百瀬 赳人 院長の独自取材記事
大谷地 MOMOSE DENTAL CLINIC
(札幌市厚別区/大谷地駅)
最終更新日:2024/07/26

数年ごとに治療を繰り返す歯に困っている人は多いだろう。そのような悩みに寄り添う診療を行っているのが、大谷地駅から徒歩3分という好立地にある「大谷地 MOMOSE DENTAL CLINIC」。院長の百瀬赳人(ももせ・たけひと)先生は歯周病治療と歯の根の治療を専門としながら、一般歯科診療からインプラント治療、矯正治療、再生治療、高難度の治療にも対応できる包括的な歯科治療を実現している。再治療をできるだけ減らす治療や歯を残す治療が第一と考えているという。常に研鑽を続ける一方で、毎日実子の歯を磨く優しい父親でもある百瀬院長に、歯科医師としてのポリシーやクリニックの特徴、患者への思いを聞いた。
(取材日2024年4月18日)
問題のある部分だけではなく口腔全体を調べ原因を究明
最初に、百瀬院長が歯科医を志したきっかけを教えてください。

祖父と伯父がともに歯科の開業医なので、歯科医師の存在が身近な環境で育ったことが少なからず影響したと思っています。実はもともとは建築家に憧れていたんです。祖父は医科の医師免許を保有しながらも、ほぼ歯科医師として80代まで第一線で診療を行っていた大ベテラン。そんな祖父から歯科医師という職業の存在意義や素晴らしさを日頃から聞いていて、説得力のある話の数々は歯学部に進む決定打になりました。大学で学ぶ中で歯の根と歯周病の治療に興味を持ったので、卒業後に北海道大学大学院の歯周・歯内療法学教室で研究や臨床に携わり、その後勤務医として数年間診療にあたり、今に至ります。
大学時代から開業を視野に入れていたのですか。
そうですね。親族の影響もありますが、これまでの診療経験を通して「患者さんが治療を繰り返さずに済む歯科治療を提供したい」という思いが強くなったんです。定期的に再治療を繰り返す一番の理由は、その時の治療で原因が解決されていないから。車の事故に例えると、破損箇所を修理しても、ドライバーの運転技術などの根本的な要因があれば、その車はまた事故を起こして修理する可能性がありますよね。そうならないためには、ドライバーが自分の技術や運転時の体調、精神状態をしっかり見つめ直す必要があります。歯の治療も同じことで、患者さんにご自分の口腔内の状態を把握して管理してもらうことが本当に大切なんですね。その重要性を一人でも多くの患者さんに伝えていくのが当クリニックの使命であると、私は考えています。
診療への強い思いがあったのですね。どのような治療により再治療を減らすことができるとお考えですか。

再治療を減らすためには、口腔内の問題を見つけることを目的とした詳細な検査が必要だというのが私の考えです。当クリニックでは、唾液の成分測定や歯周病検査など、内容によっては自由診療になりますが、さまざまな検査を行いトラブルの原因を分析した上で診断しています。歯1本単位ではなく口腔全体を一つの器官と捉えて治療する「一口腔単位」という考え方をベースに、お口全体の状態を患者さんと共有しています。治療は単に「問題のある部分を取り除いて埋める」だけではありません。私がこれまで積極的に習得してきた、国内外で行われている治療の知識や技術を生かした治療を提供し、心と体に大きなストレスがかかる治療の繰り返しを少なくしていきたいですね。
患者と入念に話し合いながら治療方針をプランニング
患者さんに対してどうアプローチをされているのか、具体的に教えてください。

