薗田 憲司 院長の独自取材記事
そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2026/01/30
京王井の頭線・渋谷駅西口からすぐに位置する「そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院」。以前は文化村通りで診療していたが、開業1年で同院を受診する患者が急増、より質の高い糖尿病医療の提供をめざして2025年1月に現在の場所に移転した。薗田(そのだ)憲司院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を持ち、豊富な経験と専門的な知識で、患者一人ひとりの価値観を尊重する治療を実践。合併症やがんなど全身状態を確認するためCTも導入し、糖尿病と関連の深い疾患の早期発見にも努めている。また、薗田院長はSNSや動画サイト、書籍などで糖尿病に関するさまざまな情報を発信し「血糖おじさん」としても親しまれている。薗田院長に、同院の診療の特徴や糖尿病治療への思いについて聞いた。
(取材日2025年12月17日)
各種検査・診察などを1時間以内に終えられるよう工夫
こちらを受診する患者さんはやはり糖尿病の人が多いのですか?

そうですね。開業から毎月、糖尿病の患者さんが増え続け、1年で約3倍になりました。患者さん全体でいえば、およそ8割が糖尿病、あるいは予備軍の方です。SNSや動画サイトなどで糖尿病についてさまざまな情報を発信していますので、当院は内科だけれど糖尿病を専門にしているということを患者さんが理解して受診先を選んでいることも糖尿病の患者さんが多い理由だと思います。HbA1c値が10%以上の重症の方が多いのも当院の特徴ですね。糖尿病患者さんの年齢層は住宅街などにあるクリニックでは60代以上が中心となるのが一般的ですが、当院は渋谷という土地柄40代・50代の方が多くなっています。
こちらへの移転も、患者さんの急増に伴ってのことですか。
以前のクリニックは狭くて診察室も1室しかなく、検査体制も不十分でした。移転によって診察室も増えて、CTも導入し、全身状態を検査できる体制が整いました。院内の造りも糖尿病により特化した診療がスムーズにできるよう配慮しています。受付から血液検査、診察、CTなどの各種検査、栄養指導まで患者さんが戸惑うことなく、さらに待ち時間も短縮できるようオペレーションを組んでいます。血糖値やHbA1c値は最短90秒で検査結果が出ますし、CTなどの検査も含めて必要な診察すべてを1時間以内で終えられるようになっています。
そもそもなぜ開業しようと思われたのですか。

開業まで比較的大きな病院で勤務していたのですが、糖尿病を重症化させてしまう患者さんのほとんどが、通院を中断したことがある方でした。大きな病院は糖尿病だけを診ているわけではないですし、血液検査が全項目出てから診察を行うスタイルの場合、おおよそ2~3時間、長ければ半日も待つことになってしまいます。そうなると患者さんの生活が圧迫されてしまって、どうしても通いづらさが出てしまう。糖尿病の治療をするなら、患者さんの通いやすさにこそアプローチするべきなのではないかと考えるようになりました。渋谷駅からすぐの場所に開業したのも、アクセスのしやすさを重視したからです。
患者のライフスタイルや価値観を尊重する治療を提供
こちらの糖尿病の診療の特徴を教えてください。

まず、その患者さんの糖尿病がどういう種類のものであるかを判断することが重要ですので、1型糖尿病なのか、2型糖尿病なのか、あるいは膵臓や肝臓など内臓疾患や薬剤が原因によるものなのかをしっかりと見極めています。内臓疾患のリスクがある場合にはCT検査や超音波検査も行っています。糖尿病はがんになりやすいこともあるため、CT検査では消化器や膵臓、肝臓、腎臓などにがんがないかどうかも調べます。このように糖尿病だけでなく関連疾患も含めて全身状態を総合的に管理している点が一番の特徴です。治療方法は、血糖値や生活習慣など総合的に判断してその患者さんに適したオーダーメイドの方法を提案しています。肥満の方は、まずは体重の減少を図る必要があるため、当院では食事・運動指導に力を入れています。体重減少を図ることで、血圧の低下も期待できますので、ひいては全身状態の改善が望めます。
先生の診療方針を教えてください。
意識しているのは、患者さんの価値観に合わせることですね。最近はインターネットからの情報の影響もあるのか、薬を飲みたくないと思う患者さんも多いです。そうしたご希望を伺った時、頭から否定するのではなく、まずは患者さんの考えに耳を傾けるようにしています。その上で「どうして薬を飲みたくないのか」を伺うと、患者さんが持っている価値観にたどり着けます。患者さんの考えをできる限り優先しながら、なぜ今薬が必要なのかをきちんと説明すれば、納得していただけるのではないかと考えています。
患者さんと接する時に、心がけていることはありますか?

