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栄 良樹 院長の独自取材記事

しんやしきクリニック

(鹿児島市/新屋敷駅)

最終更新日:2024/02/28

栄良樹院長 しんやしきクリニック main

2023年12月、地元が好きだと話す栄良樹院長が新規開業した「しんやしきクリニック」。車移動の多い地域性に合わせて、駐車場も2ヵ所用意されている。家族で意見を出し合ったというクリニックは、れんが調の外観や一面が大きなガラス張りの明るい待合室が特徴だ。脳や脊髄、末梢神経、筋肉の病気を診る脳神経内科を専門とする栄院長は、一般内科と併せて脳梗塞やアルツハイマー病、パーキンソン病などの末梢神経疾患に加え、筋炎、筋障害についても積極的に診療を行っている。「医師が一方的に治療方針を決定するのではなく、患者さんの生活や社会背景に合わせた治療を提案し、患者さんと一緒に考えていくことが大事です」と、穏やかな笑顔で話す栄院長に、専門の脳神経内科の治療や今後の展望についてじっくり話を聞いた。

(取材日2024年2月8日)

医師が与えるのでなく、患者とともに考え、進める治療

新規開業されたばかりのクリニックですが、開業までの経緯を教えてください。

栄良樹院長 しんやしきクリニック1

医師になり、昭和大学関連の病院で勤務し研鑽を積むうちに、開業したいという思いが強くなりました。全身を診るという脳神経内科を専門にしたことも、開業し、さまざまな症状の患者さんを診療している今につながっているなと思います。大きな病院で診る患者さんはやはり重篤な方が多かったので、そこは開業した現在とは大きく違う点ですが、私自身の診療スタイルは勤務医時代も今も変わりはありません。心身の不調で悩んで来院される患者さんの話をしっかりお聞きし、正しく診断し治療につなげていくというのは、病院でもクリニックでも同じです。ただ、大きな病院では一人の患者さんをずっと診続けるのは難しい面があるので、開業しそれができるようになったのは良い点だと思います。

とても明るい待合室ですね。開業にあたりこだわられたのはどんなところですか?

私は鹿児島の出身で、高校まで鹿児島市で過ごしました。鹿児島は人柄も良く私にとって住みやすい街なんですよね。ですから大好きな地元鹿児島で開業したいという思いがあり、この地での開業を決めました。クリニックの周辺は昔から住んでいらっしゃる方も多いですが、新しいマンションができファミリー層も増えつつあり、当院の患者層も幅が広いです。クリニック名は、どなたにもわかりやすくなじみやすいように「しんやしき」とひらがな表記にしました。またクリニック開業にあたり、家族皆で意見を出し合ったんですよ。例えば、タイル張りの外観は妻のアイデアですし、葉っぱをモチーフにしたロゴは子どもの意見を取り入れています。待合室をガラス張りにし、明るくしようと提案したのは私です。

診療方針に「患者さんとともに考える」とありますが、具体的に教えてください。

栄良樹院長 しんやしきクリニック2

病院やクリニックへ行った時、治療方針について医師から押しつけられるような感覚を覚えると嫌になりますよね。当院では、医師側から一方的に与えるのではなく、患者さん自らが選択できるようにしていきたいと考えています。私が持っているさまざまな知識を使い、治療に対していくつかの選択肢を提案することで、その中から患者さんに選んでもらう、そんな医療を提供していきたいですね。例えば、クリニックに来る患者さんの中には、症状だけでなく、経済的にも苦しい思いをしている方がいらっしゃるかもしれません。そういった患者さん一人ひとりの生活や社会背景に合わせた検査や治療を、患者さんと一緒に考えながら進めていくようにしています。

一般内科に加え、脳神経内科の専門性を生かした診療

ところで、医師を志したのはどのようなきっかけからですか?

栄良樹院長 しんやしきクリニック3

両親が薬剤師だったこともあり、初めは薬学部を受験し、卒業後は薬剤師として勤務しました。薬剤師として医療の世界で生きている日々の中、医師になれば患者さんのためにもっとできることが増えるのではないかという思いが強くなり、医学部を再受験しました。脳神経内科を専門にしたのは、神経というのは全身にあるものなので、全身管理を行えることに魅力を感じたからです。他にも、救急科や小児科など全身のさまざまな臓器を診る診療科も考えましたが、最終的には若い方から高齢の方まで幅が広い年齢層の患者さんを診られるこの科に決めました。

ご専門の脳神経内科について、私たちにとって身近な脳神経内科の病気にはどのようなものがありますか?

