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井倉 和紀 院長の独自取材記事

西早稲田ライフケアクリニック

(新宿区/西早稲田駅)

最終更新日:2023/10/13

井倉和紀院長 西早稲田ライフケアクリニック main

西早稲田駅から徒歩1分、諏訪町交差点の医療ビル3階にある「西早稲田ライフケアクリニック」。院長の井倉和紀先生は日本糖尿病学会糖尿病専門医であり、長年にわたって大学病院でたくさんの重症患者を診てきた。血流障害や神経障害から足の切断に至る例にも数多く立ち会い、合併症を防ぐ重要性を痛感。ゲートキーパー的な町のクリニックをつくりたいという思いから開業した。糖尿病やフットケアに強みを持つが、それ以外の内科疾患にも幅広く対応し全身のトータルケアをしていきたいと考えている。そのために、クリニックレベルを越えた検査体制の充実にもこだわったという井倉院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2023年9月27日)

充実した検査機器による即日検査で早期発見・早期治療

まず、医師になったきっかけやご経歴をお聞かせください。

井倉和紀院長 西早稲田ライフケアクリニック1

母方の祖父母が医師で、医療は常に身近でした。産婦人科クリニックを開業していた祖母は東京女子医科大学の卒業生で、僕が生まれたのも同大学病院です。大学卒業後は同大学病院の糖尿病センター内科に16年間勤務してきたこともあって故郷のように感じていますね。糖尿病を専門にしようと思ったのは、患者さんと密に接して長くお付き合いしていく必要がある疾患だったからです。合併症のリスクもあるので、全身を診ていかなくてはいけない点にも興味を持ちました。大学病院では数多くの重症例を対応してきましたが、特に足の合併症に特化したフットケアの外来での経験はすべてが忘れがたいです。足を切断しなければ生命に危険が及ぶほど症状が進んでしまって、苦しむ患者さんたちを目の当たりにして「重症化を未然に防ぐゲートキーパー的な役目が必要だ」と考えるようになり、開業を決意しました。

どのようなクリニックを目標に開業しましたか。

これまでの経験を生かした「頭のてっぺんから足の爪先まで全身のトータルケアができるクリニック」が目標です。さまざまな合併症がある糖尿病は、患者さん一人ひとりに必要となる検査も異なります。先進機器を導入し、大学病院に劣らない一通りの検査を直ちに院内でできるようにしたのは最もこだわった点ですね。内科系の検査体制を整えている糖尿病専門のクリニックは他にもあると思いますが、フットケアに関する機器も充実しているのが当院ならではの特徴です。全身をトータルケアしていこうと考えた時、フットケアは鍵になるといっても過言ではありません。足が悪くなって歩けなくなれば、筋力が落ち、栄養状態も悪くなり、悪影響は全身に及ぶ恐れがあります。実際、足を切断した人の生命予後は非常に悪く、足が健康に及ぼす影響は計り知れません。

患者層の特徴などを教えてください。

井倉和紀院長 西早稲田ライフケアクリニック2

今のところ大学病院でフットケアをしていた患者さんが多めですね。フットケアと糖尿病のコントロールを合わせて行う方もいれば、フットケアだけを目的に通っている方もいます。9月に開院したばかりなので、まだあまり知られていないのかもしれませんが、だんだん近所の方が増えているのはとてもうれしいです。糖尿病を専門としていますが、その他の生活習慣病はもちろん、風邪、インフルエンザ、頭痛、皮膚のかゆみなど日常生活の中で比較的遭遇しやすい急性症状も気軽に相談できる「地域密着型のクリニック」を、もう一つの目標にしています。「何科に相談したらいいかわからない」という時も、ぜひ来てください。プライマリケアクリニックとして、内科以外の近隣クリニックはもちろん、現在も毎週金曜日に非常勤として外来を担当している東京女子医科大学や専門の医療機関へご紹介し、適切な治療を受けられるように導けたらと思っています。

