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山口 優 院長の独自取材記事

石川町整形外科

(横浜市中区/石川町駅)

最終更新日:2024/01/29

山口優院長 石川町整形外科 main

石川町駅から徒歩1分とアクセスの良い「石川町整形外科」。リハビリテーション室には各種運動機器を備え、待合室・診察室ともに広々とした造りだ。地元出身の山口優(やまぐち・ゆう)院長が2010年に開業し、以来、整形外科・リハビリテーション・ペインクリニックの3本柱でさまざまな「痛み」に向き合っている。患者の思いを大切に、納得感のある診療を心がけている山口院長。地域に根差した町のかかりつけ医として患者の利便性にも目を向けており、通院が困難になった患者に対する訪問リハビリテーションを実施。また、待ち時間対策の一つとして、順番予約システムを導入した。「横浜に住む患者さんとそのご家族をサポートしていきたい」と話す山口院長に、地元への思いや今後の展望について聞いた。

(取材日2023年10月11日)

長きにわたり地元横浜で「痛み」に向き合う

先生は横浜の地域医療に長く貢献されているのですね。

山口優院長 石川町整形外科1

開業前も市内で勤務していましたし、当院を開業したのが2010年のことですからもう10年以上がたちました。私の家系は祖父・祖母・父を含め、開業医をしている親戚が多いんです。なので幼少期から地域に根差した医師のイメージが自分の中にあり、自然と地域の人たちに身近な開業医をめざすようになりました。当院は法人としての1院目であり本院です。現在は東急東横線の反町駅と、みなとみらい線の元町・中華街駅に分院があり、反町院の前身は父が開業していた「山口整形外科」。地元であるこの横浜は、人としても医師としても私を育ててくれた場所。横浜の地域医療に貢献することが、地元に対する恩返しだと思っています。

お祖母さまが医師というのは、時代的に珍しいのでは?

そうですね。祖母は1907年生まれですので、当時、女性の先生はあまりいなかったようです。90歳を過ぎて亡くなったのですが、晩年まで内科の医師として診療していました。医院が自宅を兼ねていたので、そこに遊びに行くと、患者さんから相談を受ける祖母の姿をよく目にしたものです。私がめざすのも、そのような心のこもった医療。時代が違うのでまったく同じにはできないと思いますが、患者さんの悩みを受け止められる温かみある医師になりたいですね。

こちらにはどのような方が通われているのですか?

山口優院長 石川町整形外科2

地域にお住まいのご高齢の方が大半で、隣にあるスポーツクラブに通っている方もかなりいらっしゃいます。運動で膝を痛めたとか、反対に膝や腰が痛いのでクラブに通っているものの思うようにいかないといった訴えの患者さんが多いですね。開業から10年もたつと、年齢を重ねて通院が困難になってしまった方もいらっしゃるのですが、そのような場合は状況に応じて訪問リハビリテーションを行っています。その他、加齢に関わる症状で多いのが骨粗しょう症です。女性は閉経すると骨密度が一気に下がりますし、75歳までに半分くらいの方が骨粗しょう症になるといわれているんですよ。60歳を過ぎたら一度は骨密度の検査をお勧めします。働き世代ですと、肩凝りのお悩みは以前から多いのですが、最近では在宅勤務が増えたこともあってか腰痛のご相談が増えました。

整形外科・リハビリテーション・ペインクリニックが柱

こちらで行う診療の特徴を教えてください。

山口優院長 石川町整形外科3

飲み薬・貼り薬や機械による治療だけでなく、理学療法士による運動や、麻酔科の診療などを総合的に取り入れたスタイルが当院の大きな特徴です。麻酔科の分野には「神経ブロック治療」という、神経の近くに局所麻酔を打って痛みを抑えることをめざす方法があります。急性の痛みや強い痛みにはブロック治療が、慢性的な痛みにはリハビリテーションが有用です。整形外科本来の治療とリハビリテーション、それにブロック治療などのペインクリニックの3本柱で多角的なアプローチを行います。当院の副院長はペインクリニック担当の麻酔科医師なのですが、実は私の妹なんです。また金曜の代診は弟が務めており、まさにきょうだい力を合わせての診療です。開業当初から長く活躍しているスタッフもおりますし、院内は「町のかかりつけ医」らしいアットホームな雰囲気です。

