岡野 高久 院長の独自取材記事
岡野医院
(城陽市/新田駅)
最終更新日:2026/02/10
奈良線・新田駅や近鉄京都線・大久保駅より徒歩10分ほどの場所にある、「岡野医院」。京都、滋賀の基幹病院で勤務し、アメリカやオーストラリアでも多くの経験を重ねた岡野高久院長が、2023年に開院したクリニックだ。武器とするのは、難易度の高い手術で培った外科治療と、循環器疾患の診断・治療・術後ケア。岡野院長の経験から適切な診断に導くため、豊富にそろえた先進機器も一役買っている。また、海外で研鑽を積む中で得たのは、オンとオフをしっかりと分け、充実した時間を過ごすこと。そのため、スタッフとの関わりにも気を配り、医院全体のレベルアップを図っている。これまでの経歴や、開院に至った経緯、医院のこだわりなどを聞いた。
(取材日2024年7月19日)
研究、渡豪、難易度の高い手術など、多くの経験が糧に
まずは、これまでのご経歴から教えてください。

もともと外科に憧れていたということもありますが、手術によって患者さんを元気にすることがめざせること、特に心臓や血管などは劇的な変化が期待できることに魅力を感じ、外科の道を選択。京都府立医科大学を卒業後、同大学の関連病院や近江八幡市立総合医療センターなどで手術を中心に経験を重ねていきました。とてもやりがいを感じていたものの、いろいろな学問に興味があったことや、「一度、物事をしっかりと考える時間をつくったほうがいい」という先輩からの勧めもあり、大学院で研究をすることにしたんです。臨床の現場は毎日忙しく、文献などを読んで考える機会や、研究したことを論文に書いてアウトプットする時間も取れなかったので……。とても大きな意義があると思いました。
現場から一度離れ、研究をされていたのですね。その間、アメリカで学ばれたとお聞きしました。
大学院では、人工臓器の研究をしていたのですが、ある程度形になってきた時期に留学したいと考えました。ちょうどアメリカのカーネギーメロン大学で、いわゆる再生医療の研究を始めたいということで、声をかけてもらったんです。私が行ったのはロボット工学の研究所だったので、250人ほどのメンバーの中で、医学部出身者は私を含め2人だけ。世界中から集まった工学部や理学部の研究者たちと関わることは本当に新鮮で、2年間多くの学びを得ることができました。帰国し、大学院を卒業後は、本格的に心臓外科の医師として手術に携わるようになりました。ただ、どうしても触れられる症例数が少なく、さらに知識を深めるためにオーストラリアのシドニーへ行きました。国内と比べ圧倒的な手術件数が特徴のセントジョージ病院で、基礎から勉強することができました。
多くの経験を積まれた後、開院まではかなり期間があります。開院に至った理由は何だったのでしょうか。

オーストラリアでの3年を経て、帰国後は京都岡本記念病院や市立大津市民病院などの心臓血管外科で部長職などを務めました。周囲の助けもあり、ポジションもあり、患者さんもいたので、とても充実していた中で開業という思いには至らなかったのですが、50歳を過ぎた時点でふと今後の医師としての人生を考えたんです。やはり心臓外科の医師という仕事はタフなので、いつか限界がくるのではないかということ。それから小さい頃の経験として、地域のなんでも診てくれる医師のイメージがどこかにあったので、クリニックをやってみるのも一つの選択肢なのかなと。この地を選んだのは、京都岡本記念病院にいたので、土地勘や地域の医師とのつながりがあったことが理由です。
高い専門性を持ち、外科治療と循環器疾患に注力
院内のこだわりを教えてください。

清潔感やゆったりしたスペースなど、患者さんが来院したときに「気持ちいい」と感じてもらえるような空間づくりを意識しました。ありがたいことに、このクリニックモールの設計の段階から意見を出すことができたので、天井の高さやデザインを含め希望をかなえてもらった形です。また、外科治療のための処置室は広めにしています。この辺りは、向かいにスイミングスクール、近くに小学校などもあるので、お子さんの多い地域です。大きな手術は難しいものの、日常のケガの縫合など、初期的な外科治療に対応できるので、ご家族皆さんで頼っていただきたいですね。
検査機器も豊富にそろえているとお聞きしました。
外科治療に加え、循環器疾患をメインに診ていきたいと考えているので、一通りの検査ができるよう、超音波や心電図、血管年齢の測定などの検査機器をそろえました。これまでの経験を生かして、必要な検査をマネジメントし、診断につなげられることが一つの強みだと思います。例えば、最近よくいわれるようになった動脈硬化総合検診は、血液検査・CAVI検査・頸動脈エコー検査の3つの検査で測定可能です。比較的短時間で目に見える数値が出るので、患者さんにもわかりやすいですよね。加えて、超音波検査は以前からよく知っている臨床検査技師にも来てもらい、コミュニケーションを取りながら検査を進めています。もちろんより詳しい検査が必要なら、すぐに基幹病院に紹介しています。
経験を生かして検査・診断できることが強みなのですね。循環器疾患への思いをお聞かせください。

不整脈や高血圧、心不全などの診療に注力していきたいと考えています。例えば不整脈の方に行う24時間ホルター心電図の検査では、通常なら専門機関にデータを送って数週間後に再度来院してもらうことになります。しかし、動悸や胸の圧迫感があると不安が強くなる方も多いので、結果を待つ期間がつらいと思うんです。そこで、24時間の検査を終えて翌日来られたときには、すぐに解析して概略をお話しできるようにしています。詳細は後日にはなりますが「速報値」をお伝えし、必要であれば日常の注意や薬の処方などもできるので、患者さんにとってのメリットになると考えています。加えて、以前は手だてがなかったような心臓の病気も現在は治療が可能になってきましたが、心機能はどうしても落ちてしまうので、術後の患者さんのケアも当院でしっかりとしていきたいですね。
スタッフとの関わりにも海外での経験を生かして
患者さんとの関わりで心がけていることはありますか?

まずは、何でも話しやすい雰囲気づくりを意識しています。いい医療の提供には、もちろん診療がメインですが、それ以外の面で不満を感じて帰られることがないようにしたいと考えています。そのため、受付のスタッフや看護師にも、患者さんをよく見て気づいたことはすぐに伝えてもらうようにしています。それから、スタッフにはここで働くことを楽しい、充実していると思ってもらいたいですね。それが患者さんにも伝わるはずですし、クリニック全体のレベルアップにもつながるのではないでしょうか。
ところで、休日はどんな過ごし方をされていますか?
今は開院から日が浅く、なかなか時間が確保できていないのですが、落ち着いたら趣味のテニスをしたいと考えています。先ほどオーストラリアでのお話をしましたが、あちらはオンとオフがはっきりしています。4日間は朝から晩まで働き、それ以外の3日はオフ。電話もかかってこないので、家族で過ごす時間をたっぷりと取れました。当院でも時間を決めて終わるように調整し、スタッフには充実したプライベートを過ごしてもらいたいと考えているので、私も趣味の時間を持てるようにしたいですね。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

30年以上の勤務医経験の中で、「この段階であれば、信頼できるかかりつけ医に診てもらうべきだ」と感じることがよくありました。現在は立場が変わり、地域の中で少し体調を崩したときに「すぐに頼れる医院」としての役割をしっかりと担っていきたいですね。また、生活習慣病の方を診る機会も多くありましたが、私が今まで行っていた手術よりももっと前、生活指導や薬で日常からコントロールしていきましょうと伝えるところが重要だと考えています。循環器と外科の経験を生かした診療は、自分にとっての大きな武器です。困ったことがあれば、何でもご相談ください。

