犬飼 啓介 院長の独自取材記事
えそらデンタルクリニック
(羽島郡笠松町/柳津駅)
最終更新日:2025/08/22

笠松町ののどかな地に立つ「えそらデンタルクリニック」。犬飼啓介院長は、身長193cm、元プロバスケットボール選手という異色のキャリアの持ち主だ。朝日大学大学院ではインプラント治療を専攻し、複数の歯科医院に勤務して幅広く経験を積んできた。犬飼院長にとって、自身が所属していたバスケットボールチームの本拠地である笠松町は第二の故郷なのだそう。子どもから大人まで誰もが安心できる空間づくりを大切にしたクリニックで、「歯科医療もバスケットも、地域に貢献したいという思いは同じです」と、語る犬飼院長に、開業の経緯や診療への想い、これからの展望について話を聞いた。
(取材日2025年6月26日)
子どもから高齢者まで、誰もが来院しやすい歯科医院に
開業までの経緯を教えてください。

父が歯科医師をしていたので、自然と興味が湧いて同じ道に進みました。大阪府出身の僕がこの地で開業したのは、笠松町に特別な縁を感じているからです。両親の出身地が羽島市で、この辺りは幼い頃からよく訪れていた思い出深い場所です。また、プロバスケットボールの選手として所属していたチームの本拠地が、ここ笠松町にあります。選手だった頃は、バスケットと歯科医師との両立が非常に大変でしたが、周囲の方々に恵まれたおかげで充実した選手生活を送ることができました。そのため、引退後はお世話になった笠松町に貢献したいという強い気持ちがあり、この場所での開業を決意しました。バスケットボールチームの拠点から近いので、今でもメンバーとは交流がありますよ。
明るくて開放的な院内ですね。大きなキッズスペースが印象的です。
ありがとうございます。どなたでも来院しやすいように、院内全体をバリアフリー設計にしました。幼少期からの予防歯科が重要だと考えているので、小さいお子さんが、「歯医者さんは怖い所じゃない」と思えるような雰囲気にしたくて、広めのキッズスペースを設けました。実際に、遊びにくる感覚で来院しているお子さんもいるようです。また、診察室はすべて個室になっているので、プライベートな空間でリラックスして治療を受けていただけます。天井を高くして、圧迫感がないように意識しました。なお、待合室に一番近い診察室は特に広く設計していて、親子のみならず、付き添いが必要なご高齢の方や車いすの方にも、とても便利だと喜んでいただいています。
どのような患者さんが多く来院されていますか?

お子さんからご高齢の方まで幅広いですが、小さなお子さんを連れた親子が比較的多いですね。当院には保育士が常駐しているので、お子さんを預けて親御さん自身が安心して治療を受けられるという点でも選んでいただいているようです。患者さんの利便性を考えて夜は7時まで診療しているので、夕方以降は仕事帰りに寄られる若い方の姿がよく見られます。開業して1年ほどたち、最近はメンテナンスで来院される方が増えてきました。
0歳からの予防に注力して将来的な健康をサポート
幅広い世代の患者さんに対応されているとのことですが、どのような治療が受けられますか?

虫歯や歯周病治療、インプラント治療を含めた口腔外科治療、矯正歯科、小児矯正、義歯作製、審美歯科など、地域の皆さんのお困り事に合わせて幅広く対応しています。治療においては、なるべく削らない、抜かないということを意識し、患者さんの負担軽減をめざしています。勤務医時代には歯をすべて抜かざるを得ないほど口腔内の状況が悪い患者さんも診てきました。歯が悪くなってからの治療は、時間もお金もかかり、患者さんの負担が非常に大きいことを実感しています。だからこそ、予防が重要なのです。理想を言えば、幼少期から予防の意識をつけてほしいと思い、注力しています。
子どもの虫歯予防のためには、何歳から歯科医院を訪れるのがいいですか?
そうですね。歯が生え始めた0歳からお口を診せていただければと思います。3歳までに良い口腔環境をつくることで、将来的に虫歯になりにくいお口になるといわれています。そのため、歯が生え始めた頃から、正しい歯磨き習慣や食習慣を身につけることが大切です。小さなお子さんの予防には、やはり親御さんのサポートが不可欠なので、仕上げ磨きの方法やおやつの与え方などを具体的にお伝えしています。お子さんが自分で歯磨きができるようになってきたら、本人にも歯磨きの方法を教えて、親子一緒に予防意識を高めていくことをめざしています。僕が開業して10年、20年とたった時に、当院に通ってくれていたお子さんたちが、虫歯や歯周病が少ない状態でいることが目標です。
大人の患者さんはどのような相談が多いですか?