リハビリテーションにはグループ全体で力を入れていらっしゃいますね。

やはり整形外科の治療には欠かせませんから、当院も一通りのリハビリテーション機器を備え、筋肉や関節がスムーズに動かせるようサポートしています。少し前は感染症の問題もあってか、リハビリテーションをお休みする方もいらっしゃいました。確かに大きな病気でない限り、急激に体が動かせなくなるということはほぼありません。ですが運動不足が続くと徐々に筋肉や関節が動かしにくくなりますし、痛みが強く出ることもあります。自己流で運動して動かし方を間違えてしまってもいけません。私たちはグループ全体で理学療法士のスキル向上に努め、3院合同の勉強会を定期的に開催しています。また機器の清掃やマスクの着用など感染症対策も徹底し、患者さんが安心してリハビリテーションに通えるよう、環境と体制を整えています。

肩凝りに対してはどのような対処法があるのですか?

山口優院長 石川町整形外科4

医療機器で痛みの緩和を図る以外にも、さまざまな方法があるんですよ。例えば、肩凝りが原因でひどい片頭痛がある場合など、トリガーポイント注射といって首や痛みのある部分に注射をして痛みにアプローチすることも可能です。貼り薬やリハビリテーションを活用する方法もありますね。当院ではそれらをいくつか提案しながら、患者さんのご希望に沿って治療を進めています。働き世代、特に女性の中には肩凝りで悩んでいる方が多いと感じています。「肩凝り程度で相談してもいいのかな」と思うかもしれませんが、もちろん問題ありません。ギリギリまで我慢せず、気軽に相談にいらしてください。

患者の思いをくみ取って、納得感のある診療を

診療の際に心がけていることをお聞かせください。

山口優院長 石川町整形外科5

患者さんの訴えに耳を傾け、何を求めているのかくみ取れるよう心がけています。治療に対する考え方も人それぞれ。とにかく痛みをすぐに取りたいのか、不安だからしっかり検査してほしいのか、また薬に対して拒否感のある方もいらっしゃいます。受診する目的が皆同じではないからこそ、話をよく聞いて理解することがとても大切だと思うんです。中にはご本人が思っているよりも症状が軽く、まだ治療が必要ではないケースもあります。それでも「特に薬はないですよ」とすぐに返すようなことはいたしません。なぜなら患者さんが来院されるのは「自分ではどうしようもない」という一線を超えた状況なんですね。わかりやすく説明して、安心してもらうことも大切です。その上で生活上のアドバイスを差し上げるなど、「ここに来て良かった」と納得してお帰りいただけるよう努めています。

これまでの診療の中で、印象に残っているエピソードはありますか?

最も強く心に残っているのは、神奈川県立こども医療センターに勤務していた頃のことです。そちらは神奈川県全域から患者さんが集まってくる医療機関なので、骨肉腫を患うお子さんもいらっしゃいました。骨肉腫とは、手術によって膝から下や片方の腕など、体の一部を失うこともある重い病気。子どもたちがその現実を受け入れて、懸命に乗り越えようとする様子を見ながら、「本当にすごいな」と感じました。治癒能力も精神面も含めて、大人が考える以上に彼らは強いのだと思います。何通か手紙をもらったのですが、自分自身が最もつらいでしょうに「先生ありがとう」と書いてあるんです。その手紙はまだ大事に持っています。実際に所属していたのは1年間程度ですが、とても印象深い場所でした。

最後に、今後の展望をお願いします。

山口優院長 石川町整形外科6

身近にあるかかりつけ医の良さは、いつでも気軽に相談できること。まずは待ち時間対策の一つとして、順番予約システムを導入しました。患者さんの利便性の向上を考えながら、さらに利用しやすいクリニックへと成長していきたいですね。人生100年時代、いくつになっても快適に過ごせるような体づくりを通じて、横浜に住む患者さんとそのご家族をサポートしていきたいと思います。

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