佐藤 洋幸 院長の独自取材記事
むこきたクリニック
(伊丹市/武庫之荘駅)
最終更新日:2025/12/02
武庫之荘駅から車で7分の住宅街に立つ「むこきたクリニック」。2023年に開業した佐藤洋幸(ひろゆき)院長は、青森県での地域医療経験を経て、日本糖尿病学会糖尿病専門医として神戸大学で研鑽を積んできた。「地域で総合的な医療に取り組みたい」という思いから開業を決意し、ひらがなの院名には「地域のクリニックとして親しんでもらいたい」という願いを込めたという。糖尿病治療では「食の楽しみがなくなるわけではないんですよ」と前向きな姿勢で患者に寄り添い、管理栄養士や看護師とのチーム医療を実践。来院を楽しみにする患者もいるという温かな雰囲気の同院で、朗らかで穏やかな人柄の佐藤院長に、診療への思いを聞いた。
(取材日2025年11月7日)
青森での経験を生かし、地域に根差すチーム医療
開業までの経緯と地域医療への思いを教えてください。

青森県にある弘前大学卒業後は、地域医療の現場で多くを学びました。青森県の地方ということで医師も看護師も1人という少人数で、生活指導まですべて対応する環境でしたが、そこで患者さんの生活全体を診ることの大切さを実感したんです。その後、神戸大学に入局して都市部の総合病院で研鑽を積み、糖尿病専門医の資格を取得しました。開業された先輩方からも話を聞く機会があり、「地域で総合的な医療に取り組みたい」という思いが具体的になっていきました。当地は副院長を務めてくれている妻の地元でもあります。住宅地で落ち着いた環境があり、車でも通いやすいよう9台分の駐車場を確保することもできたため、開業地にもってこいだな、と。青森での経験から、医師だけでなく、看護師や管理栄養士とともに患者さんを支えることが重要だと実感しましたので、チーム体制の構築には開業時からこだわりましたね。
ひらがなの「むこきたクリニック」という名前に込めた思いは?
この辺りは尼崎の武庫之荘地区の北側で、「武庫北(むこきた)」という呼び名が地域で使われていたんです。あえてひらがなにしたのは、覚えやすく親しみやすいクリニックにしたかったから。「○○糖尿病クリニック」とか「○○内科」とすると、その科の患者さんしか来ないのかな、と思われる患者さんもおられるようなので、院名には、地域のクリニックとして幅広く相談に応じたいという思いも込めました。実際、開業当初は「なんで“むこきた”なんですか?」と聞かれることも多かったんですが、「武庫之荘の北部にあるからです」と説明すると「なるほど」と納得していただけますよ。地域に根差したクリニックとして認知されるようになってきたように感じています。
どのような患者さんが来院されていますか?

生活習慣病の方で、50~70代が多くなっています。糖尿病や高血圧の管理で定期的に通われる方が中心ですね。最近は20〜30代の女性で甲状腺の検査や病気で来院される方も増えています。ホームページの影響もあるのか、減量の外来に関心を持つ若い女性や、副院長が日本東洋医学会漢方専門医なので更年期症状で悩む40代以降の女性も来院されます。総合内科として「なんとなく疲れやすい」「眠れない」といった、どこの科に行けばいいかわからない症状に悩んで訪れる方もいます。そういった訴えは、甲状腺の病気が原因である場合もあります。専門にこだわらず幅広い症状に対応し、必要があれば適切な専門医療機関へ紹介する体制も整えています。地域の「かかりつけ医」として気軽に相談できる存在でありたいと考えています。
「食を楽しみながら」前向きな糖尿病治療
糖尿病治療における診療方針を教えてください。

