佐藤 俊 院長の独自取材記事
碧南さとう整形外科リウマチ科
(碧南市/北新川駅)
最終更新日:2024/05/15

碧南市北部、荒居町に立つ「碧南さとう整形外科リウマチ科」。県道295号沿いにあり、車を止めやすい広い駐車場が用意されている。佐藤俊院長は、愛知県や静岡県の総合病院で研鑽を積んだ、手術の経験も豊富な整形外科を専門とする医師だ。リウマチを専門に診療してきた兄・佐藤良先生も非常勤医師として加わり、2人の医師が互いの得意な分野を極めつつ、協力できることが同院の強みの一つといえる。治療だけでなく、症状が出る前から予防するために「無病」の状態をめざしたいという佐藤院長。「気軽に来やすく、どんなことでも相談していただけるクリニックでありたい」と明るい笑顔で志を語ってくれた。
(取材日2024年5月1日)
体の痛みやケガ、リウマチまで幅広く診療
医師をめざされたきっかけや、開業までの経緯を教えてください。

わが家は、父が外科の医師、兄が整形外科の医師で、僕が医師をめざしたのはその影響が大きかったと思います。開業前に勤務した病院はすべて三次救急の病院で、多くの手術に携わり経験を積みました。手術が終われば患者さんは町のクリニックさんに戻られますので、その後の状態を知る機会があまりなく、一抹の寂しさはありましたね。術後は状態の維持がとても大切ですので、経過をしっかり見ていける医療をしたいと思い、開業を考えるようになりました。兄が碧南市民病院に勤務していたことがあり、この地域に整形外科クリニックが少ないということもあって、必要とされる場所で開業しようとこちらでの開業を決めました。この辺りは都会と比べてのんびりしていて、患者さんものどかな方が多い印象です。
開業にあたり、こだわった点はありますか?
まず、この地域は車移動の方がほとんどで、整形外科は足や腰に痛みがある患者さんが多いことから駐車場は64台と広めに、待合室もリハビリテーション室もゆったりと十分なスペースを取りました。検査機器は、血液検査、エックス線検査、超音波検査の装置の他、筋肉や腱など軟部組織の診断や、痛みやしびれの原因の特定のために役立つMRIも導入しました。病院勤務の経験からMRI検査が必要な方が一定数いることはわかっていましたので、患者さんが大きな病院まで行かなくても済むよう、当院でできることは当院でして差し上げたいと考えたのです。さらに骨密度検査の機器はDEXA法を用いた大腿骨や腰椎で測定できる機器で、手首や踵での測定より精密な結果が期待できます。「骨の状態が気になる」方はぜひお気軽にお申し出ください。
開業して2週間、患者さんはどのような方が来られているのでしょうか?

今のところ高齢の方が多いでしょうか。肩や腰、膝の痛みの他、リウマチ科を標榜していますので「リウマチかも」と不安に思い来られる方も。平日の夕方以降は、ケガをしたお子さんも増えますね。僕はバスケットボールやハンドボール、テニスの経験があり、理学療法士は野球の経験が長いので、スポーツのケガや障害に関するご相談にも乗れればと思います。来られるエリアとしては碧南市北部や隣接している高浜市の方が多く、安城市からもいらっしゃいます。診療はホームページやSNSから予約ができます。高齢の方も使いやすいようなウェブ予約システムを採用していますので、お気軽に使ってみてください。
医師2人体制で適切な治療を追求
お兄さまである良先生も整形外科の医師だそうですが、それぞれのご専門は?