驚かれるかもしれませんが、最初の診療では激しい痛みなどの応急処置以外の治療は行いません。初回に口腔内やお顔の写真を5枚ほど撮影し、状況やご希望に応じて検査をした上で状況を説明し、治療の選択肢を提示します。ただ、その場で治療方針を決めていただくのは難しいですよね。そこで、診察の最後に写真や検査結果、治療内容の解説資料などをすべてお渡しして、ご自宅でじっくり検討していただいているんです。次の回に、患者さんのお考えやご希望をもとに一緒に治療方針を立て、そこから治療をスタートするのが当クリニックの診療スタイルです。通院期間やコスト面のご要望も含めて入念にコミュニケーションを取り、最終的には患者さんに治療方法を選択していただいています。
治療方法を提示するにあたり、どのようなことを重視していますか。
治療については「少なくとも良い状態が10年程度続くことが見込めるデータが示されている」といった科学的根拠が重要と考えていて、患者さんにもわかりやすく説明するように心がけています。このように考えるきっかけになったのは、ある総入れ歯が専門の先生との出会いでした。大学院時代にその先生の診療に立ち会う機会があり、理論的な説明や根拠のある治療をされている姿を見て「こんな素晴らしい先生がいらっしゃったのか」と衝撃を受けたんです。それからは、時間を見つけては治療を見学させていただき、吸収したことを自分の糧にしていきました。結果的に診療に対する理念の確立につながり、歯科医師人生のターニングポイントになったと思います。開業して毎日とても忙しいですが、可能な限り外部のセミナーなどに参加し、最近注目され始めた治療法や新しい視点にふれるようにしています。
患者さんに積極的に治療に参加してもらうにあたり、クリニックとして取り組んでいることはありますか。

圧迫感のない待合室や個室の診察室、落ち着いて話し合いができるカウンセリングルームなど、患者さんがリラックスした気持ちで通院できる空間にこだわっています。消毒された温水が出るなど、患者さんに配慮した機能が搭載された先進の診療ユニットも導入しました。滅菌室ではツールを未使用と使用済みに分けて色分けした場所に置くなど、院内感染防止策も徹底しています。メンテナンスでは、患者さんの口腔内の変化の過程を捉えるために同じ歯科衛生士が担当しますので、患者さんもコミュニケーションを取りやすいのではないでしょうか。
口内環境のケアが全身の健康維持の第一歩
目標だったご自身のクリニックを開院された今、どのようなやりがいを感じていらっしゃいますか。

当クリニックで診療にあたるようになり、コツコツとやるべきことに取り組んでいれば、患者さんの笑顔にもつながることを、今まで以上に感じています。私が他院で診察していた患者さんが当院に来てくださることもありますが、長い年月をかけて信頼関係を構築できているのなら、歯科医師としてうれしく思いますね。そんな長い間患者さんから信頼していただけるような医療の提供が、私の目標でもあります。
先生を頼ってくださる患者さんのために、今後はどのようなクリニックにしていきたいですか。
一人でも多くの患者さんから「このクリニックに来て、先生に診てもらって良かった」と思っていただけるクリニックでありたいです。この地域は住民の年齢層が高めで、歯周病治療や入れ歯治療など長いお付き合いになる患者さんが多いので、皆さんの「かかりつけ医」として末永く地域医療に貢献していくつもりです。患者さんに予防の意識を高めてもらうためにも、患者さんにはたくさんの知識を伝えています。治療が不要になるようなメンテナンスをしていきたいですね。縁あってご相談いただいた患者さんには、ご自身のお口の状態を隅々まで把握してもらうとともに、治療後の状態を守っていくことの大切さもきちんと伝えていきます。
最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

健康というと全身をイメージされる方がほとんどだと思います。でも今の時代は、頭痛を訴えて内科などの外来診療を受けると「その症状は歯科医院に相談してください」と勧められるケースもあるなど、お口の健康は全身の健康と密接な関係があると捉えられているんです。歯周病などのお口のトラブルが起点となり、ドミノ倒しのように脳梗塞や心筋梗塞などの重い全身疾患につながるとも考えられています。当クリニックでは、患者さんの口腔内のトラブルを早期に食い止めるべく、細菌が入らないよう治療部分をシートで隔離するなどの先進技法を取り入れた、質にこだわった治療を提供しています。ぜひ一度、全身の健康の入口であるお口の健康チェックに来ていただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは全体矯正/60万円~、部分矯正/25万円~、インプラント/40万円~、唾液による虫歯リスクの分析+食生活の見直し/9000円