糖尿病と言われると「一生治らない」「好きなものが食べられない」というマイナスイメージを持つ方が多いんですが、実はそうではないんです。「食の楽しみがなくなるわけでもないし、おやつも食べていい」ということを最初にお伝えします。大切なのは時間やバランスを考えること。そのためにも、管理栄養士による栄養相談を最初に受けていただくことが多いですね。また、いきなり薬物療法を始めるのではなく、まず食事を変えることからスタートしますのでご安心ください。実は国内の糖尿病患者は約1000万人とされていて、実際に治療を受けているのは約500万人といわれています。半分は中断しているか、放置している状態なんです。早い段階で始めれば治療もしやすく、最近は週1回の薬など負担の少ない治療法もあります。昔のような厳しい制限ではなく、楽しみながら続けられる治療を心がけていますので、ぜひ早期受診を意識していただければと思います。
フットケアの外来について詳しく教えてください。
糖尿病の合併症は足に出やすく、足の乾燥や爪の異常、タコやうおのめなどが最初の症状として現れることがあります。看護師によるフットケアの外来では、30分かけて足をきれいに洗い、爪も丁寧に切って保湿ケアまで行います。高齢になると腰や膝が痛くて爪切りも難しくなりますが、そういう方にも対応しています。実は多くの場合、僕の診察時間より、管理栄養士や看護師と過ごす時間のほうが
長いんです。医師だけでなくスタッフ全員で患者さんを支える、それが当院の特徴かもしれません。市民講座でも「毎日足をよく見て、きれいに洗って保湿することが大事」と伝えています。早期発見・早期治療につながる重要なものだと考えています。
漢方の外来ではどのような診療をされていますか?

副院長が日本東洋医学会漢方専門医として、東洋医学の観点から診療を行っています。日々の生活習慣やストレスで体と心のバランスが乱れている可能性を考慮し、西洋医学では対応しきれない症状にアプローチしています。肩凝りや疲れやすさ、更年期症状、なんとなく調子が悪いといった不定愁訴にも対応可能です。
スタッフがいるからこその温かく頼もしい医療環境を
チーム医療の体制について教えてください。

僕と副院長の他に、看護師4人、管理栄養士2人、受付4人のスタッフがいます。特に管理栄養士は開業当初から採用し、週4〜5コマの栄養相談枠を設けています。日本看護協会糖尿病看護認定看護師の資格を持つ看護師がおり、先ほどお話ししたフットケアの外来や合併症予防指導を担当しています。スタッフとは毎朝と午後の診療前にミーティングを行い、患者さんの情報を共有しています。副院長が同世代の女性スタッフとコミュニケーションを取りながら、働きやすい環境作りをしてくれているのも助かっていますね。医師一人ではできることに限りがありますから、スタッフの専門性を尊重し、それぞれが力を発揮できる体制を大切にしています。
待ち時間の工夫や高齢者への配慮について教えてください。
初診の方には看護師や管理栄養士が予診を取り、僕の診察前に詳しい予診を行います。待ち時間を有効活用できますし、女性スタッフのほうが話しやすいこともあるでしょう。デジタルサイネージで健康情報を流したり、管理栄養士が作成する月刊の「栄養便り」を配布したりもしています。A4サイズの読み物で、簡単なレシピや栄養の豆知識を載せて、持ち帰っていただけるようにしているんです。単にお待たせするだけでなく、待ち時間も有意義に過ごしていただければ、と。また高齢の方には特に配慮し、車いすや手押し車の方はスタッフが玄関までお迎えします。駐車場から歩くのが大変な方には、車やタクシーまで迎えに行くことも。診察中も看護師や事務スタッフが横に付き添い、安心して受診していただけるよう環境を整えています。
読者へのメッセージをお願いします。

健診で異常を指摘された方、なんとなく調子が悪いという方、どんな相談でも気軽に来ていただきたいですね。糖尿病は早い段階で始めれば、そんなに心配する病気ではありません。医師の診察だけでなく、管理栄養士の食事相談や看護師のフットケアだけでも受けられます。「この食事内容でダイエットできるか」という相談でも構いません。自己流ではなく、専門的な知識に基づいた健康管理のお手伝いをします。体組成計での測定だけという自費の相談にも対応しています。まずは電話でご相談いただければ、なるべく近い日程で予約をお取りします。地域の皆さんが少しでも気持ちが楽になり、心が軽くなるような診療を続けていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは体組成計での測定/500円~

