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松崎 大和 院長の独自取材記事

松ざきこころクリニック

(八王子市/八王子みなみ野駅)

最終更新日:2025/02/12

松崎大和院長 松ざきこころクリニック main

八王子みなみの駅東口を降りてすぐ、2023年10月にオープンした「松ざきこころクリニック」。院長の松崎大和先生は、20年以上地域医療や大病院で診療を行う日本精神神経学会精神科専門医だ。うつ病や双極性障害などの精神疾患から、ADHDや自閉スペクトラム症等の発達障害、心の病が体の問題として表れる心療内科領域まで、精神に関わる症状の治療にあたる。診療では、成育歴や現在置かれている環境など、患者の背景にあるストーリーに着目。患者自身が気づいていない問題を見つけ出し、根本的な解決を試みる。また患者が社会福祉制度を活用できるよう、精神保健福祉士によるサポートも実施。物腰がやわらかく、穏やかな口調で「患者さまが納得できる治療を提供したい」と語る松崎院長に、同院のコンセプトや今後の展望について話を聞いた。

(取材日2024年12月18日)

待ち時間も気兼ねなく過ごせるようプライバシーに配慮

開業を決めたきっかけや、この地域を選んだ理由を教えてください。

松崎大和院長 松ざきこころクリニック1

20年以上大学病院や地域医療などさまざまな医療現場で働きましたが、自分のやりたいことをかたちにするには自分のクリニックを持つのがベストだと思い、このクリニックを開業しました。八王子を選んだ理由は、以前この地域周辺のクリニックに携わった際に、福祉関係や行政機関とつながりやすい環境が整っていると感じたからです。精神科や心療内科に関わる疾患は、医療のケアだけでは解決できず、家族関係や職場環境、地域環境など生活面のトラブルが重なって生じているケースが多いです。今まで培ってきた医療技術の提供だけでなく、社会福祉や行政機関との連携まで含めた治療の枠組みを患者さまに提供するため、この地での開業を選択しました。

待合室では、患者さまのプライバシーを守る設備や対応を意識しているとお聞きしました。

精神科の特性上、ほかの患者さまと交流したくない方や、お知り合いの方と鉢合わせしたくない方が多くいらっしゃいます。そこで当院の待合室は、椅子を横並びにしたり、椅子と椅子の間に顔の高さ程度の仕切りを導入したりして、できる限り患者さま同士がお顔を合わせにくい空間にしています。患者さまのお呼び出しも、お名前ではなく受付番号を待合モニターに表示してご案内したり、診察室には防音扉や防音壁も採用したりと、個人情報が周囲に伝わらないよう配慮しています。患者さまが安心して受診できるよう、できる限り配慮していますので、周囲の視線を気兼ねせず受診していただけたらうれしいです。

院内の内装も、患者さまが安心できる雰囲気を大切にしているそうですね。

松崎大和院長 松ざきこころクリニック2

来院された患者さまの緊張や不安を少しでも軽減できるよう、院内の壁紙や設備は温かみのある色調を意識しています。家庭的な雰囲気でご自宅のリビングのようにリラックスしてほしいと思い、少し和風インテリアを取り入れているのも特徴です。また内装だけでなく、受付スタッフや看護師も温かい雰囲気でお出迎えができるよう、スタッフがゆとりを持って働ける環境を重視しています。思いやりの心は、心に余裕があったほうが生まれやすいので。昔よりも精神科の受診に抵抗がない方が増えていますが、独特な雰囲気に不安を感じる方もいらっしゃるので、少しでも親しみやすい環境になるよう心がけています。

多職種と連携しながら生活の再構築をめざす

クリニックのコンセプトを教えてください。

松崎大和院長 松ざきこころクリニック3

当院は、地域医療として患者さまの生活に密接した治療をモットーに、気軽に相談できる専門家をめざしています。人によって困り事の規模は違いますし、継続的な治療が必要な精神科疾患の方もいれば、職場や家族関係などのトラブルによるストレスで不調を感じている方もいらっしゃいます。しかし理由は何であれ、それを苦痛に感じているのであれば、どういった対応が必要なのか相談するのが重要です。私は患者さまにさまざまな治療方針を提示しますが、押しつけるのではなく、患者さまと一緒に決定していくことを基本にしています。先ほどお話ししたとおり、患者さまがリラックスできる雰囲気づくりも大切にしているので、精神科だからと身構えずにお越しいただきたいです。

診療する際に、大事にしていることはありますか?

