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西上 英樹 院長の独自取材記事

ノビリタス・メディカルクリニック

(堺市西区/津久野駅)

最終更新日:2024/02/28

西上英樹院長 ノビリタス・メディカルクリニック main

「ノビリタス・メディカルクリニック」は、精神科・心療内科の訪問診療を提供するクリニックとして2023年11月に開院。勤務医時代、地域密着のクリニックにて同分野の訪問診療経験を積んだ院長の西上英樹先生が、患者一人ひとりに寄り添う医療を展開している。訪問診療は医師が自宅を訪問するため、移動などの負担が軽くなることから患者やその家族にとって受診へのハードルが低く、生活環境の確認も可能であることからもニーズが高い。特に同院は、認知症患者の周辺症状のコントロールに注力し、患者と介護・介助する家族の良好な関係性の継続にも心を配る。穏やかな口調からその誠実さが伝わってくる西上先生に、同院の特色や訪問診療の受診の流れ、精神科領域の訪問診療のメリットなど幅広く話を聞いた。

(取材日2024年2月1日)

認知症を中心とした精神科領域の訪問診療を提供

こちらのクリニックの特色について教えてください。

西上英樹院長 ノビリタス・メディカルクリニック1

当クリニックは、患者さんのご自宅を訪ねて医療を提供する「訪問診療」を中心とする精神科・心療内科のクリニックです。中でも特に力を入れているのが、在宅療養中の認知症の方の周辺症状のコントロールです。徘徊がある、怒りっぽくなった、大事な物を盗られたと訴える被害妄想の一つ「物盗られ妄想」があるといった認知症の周辺症状により、時にご家族との関係性を壊してしまうこともあります。そうならないよう服薬などにより症状のコントロールを図ることで、住み慣れたご自宅でその方らしい生活を送っていただけることをめざしています。その他、うつ病や統合失調症にも対応しています。認知症の場合は80代、その他の疾患は60~70代の患者さんが中心ですね。

訪問診療はどのような流れで受診できるのでしょうか。

まずは当クリニックにお電話をいただくところからスタートします。当クリニックの訪問診療は認知症の方が中心で、患者さんご本人に、ご自身が病的な状態にあることの自覚である「病識」がないことがとても多く、ご家族から訪問診療のご希望をいただくことも少なくありません。病識がない患者さんだと「なぜクリニックに行かなければならないのか」とご本人が受診を拒むケースもありますので、初診からご自宅に伺って診療を行います。また、うつ病で外出が困難な方には、自立支援医療として訪問看護をご提案することもあります。初診以降の訪問頻度は、患者さんやご家族と相談して決定します。

内科の慢性疾患もある場合、同時に診てもらえるそうですね。

西上英樹院長 ノビリタス・メディカルクリニック2

はい、内科疾患との同時の診療も対応しています。患者さんはご高齢の方が中心ですので、他の疾患も罹患されている方も少なくありません。必要があれば他の医療機関やその先生方とも連携を取りながら、診療を行っています。私は勤務医時代に地域密着のクリニックで訪問診療を中心に研鑽を積み、当クリニックの開院に至ったというキャリアがあります。そのような経験から慢性疾患のコントロールのための診療であれば対応できます。当クリニックだけで医療を完結させることもめざせます。

生活に即した環境整備、服薬方法をアドバイス

診療方針について教えてください。

西上英樹院長 ノビリタス・メディカルクリニック3

精神科・心療内科の外来は混雑していることもあり、患者さんお一人にかけられる診療時間が5分など短いケースも少なくありません。当クリニックは訪問診療をメインとしていますので、患者さんのご自宅でじっくりとお話を伺う時間を確保しています。話したいことはすべてお話しいただいて、納得してその日の診療を終えていただけるよう努めています。認知機能が低下してしまった人が家族に対して不信感を持ってしまったり、家族との関係性が悪化してしまったりといった大変な状況のつらさは痛いほどに理解できます。だからこそ何らかのお力になれればと考え、認知症の方を中心とした訪問診療の道を選びました。

