小岩 政仁 院長の独自取材記事
越谷慶友整形外科リウマチ科
(越谷市/大袋駅)
最終更新日:2025/09/12

越谷市大袋ののどかな町の中にある「越谷慶友整形外科リウマチ科」。大袋駅から徒歩2分という便利な場所にあり、タイル張りの立派なビルに大きな看板を掲げているので迷う心配もない。院長の小岩政仁(こいわ・まさひと)先生は長年、整形外科診療に取り組んできたスペシャリスト。整形外科疾患に幅広く対応し、運動器全般の機能再建に尽力している。中でも力を入れているのが専門でもあるリウマチだ。リウマチと併発していることが多い骨粗しょう症も含めて早期発見・早期治療に注力し、近隣住民の健康寿命を一日でも長く延ばしたいと考えている。質問の一つ一つを温かく受け止め、真摯に答える姿が印象的だった小岩院長。なんでも話せそう、なんでも聞いてくれそうと感じる患者も多いだろう。広々とした院内で診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年9月1日)
確かな診断と心通う医療で地域貢献をめざす
まず、医師を志したきっかけから教えてください。

大学の教育学部付属の小学校・中学校に通っていたのですが、学校の理念が「なかま作り」でした。一つの校舎の同じフロアに通常学級と特殊学級が隣り合っていて、休み時間には垣根なく交流して遊んでいました。今では考えられないかもしれませんが、当時の理想教育だったんですね。病気や障害があってかわいそうと下に見るのではなく、心から対等に思う「仲間」だからこそけんかもしました。そんな毎日を過ごしているうちに、子どもながらに「人の病気や障害は根源的な違いではなく、人体というメカニズムの故障にすぎないのではないか」と考えるようになりました。いつか「仲間の救い」になりたいと思ったのが、医師を志したきっかけだったように記憶しています。
院長に就任するまでのご経歴も伺えますか?
聖マリアンナ医科大学卒業後は日本医科大学や東京都立墨東病院などに勤務。リウマチに関する研究で博士号、日本リウマチ学会リウマチ専門医の資格も取得しました。1994年からは春日部の秀和総合病院の整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科に約30年間勤務しました。総合病院だったので外傷、リウマチ、変形性関節症、脊椎脊髄疾患の治療、リハビリテーションなど幅広い整形外科診療を経験。多忙でしたが充実した毎日でした。こちらの院長に就任することを決意したのは理事長の森澤妥(もりさわ・やすし)先生が掲げる「確かな診断と心通う治療」に惹かれたからです。病院時代よりも患者さんの日常生活に近い場所で、寄り添う医療を提供できることに大きなやりがいを感じています。
こちらのクリニックの特色をお聞かせください。

当院は外傷や手の外科を中心とした一般的な整形外科診療を幅広く提供しているクリニックです。整形外科の主目的である運動器、すなわち骨、関節、筋肉、脊髄、神経などの機能再建をめざし日々尽力しています。2019年の厚生労働省「国民生活基礎調査」によれば、要支援・要介護になる原因第1位は運動器疾患でした。国民の健康寿命を延ばすためには認知症や脳血管疾患よりも関節をはじめとする運動器の障害への対策が急務といえるでしょう。当院でも運動器疾患の中でも特に健康寿命への影響が大きい、骨粗しょう症、リウマチ、変形性関節症などの早期発見・早期治療に注力しています。
幅広い整形外科疾患に対応しつつ専門のリウマチに注力
治療には積極的にリハビリテーションを取り入れているそうですね。