虫歯や歯周病、ご高齢の方だと義歯の作製や調整のご相談が多いですね。虫歯は痛みで気づきやすいのですが、歯周病は自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進行してしまうケースが少なくありません。特に30代~40代の方には歯周病の予備軍がたくさんいらっしゃいます。この時期にしっかり治療し、将来的にご自身の歯を長く保つことをめざしたいですね。自覚症状が少ない歯周病治療では、治療による変化を患者さんに実感してもらうことが大切です。当院では、定期的に口腔内写真を撮り、治療前後の状態を比較してお見せしています。「ここがきれいになったね」とか「まだ少し腫れがありますね」など、写真を使うことで、口腔内の変化を視覚的に実感していただけたらと思っています。治療が済んで、患者さん自身が「この状況を保ちたい」と思うような、そんな自然な流れで定期健診につながっていったらうれしいですね。
丁寧なカウンセリングで治療の不安軽減をめざす
インプラント治療がご専門だと伺いました。

はい。大学院ではインプラント治療を専攻し、博士号も取得しました。ですが、インプラント治療を希望されて来院される患者さんでも、無理にインプラント治療を勧めることはありません。インプラント治療はすばらしい治療法の一つですが、患者さんの全身状態やお口の中の環境によっては、必ずしも最善の方法とはいえないケースがあるからです。骨粗しょう症や糖尿病、喫煙習慣など、インプラント治療のリスクを高める要因がある場合は、正直にお話しし、入れ歯やブリッジなど、他の選択肢もきちんと提示します。長期的に見て、患者さんにとって最もメリットがあり、長持ちするような治療法を選んでいただくことが大切だと考えています。そのため、こちらが一方的に治療法を決めるのではなく、選択肢とそのメリット・デメリットをしっかりお伝えし、患者さん自身が納得して治療を選択できるようサポートすることを一番に考えています。
診療で大切にしていることは何でしょうか?
患者さんが安心して治療を受けられるように、いくつか心がけていることがあります。まず、痛みに配慮した治療です。麻酔などを駆使して、できるだけ痛みを軽減できるようにしています。もう一つ大切にしているのが、治療前のカウンセリングです。不安な気持ちは痛みを増幅させてしまうこともあるので、治療前に患者さんのお話をしっかり伺い、緊張を和らげることが重要だと考えています。歯科衛生士が患者さんとうまくコミュニケーションを取り、私には遠慮して言えないような気持ちもしっかりと引き出してくれるので、患者さんも安心感があるのではないでしょうか。また、お子さんの診療で大切にしているのは、無理に押さえつけて治療しないことです。一度怖い思いをしてしまうと歯科医院がトラウマになってしまうこともあるので、まずは雰囲気に慣れることから始めて、楽しく通ってもらえるようなコミュニケーションを大事にしています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願します。

僕の中では選手としての活動と歯科医師としての診療は別々のことではなくて、「地域に貢献したい」という目標をかなえるための行動です。ご縁があり大好きな笠松町で仕事ができることが本当にうれしくて、地域の皆さんに安心、信頼して来ていただける歯科医院にしていきたいと思います。先にお話ししたように、子どもの予防には特に力を入れ、「ここに通っている子はお口のトラブルが少ないね」と言われるようになりたいですね。また、「歯科治療が怖い」と歯科医院から足が遠のいている方にこそ来てほしいと思っています。どの状態からでも、口腔内の環境を良くするための選択肢はたくさんあるので、諦めないでほしいです。ゆっくりとお話を伺いながらより良い治療法を一緒に探していきますので、お気軽にご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正治療/1万1000円~、成人矯正治療/77万円~、インプラント治療/38万5000円~、ジルコニアを用いた補綴治療/7万7000円~