患者さんやご家族と接する際に意識していることはありますか。

病識のない方もいらっしゃいますので、まずは「ご高齢なので医療が必要です」というスタンスで、物忘れなど認知症の症状をクローズアップしないよう注意しています。また、ご家族からの依頼であることが伝わってしまっただけで、「勝手に申し込んだ」と患者さんとご家族の間でトラブルになるケースもあります。認知症の患者さんへは、ご家族とも打ち合わせの上、特に慎重に接するように心がけています。また、ご家族に対しては、患者さんご本人が違和感を抱かないような方法で服薬できるようにアドバイスをさせていただきます。うつ病の患者さんの場合は、外出や家事などの日常生活を営むことが困難であることも少なくありません。日々の出来事をお話しいただくことから始め、できないことではなく「できたこと」を評価する、患者さんに寄り添った医療をめざしています。

精神科医療を在宅で受けるメリットを教えてください。

西上英樹院長 ノビリタス・メディカルクリニック4

先ほども申し上げたとおり、認知症の病識がない方や、うつ病などで外出が困難な方の医療機関の外来受診はハードルが高いので、医師がご自宅に伺う訪問診療は受診スタイルとして適していると考えます。患者さんの多くがご高齢であり、精神科で処方するお薬の中には副作用として筋力低下を招く可能性があるので、ご自宅内でも転倒のリスクがあります。私は産業医学について勉強してきたこともあって、安全性に関する指摘や環境改善のための提案を得意としており、そうした知識を活用してのご自宅内の環境整備のご提案もできるのが強みです。手すりの取りつけや、電動ベッドの導入などもお気軽にご相談ください。

こうありたいと思える老後を、家族とつくり上げる

先生はなぜ精神科・心療内科を専門に選んだのですか。

西上英樹院長 ノビリタス・メディカルクリニック5

他の診療科で関わる患者さんは高齢の方が中心となることも多いのですが、精神科や心療内科の場合は、急に病気になって受診される若い方も少なくない分野です。そうした若くして病気になってしまった方の治療管理を行うことで、健康を取り戻すためのお手伝いができたらと考えて選択しました。しかしこれはきっかけにすぎず、専門的に診療に従事していく中で、高齢の方が老後生活をどう過ごしていくのかについて深く考えるようになったんです。認知症による妄想などの周辺症状により、家族との関係性を壊したまま過ごすのではなく、適切な医療介入により周辺症状のコントロールをめざすことで、その人らしい充実した人生を送っていただきたいという思いが生まれました。現在はそれを目標に、日々診療にあたっています。

クリニック名にはどんな思いを込めていますか?

「ノビリタス」はラテン語で、「高潔な」「貴族」などの意味を持つ言葉です。利益主義でなく、患者さん一人ひとりに寄り添った「高潔な」医療を提供するという意味を込めて、「ノビリタス・メディカルクリニック」という名称にしました。

今後の展望について教えてください。

西上英樹院長 ノビリタス・メディカルクリニック6

患者さんに最期まで寄り添う訪問診療を提供し続けていきたいと考えています。患者さんに通院していただく「外来」の診療をしない理由はないのですが、2023年11月の開院以来スタッフが私一人ということもあり、外来診療の拡大は現実的ではないという状況です。将来、適切なタイミングでスタッフ増員や診療の拡充を行っていけたらと考えています。

読者にメッセージをお願いします。

認知症は特別な病気ではなく、年齢を重ねれば誰もが罹患する可能性がある病気です。精神的な変化も見られる認知症の周辺症状ですが、病気によるもので、患者さん自身の「人格が変わる」わけではありません。自然の結果で誰もがなり得るものであって、決して特別なことではないと考えています。適切な医療介入によって、その人らしい楽しく充実した人生を送っていただきたいと願っています。患者さんを支えるご家族の方が将来こうなりたいと思えるような「お手本」となる老後を、一緒につくり上げていけたらと考えています。何かお困り事や悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

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