風間 文貴 院長の独自取材記事
歯科風間医院
(豊島区/巣鴨駅)
最終更新日:2025/05/12

巣鴨駅から徒歩5分、とげぬき地蔵からすぐ近くの大通りに「歯科風間医院」はある。80年以上、長きにわたり多くの人の歯の健康を守ってきた歯科医院だ。「私はしゃべることも好きなので、患者さんに先進の情報をお伝えできるように、いつも勉強しています」と笑う風間文貴院長は、気さくで話しやすい人柄の歯科医師である。地域の住民が集う同院には、久しぶりに来院する人や初めての人も安心して通えそうなアットホームな空気がある。痛みが少ない、歯を削らない、抜かない治療をめざし、そして歯周病治療と予防歯科に力を入れる風間院長に思いを語ってもらった。
(取材日2025年3月10日)
地域に根差し、気軽に足を運んでもらえる歯科医院に
長い歴史がある歯科医院を継承されたのですね。

はい。当院は曾祖父の代から続いている歯科医院で、私で4代目になります。この巣鴨の地で診療を始めたのは戦後すぐの頃と聞いているので、そう考えるとかなり長いですね。患者さんも長年通ってくださる方が多くて、私が小さな子どもだった頃の様子を知っている方もいらっしゃるんですよ。そんな歴史を経て、私が当院を継承したのは2023年の6月。父が急逝し突然のことではありましたが、いずれは自分が後を継いでいきたいと考えていたので、少なからず心の準備はできていました。「後は任せてくれ」という気持ちで、新たなスタートを切ったのです。
継承されるまでのご経歴を教えてください。
2014年に奥羽大学歯学部を卒業した後、まずは大学で研修を受けました。その後は埼玉や東京、茨城の歯科医院での勤務を通じて、総合的な歯科医療の経験を積んできました。また同時に、特別養護老人ホームへの訪問診療や、フィリピンでのボランティアに携わり、研鑽を重ねましたね。フィリピンでの取り組みは、貧困が原因で歯の治療ができない人たちが多くいるので少しでも力になれればと考えてのことでした。いずれの経験も、歯学部の先輩や豊島区の歯科医師会などを通じて紹介してもらい実現したことです。出会った方とのご縁によって多くを学ばせていただいたことに感謝をしています。
現在の診療で大切にしていることは何でしょうか。

地域に根差す歯科医院として、一番力を入れていきたいのは、虫歯や歯周病の発症を未然に防ぐための予防歯科です。そのためにまずは気軽に来てもらえる、話しやすい雰囲気づくりを大切にしています。こちらから治療についてしっかりと説明をすることはもちろんですが、患者さんからも気になることを何でも話してもらえたらうれしいですね。そんな気持ちでいますので、いらした患者さんから歯のことだけでなく、「最近こんなことがあったよ」という会話をしていただけることもあります。先日は、患者さんから「うちの犬が逃げちゃって……」なんてお話も聞きました(笑)。次にいらした時に「その後、大丈夫でしたか?」とお声がけをしたいので、ちょっとした会話も大事にメモするようにしています。
できる限り歯を残す治療と予防歯科が基本の診療方針
初診の場合、どのような流れで診療をされるのですか?

まずは患者さんのお話を聞いてから、口腔内をエックス線で撮り、気になる部分以外にも問題がないか、全体のチェックをします。緊急の痛みなどがあればまずその処置を優先しますが、そうでない場合はじっくりカウンセリングの時間を取っていますね。当院の基本方針は、「なるべく痛くない、削らない、抜かない治療」です。その一環として、できる限り歯を抜かないための手段でもある根管治療に尽力しています。根管治療とは、炎症や感染を起こした歯の神経や組織を取り除き、歯の内部を除菌する治療です。お一人お一人の状況に合わせて、患者さん自身のご要望をお聞きしながら、治療の計画を立てていきます。
予防歯科に力を入れるようになったきっかけや、お考えを教えてください。
初めて勤務した歯科医院が、歯周病治療や予防歯科に力を入れており、そこで学んだ経験が今の考えの基礎になっているのだと思っています。歯周病は誰でも発症する可能性がある病気ですが、初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに症状が進んでいる場合が多くあります。初期ならば軽い治療で改善を図れるものも、症状が進行してしまうと大事な歯を失うことにもなりかねません。また歯周病はお口の中の問題だけではなく、糖尿病や循環器疾患などとも関連があると指摘されています。一生涯使える歯を失わずに、体も健康でいるためには、日頃から口の中をチェックして、クリーニングをしておく習慣が何より重要であると考えています。
クリーニングはどのように行われるのでしょうか。

当院では、エアフローという器具を使って、歯の表面や歯と歯の間、歯周ポケットの中を丁寧に清掃しています。エアフローは水と超微細なパウダーを用いて洗浄をするので、歯を傷つけにくく、歯周ポケットの奥深くまでアプローチできることが特徴です。またクリーニングをして終わりではなく、虫歯や歯周病の原因となる歯垢を増やさないために、適切な歯磨きの指導も行っています。毎回歯の染め出しを行って写真を撮っているので、日頃の歯磨きがちゃんとできているかどうかも見ています。「よく磨けていますね!」とか「ここが磨けていませんね」などとお伝えすると、患者さんも「ちゃんと磨かなくちゃ」と思ってもらえると思うのです。
患者が笑顔になるための手伝いがしたい
今後の展望をお聞かせください。

当院の歯科衛生士でもある妻とは、よく今後のことを一緒に話しています。その際に出る大事にしていきたいことは、患者さんの歯の寿命を長く健康に保っていくことですね。実現のためにも、定期的な口腔内のチェックとメンテナンスは欠かせません。とはいえあまり難しくお話しすると、通うのがおっくうになってしまう方もいらっしゃるかもしれません。予防歯科の必要性を、地域の皆さんに広く楽しく伝えていく。それがこれからの自分のミッションかなと思っています。普段の診療時にも治療をするだけではなく、歯の健康にまつわるミニ知識を毎回何かしらお伝えできればと思っているんですよ。まずは私自信が常に先進の情報にふれて、患者さんへのフィードバックができるように、これからも勉強を続けていきます。
お忙しい日々の中で、休日はどのように過ごされていますか?
娘と息子を連れて、近くの地蔵通りを散歩したり、公園に遊びに行ったりすることが多いですね。この辺りには、緑のある公園がいくつもあって、夏になるとカブトムシやクワガタがいる場所もあるんですよ。夏休みには、娘に朝5時に起こされてカブトムシを捕り
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

お口の中で気になることがある方はもちろんですし、「しばらく歯医者に行ってないけど大丈夫かな」と不安な方も、どうぞ気軽にご相談にいらしてください。現在がどんな状態であっても、患者さんと一緒に、より良いケアや治療の方法を考えていきます。私は保育園や幼稚園の園医としても活動していますので、小さなお子さんでも安心して受診していただけます。妊娠中から産後のお母さんの歯の健康もとても大切ですので、ぜひお散歩がてら、ご家族で歯科検診に来ていただければ幸いです。これからも、お子さんからご高齢の方まで、皆さんに笑顔で帰っていただけるような診療を続けていきたいと思っています。