頭痛・めまい・しびれの症状がある場合は、脳神経内科の受診をお勧めします。脳神経内科と聞くと脳梗塞を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、脳梗塞のリスク評価は、皆さんが一般的に受ける健康診断である程度チェックができます。もう少し詳しく血管の評価までするには、頸動脈のエコーをとる必要があり、当院ではエコー機器を導入し迅速に検査・診断ができるよう体制を整えています。頸動脈は脳へ血液を送る役割があるので、この部分の動脈硬化の有無を調べることは、事前に脳梗塞の危険性を知ることにつながります。またこの検査から全身の血管のリスク予測も可能です。検査結果の画像から、脳梗塞予防のためのアプローチを行うべきか、生活習慣の改善の必要性などを判断します。高血圧や脂質異常症、糖尿病などの病気を患っている方は、動脈硬化のリスクも高いので、ご心配な場合は相談してください。

診療時に心がけていることはありますか?

栄良樹院長 しんやしきクリニック4

来院された患者さんが、気持ち良く診察を受けられるように、まずはあいさつをしっかりすることを基本としています。また、症状にもよりますが、問診は時間をかけて丁寧な聞き取りを行うように心がけています。今ある症状はもちろんですが、時にはこれまでの生活習慣や生活環境などを学生の頃までさかのぼってお聞きしたりもします。それから診察後にはこちらから「何かご質問はありませんか?」と、必ず声をかけるようにしています。どんな症状であれ、体調に不安があったときに最初に門を叩いてもらえる、近隣の方々にとって気軽に相談できるかかりつけ医をめざしています。また、診察の結果、専門的な治療を必要とする場合は、脳神経外科や整形外科、心療内科など適切な診療科と連携を取るようにしています。

薬剤師としての知識や経験も生かした治療と啓発

薬剤師としてのご経験が生かされていると感じるのはどんな時ですか?

栄良樹院長 しんやしきクリニック5

医学生になり、そして今医師として仕事をする中で「薬剤師としての知識や経験が生きているな」と、感じることは多いですね。具体的には、例えば、薬剤の状態や形状などの知識があることで、その患者さんに合わせた薬を処方するのに役立っていると思います。お子さんや高齢の方など、薬を飲むことが苦手な患者さんもいらっしゃると思いますが、そういう時もどの薬ならスムーズに飲むことができるか、どうやったら飲みやすいかなど適切なアドバイスができるのが私の強みだと思います。いろいろな病院で処方されたたくさんの薬を、飲みきれずに放置してるような状態は良くないので、薬の知識を生かし、「無駄な薬は出さず、薬の量を減らすこと」も心がけています。

職場環境についても配慮されているとお聞きしました。

開業するにあたり、スタッフが楽しく働ける職場にすることを一つの目標として掲げました。自分自身に置き換えてみても、いくら医療という仕事が好きでも、職場環境が悪ければモチベーションが下がってしまうと思います。ですから、スタッフが気持ち良く働けるような職場環境を作っていきたいと考えています。休みを取りやすいようにする、仕事をする中で改善してほしいことや不満がないかを都度聞くようにするなど、より良い職場をめざし、今後も努力していきたいですね。私も含めスタッフが明るく楽しく働けていれば、それは患者さんにとっても良いクリニックになるのではないかと思います。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

栄良樹院長 しんやしきクリニック6

今はまだ準備段階ですが、今後は訪問診療も行いたいと考えています。訪問診療を行うにはマンパワーが必要なので、そういう面を整えることができたら始めたいですね。社会の流れやクリニック周辺の状況、また当院の患者さんとお話しする中でも訪問診療の要望は多く、その必要性を強く感じます。今後は看取りも含めた訪問診療にも力を入れていきたいと考えています。もう一点は、患者さん自身にも積極的に治療に参加してもらえるような啓発をしていきたいと思っています。自分の体の状態や薬について何もわからず、ただ与えられるまま薬を飲んでいる場合と、しっかり理解して治療をしていく場合では見込まれる効果も違ってくるので、そういう面にも尽力していきたいです。

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