患者さまが現在抱える悩みだけでなく、生まれてから今までのストーリーを把握することですね。精神科疾患の治療には、患者さまの成育歴を知ることが非常に重要です。今苦しまれている症状が、生まれ育った家庭環境が要因の一つとして生じている方も少なくありません。そのため表に見える問題だけでなく、背景にあるストーリーまで理解し、総合的に判断した上で治療方針を決めていくべきだと考えています。もちろん、診察時間には限りがあるため、話し足りないと感じられる患者さまもいらっしゃいますが、事前に問診票で回答いただいた内容を参考にしながら、お話を掘り下げていく姿勢を大事にしています。

精神保健福祉士による療養生活相談も受けられるそうですね。

松崎大和院長 松ざきこころクリニック4

精神疾患により日常生活に支障を来している場合、医療ケアだけでなく社会的側面の問題解決も必要になります。薬だけを処方していても、生活面でのトラブルを放置してしまったら根本的な改善が望めません。そこで当院では希望者に対し、精神保健福祉士と連携した療養生活相談を行っています。例えば、障害により自立した生活が送れない場合は、日常生活で必要な能力を向上させる「自立訓練」や、働くために必要な知識やスキルの習得をめざす「就労移行支援」。精神的な不調で休職している患者さまには、職場復帰に向けた支援やリハビリテーションプログラムといった社会資源の利用方法を紹介します。障害年金申請にあたってのご相談も可能です。費用はいただきますが、その分医療だけでなく福祉面でも患者さまが安心して日常生活を過ごせる環境づくりをサポートします。

心の苦痛で日常生活に支障が生じるなら受診の検討を

精神科や心療内科の受診が必要なサインを教えてください。

松崎大和院長 松ざきこころクリニック5

患者さまによって苦痛の感じ方や症状の表れ方は異なりますが、食欲がなかったり、不眠傾向があったりなど、日常生活の支障が一つの目安です。睡眠や食事が思うように取れない日が連続すると、イライラや不安感などの症状もどんどん大きくなってしまうので、その苦痛が社会生活によるストレスで生じているのか、精神疾患で服薬や治療を要するものなのか、専門家に判断してもらうことが大切です。精神科や心療内科でなくても、スクールカウンセラーや産業医など相談できる場所が身近にあれば、そちらを利用するのも手です。もし専門的な診療が必要であれば、精神科につなげてくれるでしょう。心身が苦しいときは一人で抱え込まず、安心して頼れる場所に相談してほしいですね。

クリニックについて知っておいてほしいことはありますか?

「医療と福祉」の両面からの視点を大切にしていることでしょうか。精神科が他の科と異なるのは、悪いところが治ったらそれで終わりではないところ。人との関わりの中で苦しい思いをされてきた方が前に進むためには、自分自身を見直し、社会とのつながりを見直すことも必要だと考えます。よく外科領域で「神の手」と表現されることがありますが、精神科領域においては、「周りの方々の手」が1番の「神の手」になりますね。医療観点で病気を治すことに加えて、福祉の観点として、ありのままのその人が受け入れられる場所をつくっていくことが必要だと考えます。そのために、患者さんが自分のことを理解することと、どうやって周りに周りの方に理解してもらえるかを一緒に考えていくことにも注力しています。当院では心理検査も行っているので、気になる方はぜひご相談ください。カウンセリングは行っていないので、そちらはご注意いただけたらと思います。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

松崎大和院長 松ざきこころクリニック6

当院では、患者さまが納得した上で治療を進めていくことを大切にしています。先ほどお話ししたとおり、当院では社会的側面までサポートする体制を重視しているので、社会福祉施設など関連機関とつながることで患者さまにとって安心できる居場所づくりのお手伝いができればと考えております。また患者さまの中には、「こんなことを話したら怒られるのではないか」とためらう方もいらっしゃいます。私は患者さまの想いをできる限り受け止めていく心意気でいますので、「副作用がつらい」「実はお薬をうまく飲めていない」など、治療内容の違和感や不安なども遠慮なくお聞かせください。一緒に折り合いをつけながら、一歩一歩治療を進めていきましょう。

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