僕は病院勤務時代、骨折や人工関節、脊髄の手術に携わり、中でも外傷の手術が多かったことから、当院でも突発的なケガ、例えば骨折や捻挫、打撲などの診療に力を入れたいと考えています。兄の良先生はリウマチが専門で、現在は名古屋大学医学部附属病院に勤務していて、当面は土曜日のみ診療を担当します。徐々に良先生の診療日を増やして、将来的には二診体制にしたいですね。良先生は3つ年上で温厚な性格です。仲も良いので、院内もアットホームで温かな感じになると思います。1人で診療するスタイルの良さもあると思いますが、「どのような治療を進めていくのが良いだろう」と考える時など、相談して忌憚なく意見を出し合える医師が近くにいることはとても心強いです。2人の医師がそれぞれの専門性を生かして連携、協力することは当院の強みになると思います。
リウマチ科はどのような時に受診すべきでしょうか?
ご家族内にリウマチの患者さんがいらっしゃる方、あとは、最近ケガをしたわけではないのに関節が痛んだり指がこわばったり腫れてきたりするようなことがあれば、一度相談していただければと思います。痛み止めを飲んで我慢されている方も多いと思うのですが、ちょっとでも「おかしいな」と思うことがあったら、まずはお気軽にご来院ください。当院では診察と検査でリウマチの確定診断までできるようにしていますので、検査の結果リウマチであれば、その後は速やかに治療につなげられる体制です。
先生が普段、心がけていらっしゃることはありますか?

整形外科疾患は治療をして終了ではなく、その後のリハビリを継続することが大切です。手術後、より元の状態に近づけることをめざすためには、リハビリや外来診療でフォローしていくことが非常に重要になるのです。そのためリハビリスタッフとタッグを組んで診療を進めていきたいと思います。通院期間が長くなると患者さんは「いつまで通うんだろう?」と不安に感じると思いますので、治療の目安や目標などリハビリプランを丁寧に説明するようにしたいですね。また、治療を始める際は、こちらから押しつけるのではなく複数の治療法を提案し、納得して選んでいただくように心がけています。治療は患者さんのバックボーンによっても違ってきますので、丁寧にお話を聞き取り、目標を共有していきたいです。リハビリを経て痛みの改善につながり、患者さんが元気になっていく姿を見届けられたら、開業医としての大きなやりがいとなりそうです。
「無病」をめざし、啓発活動にも注力
診療スタンスについて、他にもお考えのことがあれば教えてください。

患者さんは基本的には症状やお悩みの解決のために来院されると思いますが、女性に多い骨粗しょう症のように表には出にくい病気もあり、検査をしてみたら症状が進行しているケースも少なくありません。そのため開業医として予防の大切さをお伝えし、「無病」をめざすことも大事にしていきたいです。検査により骨密度の低下が早めにわかれば、投薬などで骨折を未然に防ぐための手だてが打てます。ひいては費用負担が少なく、介護度が良好になることも見込まれます。ケガをしてからでは遅いので、「骨の状態を知っておくことは大事ですよ」といったお話もしていきたいですね。
スタッフさんについてもお聞かせください。
当院には現在、看護師4人とリハビリスタッフ2人が在籍しています。リウマチ科を含む整形外科での勤務経験がある人たちがそろいました。患者さんへの接し方も優しく、安心して任せることができています。患者さんが通いやすいことはもちろん、スタッフにとっても働きやすいクリニックをめざしています。自分や家族との時間を大切にできるよう休みを取りやすくするなど、環境整備を進めていきたいですね。スタッフが生き生きと働いているクリニックは患者さんも居心地が良いと思いますので、「受診する側も受診を受けつける側も気持ち良く」をモットーにしていきたいです。スタッフとの連携を大事に、半年に1度は「自己評価」「他己評価」を行い、医師、スタッフが互いに「もっとこうしたらどうだろう」と提案をするなど相互に意見を言える関係でいたいですね。
今後の展望についてはいかがでしょうか?

医療機関は一般的にはあまり行きたい場所ではなく、ましてや長く通うのはうれしいことではないと思います。それでも長期通院を余儀なくされることもあるので、また行きたいと思っていただけるクリニックをめざしています。開業前に勤めていた病院では診断名がついて紹介されてきた患者さんばかりを診ていましたが、今はちょっとした打撲や「リウマチかもしれないな」といったお悩みで来られる方など幅広い症状を診療します。病気が隠れていて進行している場合もありますので、そんなふうに何か気になることがあれば気軽に相談していただける場でありたいですね。また、先ほどお話しした骨密度のことなど気づきにくい病気や予防についてもSNSやホームページを通して情報発信していきたいと考えています。いずれは開業医の先輩方のお力を借りながら、市民講演会を開くことも目標にしています。