方は、大人になっても虫歯になるリスクは低いですが、歯周病にはなる可能性はあるんです。50歳くらいで初めて歯科医院に行ったら重度の歯周病だったというケースもありますので、「自分は大丈夫」と思わず、定期的に受診するようにしてください。
忙しく、定期通院が難しい人も少なくないのでは?

3ヵ月・4ヵ月に1度が一般的ですが、状況によっては半年に1度の通院でも、その習慣を変えていただくことから始めてもらえたらいいなと思います。頻繁な通院が本当に必要であれば当然そのようにお伝えしますが、歯科医院側の考え方を押しつけても、受け入れられない患者さんはいらっしゃるでしょう。誰だって強く言われたり無理やり通わせられたりするのは嫌ですよね。こちらからは患者さんのライフスタイルや生活習慣を考慮した通院のご提案と必要な情報や知識を提供し、それに対して患者さんが納得してくだされば、患者さんのほうから行こうと思ってくださるのではないかなと考えています。
みんなが笑顔になる、明るく楽しい歯科医院をめざす
小児の治療についてはいかがですか?

初めから恐怖心を持ってしまうと治療が苦手になってしまうので、初診からすべてをやるのではなく、少しずつ練習しながら進めていきます。「怖くないよ」と説明しながら、最初は座るところから、器具を見せたり、歯ブラシの練習をしたりします。さまざまなことが理解できるようになる4~5歳であれば「ここを治そうね」と具体的に説明していますね。ご自宅ではお子さんとコミュニケーションを取りながら、楽しく歯磨きをしていただくのが一番です。ケア方法がわからないという保護者の方には、生活環境を伺った上でアドバイスをしています。
スタッフさんについても教えてください。
現在は常勤・非常勤合わせて歯科衛生士が3人、歯科助手・受付が2人在籍しています。特に歯科衛生士は経験が豊富で、患者さんにきちんとご説明できる知識も十分に有しています。真面目で一生懸命、自発的に働いてくれている頼もしいスタッフたちと一緒に、楽しくわいわいと仕事をしていけたらと思っています。
今後どのようなクリニックをめざしていきたいと考えていらっしゃいますか?

この地での開業を選んだのは、都心部と比べてファミリー層やご高齢の方が多い地域だと思ったからです。お子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、ご家族全員が笑顔で通える、子どもがわいわい楽しくはしゃいでいるような明るい歯科医院にしたいなと思っています。実は私は23歳の時に久々に歯科を受診したら虫歯が4つもあったという経験があり、よくよく振り返って考えてみたら乳歯を抜いた時から歯科医院には行ってなかったんですよ。20代・30代の方は最も歯科医院に行かない世代かもしれません。進行してからでは神経を取るような大がかりな治療が必要になる場合もあるため、注意が必要だと感じています。患者さんに喜んでいただけるのが、歯科医師として一番のやりがいであり喜びです。地域に密着した歯科医療をお届けできるよう努めますので、どうぞご家族でご来院ください。