専門性を生かした糖尿病の治療とフットケアに強み

専門としている糖尿病の治療では何に注力していますか。

井倉和紀院長 西早稲田ライフケアクリニック3

やはり合併症を未然に防ぐことです。そのためにはしっかりと血糖値をコントロールしていかなくてはいけません。院内での即日検査によるヘモグロビンA1cの値に基づいて、患者さんの現状に即した治療を進めることも大事にしています。血糖値のコントロールは食事指導と運動指導を基本にしていますが、それでもコントロールがつかない場合は薬物治療となります。良好な血糖値を保つことを長く維持できれば、合併症も発症せずに普通の生活を営むこともめざせるので、患者さんにも頑張ってほしいと思っています。放置していたら何が起きるのか具体例はいくらでも知っているので、時々、危機感を持っていただくためにお話しするようにしています。

もう一つの柱、フットケアについて詳しく教えてください。

糖尿病専門のクリニックでフットケアもしているところはまだ少ないのではないでしょうか。しかし、糖尿病の合併症による神経障害が進むと足が変形してしまい、合う靴がなくて困っている患者さんは少なくないと思います。当院では、偏平足などの診断がつけば保険診療で靴やインソールをオーダーメイドで作製することもできるのでご相談ください。糖尿病由来に限らず、厚くなった爪、たこなどのさまざまな足のトラブルに対する治療も行っています。スタッフたちも義肢装具の会社が主催するドイツ式のフットケアの講習会にも参加するなどして、フットケアについて学んでいるところです。専用のフットケアルームも2つつくり、リラクゼーションチェアにゆったりと座って施術を受けられるようにしたので、一度体験していただければと思っています。

患者へのきめ細かな配慮が行き届いていますね。

井倉和紀院長 西早稲田ライフケアクリニック4

診療にあたっては、患者さんのお話に丁寧に耳を傾けるように注意しています。糖尿病の治療は血糖値のコントロールさえできていればいいというものではありません。患者さんのちょっとした訴えには、より良い治療のためのたくさんのヒントが隠れています。糖尿病以外にも調子が悪いところはないか、お困りのことは何でも話していただけるような雰囲気づくりも大事です。食事指導では何時に何を食べているのか、間食は多いのかなど、普段の生活習慣を詳しく教えていただかなければいけません。また、フットケアに関してもどんな靴を履いているのか、毎日どれくらいの距離を歩くのか、そういったことをきちんと踏まえてアドバイスしていきたいと考えています。

足の悩みをきっかけに全身をトータルケアしていきたい

今後の展望についてお聞かせください。

井倉和紀院長 西早稲田ライフケアクリニック5

クリニックのコンセプトでもある、全身のトータルケアを追求していきたいです。糖尿病以外の方でも、トータルケアをしてほしいという患者さんはたくさんいるのではないかと思っています。同じような症状でもそれぞれのライフスタイルごとに治療計画をアレンジしていくようなオーダーメイドのケアをしていけたらいいですね。「何となく調子が悪い」というような時でも、ここに来れば悩みを気軽に相談でき、各種検査も受けられ、必要に応じてより専門的な医療機関も紹介してもらえると、近隣の方々に認知してもらえるように努力していきたいです。ホームドクターとして10年先、20年先の皆さまの健康のために、できることを一つずつ積み上げていきたいと考えています。

お忙しい毎日ですが、ご自身の健康維持法などはありますか。

時間を見つけては体を動かすようにしています。怠けているとたちまち体調に影響が出るので、運動の大切さを実感していますね。毎日必ず筋力トレーニングをするようにしていますが、実はジム通いなどをしているわけではなく、もっぱら自宅でゲームを活用しています。消費カロリーも出ますし、鍛えたい部位によって運動をカスタマイズすることもできますし、豆知識なども教えてもらえて、なかなか侮れないんですよ(笑)。やはり、黙々と義務感だけでやるのでは、運動は習慣化しにくいのではないのでしょうか。患者さんに運動方法を紹介する時も、いかに楽しみながら続けてもらえるかを大切にしています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

井倉和紀院長 西早稲田ライフケアクリニック6

糖尿病の方はもちろん、それ以外の方も気兼ねなく利用してください。何かしらの健康不安があって全身のトータルケアをご希望ならば、お役に立てると思います。検査機器も充実しているので、まずは不調の原因を正しく把握するところから治療を始めましょう。また、当院ではフットケアも行っているので「自分で爪が切れない」というお悩みでも構いません。爪が分厚くなっていたり、体が硬くて手が伸ばせなくなっている高齢の方などもお待ちしています。足の悩みをきっかけに内科の問題が見つかることもあるので、気軽にお立ち寄りください。

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