患者さんの行動を否定しないように心がけています。人の行動には何かしらの理由があります。行動の裏に患者さんの考えや気持ちがあることを忘れて安易に否定してしまうと、患者さんも治療が嫌になってしまうと思うんです。僕は「病気を診ないで人を診る」という姿勢を大事にしています。糖尿病の治療は、食事と運動指導、投薬の三本柱です。食事療法の話をする時の反応で「この患者さんは食べることが好きなんだな」といったことがわかります。そうした小さな反応にも注意しながら患者さんの価値観を推察して、患者さんを尊重することを大切にしています。患者さんが治療を続けながら、人生を楽しむためのサポートができるよう、お一人お一人に合わせた治療を提案しています。
早期からの投薬治療で将来的な膵臓の負担を軽減
SNSや動画サイトなど啓発活動にも取り組んでいますね。

勤務医時代、通常の糖尿病診療の場合に1人に割ける時間は単純計算で5分ほどでした。患者さんにとっては貴重な5分ですが、やはり5分では説明しきれないことも多く、歯がゆく思っていました。それで、動画を作り解説を残しておけば患者さんが空いた時間に見られるのではないかと考え、動画サイトやSNSでの発信を始めました。動画サイトに投稿したことで、広い層に情報を届けられるようになったと感じています。患者さんと僕が直接診察で会うのは月に1回程度ですが、動画はいつでも見られますし、お勧めの動画として自然と出てきて目にすることもあるでしょう。それが治療へのモチベーション維持につながればと思っています。
糖尿病について、もっと知ってもらいたいと思うことはありますか。
糖尿病の発症要因は、遺伝、年齢、生活習慣です。この中で遺伝と年齢はご自身ではどうしようもないですが、生活習慣だけはご自身でどうにかできることです。まずは肥満度を判定するBMIが25を超えないように心がけてほしいですね。肥満で糖尿病のある方や、遺伝的要因で糖尿病になっている方などは、早めに薬によってコントロールすることが大切です。早い時期から投薬することで、膵臓にかかる負担の軽減が見込めますし、将来的に薬を止めることも期待できます。薬を飲むことは決して恥ずかしいことではありません。糖尿病について、昔は一度薬を飲むと一生飲み続けなくてはならないと言われていましたが、今は治療薬が進化し、さまざまなタイプのものも出ています。血糖値が気になる方は早めに相談に来ていただきたいですね。
スタッフについて教えてください。

当院には医師、看護師、管理栄養士、臨床検査技師、医療事務、医師事務など総勢40人以上のスタッフが在籍しています。みんな当院の理念に共感して集まってきてくれています。それぞれの部門で、患者さんのために何ができるのか、目標を共有して実践しています。一人ひとり能動的に動いていますし、僕はスタッフを信用しています。クリニックのレビューでもスタッフを褒めていただくことが多く、うれしく思っています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
今後、東京都内で最も多くの糖尿病の患者さんを診ているクリニックにしていきたいと思っています。そのため組織としての力、医師や看護師、受付、臨床検査技師などそれぞれのスキルを今以上に高めていこうと思います。より多くの患者さんに糖尿病に特化した当院の価値をご理解いただいて、さらに多くの患者さんの状態の改善をめざしたいですね。当院では、患者さんの価値観や治療に対する考え方、ライフスタイルなどを尊重して診療しています。お一人お一人が病気と付き合っていけるようサポートをしていますので、まずは一度お越しください。