3階ワンフロアがリハビリテーションルームになっていて、温熱療法や低周波治療などの物理療法を行う各種機器を設置。理学療法士も3〜4人が常駐していて、運動療法と物理療法を組み合わせて、痛みの除去、機能の回復をめざしています。リハビリテーションというと寝たきりに近い人がするものという誤解している方もいるかもしれません。しかし、元気に動けるうちに始めることが健康寿命を延ばす秘訣です。わずかな手や肘の変形、骨粗しょう症による背中の凝りや腰の曲がりを少しでも感じたときこそ、リハビリテーションを開始する絶好のタイミングです。そうすることで、重症化を阻止し症状の改善につなげていきます。
さまざまな専門性を持つ医師によるチーム医療を行っているとか。
はい。多様な専門性を持つ医師たちの診療日を設けています。手指・手首・肘の疾患については「手の外科」を専門とする森澤理事長が診察を担当し、リウマチ、ヘバーデン結節、ブシャール結節などの治療を行っています。この他当院には肩の疾患が専門の医師もいて、スポーツ外傷や腱板損傷などの急性疾患、肩関節周囲炎や腱板変性断裂などの慢性疾患に対応しています。また、慶應義塾大学医学部整形外科教室から骨・筋肉・脂肪にできる良性・悪性腫瘍の診断と治療を専門としている先生が来る日もあります。糖尿病が専門の内科の先生もチームの一員で、患者さんを多角的な視点から診ることができるため心強いですね。その他、関節疾患、骨粗しょう症、腰椎圧迫骨折、腰部脊柱管狭窄症などの保存的療法は私が行っています。
特に力を入れている治療はありますか?

リウマチと骨粗しょう症は特に力を入れていますね。リウマチは生物学的製剤、JAK阻害薬などを用いた先進の治療もしていますが、何よりも大事にしているのは早期発見です。発症から2年以内に治療介入できれば、後々の関節痛の大幅軽減が見込めるからです。リウマチ同様に閉経前後の女性に多い骨粗しょう症も早期発見・早期治療は必須。秀和総合病院時代には毎週のように骨粗しょう症が原因で起こる大腿骨頸部骨折の治療を担当していましたが、ほとんどの方が骨粗しょう症検査さえも受けていませんでした。越谷市では20歳以上の女性が一部公費助成で受けられる骨粗しょう症検診もありますが、かかとの骨の骨密度を測定するやり方です。より正確性を求めるなら当院のようなDXA法検査ができる整形外科を一度受診してください。
「4輪立て」の診療で健康寿命を一日でも延ばしたい
診療で大切にしていることは何ですか?

薬物治療を中心とした内科的治療、手術などの外科的治療。リハビリテーション、家族や社会の支援という「4輪立て」で患者さんを診ることです。患者さんを車に例えるならば、4輪がすべて機能してこそ健康的な人生を走り続けると考えています。これは東京都立墨東病院時代にリウマチ治療をトータルマネジメントする方法として教えていただいたのですが、その他の整形外科疾患にも当てはまるのではないでしょうか。特にリウマチや骨粗しょう症は初期に大事な治療チャンスがあるので、見逃さずに素早く「4輪立て」の体制を整えるために日々真剣に取り組んでいます。
患者さんとのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?
しっかりと説明をして患者さんも医療従事者も「ともに納得のいく治療」をめざすようにしています。自覚症状もない段階で早期発見できたとしても説明不足では「どこも痛くないのに、なぜ治療が必要なのか」と困惑するばかりでしょう。せっかくつかんだ治療機会を無駄にしないためにも、患者さんに十分に理解していただくための時間は惜しみません。森澤理事長が追求している「確かな診断と心通う治療」を実現するためにも、まずは患者さんの言いたいことにすべて耳を傾けて、できるだけ丁寧にお話しするようにしています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

地域の方々の信頼を得るために、どのような医療ニーズがあるのかをいち早く把握して迅速に対応していきたいと考えています。日帰り手術が必要な場合も系列クリニックの成増慶友整形外科リウマチ科にすぐにつなげています。さらに高度な医療が必要と判断されるときも獨協医科大学埼玉医療センターなどをスピーディーに紹介できますのでご安心ください。高いレベルで早期発見・早期治療を提供し、健康寿命を一日でも延ばすのが私たちのミッションです。特に閉経前後の女性はリウマチ、骨粗しょう症などの整形外科疾患のリスクが高くなっています。更年期障害などで婦人科を訪ねる方は多いかもしれませんが、念のために整形外科の受診も検討していただければと思います。その他、外傷など日常のよくある運動器のお悩みにも対応しているので、ご家族全員のかかりつけ医としてお役に立てれば幸いです。