鼻詰まり、鼻水、耳鳴り、難聴など
症状改善を図る日帰り手術とは
鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2024/01/29


- 保険診療
鼻詰まりや鼻水、難聴、耳鳴り、耳だれなど、鼻や耳の症状は我慢できたり、慣れてしまったりして、わざわざ病院を受診しないという人も多いだろう。しかし、こうした疾患の多くは治療や手術によって根治がめざせるという。「鹿児島中央駅耳鼻(みみはな)日帰り手術クリニック」の宮永宜明院長は、「治療をせずに放置している人に、手術という選択肢があることを知ってほしい」と力を込める。耳や鼻の症状を長い間放置していると、例えば中耳炎が悪化して、耳が聞こえなくなったり、めまいがひどくなったり、重症化した場合には命に関わる合併症を発症してしまうこともあるからだ。痛みや出血をしっかりとコントロールすることにより、日帰りでも可能な耳や鼻の手術について、そのメリットや意義、実際のステップについて宮永院長に解説してもらった。
(取材日2023年12月21日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q耳と鼻の日帰り手術が可能だそうですが日帰りで行うメリットは?
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A
一般的に耳や鼻の手術は、1泊以上の入院手術になることが多いです。その要因の一つは全身麻酔を使用するためですが、そうなるとどうしても体への負担が大きくなってしまいます。しかし、局所麻酔でしっかり痛みと出血のコントロールを図れば、体への負担が比較的小さく済みますし、日帰り手術も可能となります。入院のための準備や付き添いの人の手間なども不要ですから、仕事や家事育児で忙しくて時間を取れない人や、入院の手間を避けたい人、また全身への負担をできるだけ小さくしたい人にはぴったりの選択肢だと思います。
- Q鼻の日帰り手術の対象となる症状・病名を教えてください。
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A
鼻詰まりや鼻水、くしゃみなどの症状が対象となります。こうした症状は慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、花粉症などのアレルギー性鼻炎が原因であることが多いです。アレルギーによる鼻の症状は、薬でも抑えることがめざせますが、症状が出ている期間中、長く服用する必要があります。また、症状が強い場合には、単一の薬だと症状改善につながらないことも。こうした場合には、手術が治療の選択肢の一つになります。ただ、鼻の手術ではアレルギー体質自体を改善することはできないため、アレルギー反応が起こりづらい鼻の粘膜へと変えることが目的となります。
- Q耳の日帰り手術の対象となる症状・病名について伺います。
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A
耳の日帰り手術では、難聴、耳だれ、耳鳴りなどの症状や、慢性中耳炎、滲出性中耳炎、外傷性鼓膜穿孔などの治療として行っています。例えば、急性中耳炎を放っておいたり、適切に治療しなかったりすると、鼓膜穿孔、慢性中耳炎に進行します。慢性中耳炎は薬での治療も可能ですが、特に鼓膜に穴が開いている場合は耳だれが再発し、そのたびに聞こえの神経が不可逆的に傷んでいきます。根本的な治癒をめざす手段は手術となります。耳の違和感がある場合には早期に受診し、根本治癒のためには、手術が必要となる可能性もあることを知ってほしいですね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察、検査実施と説明
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患者の診察をした上で、症状に応じて内視鏡検査、細菌検査、血液検査、純音聴力検査、ティンパノメトリーと呼ばれる鼓膜や中耳の検査、耳管機能検査、CT検査など、必要な検査を実施する。診察と検査を含めて30分程度。検査結果に応じて、薬などの保存的加療での改善が見込めない場合には、局所麻酔での手術を提示する。心臓が悪い人や血液が止まりにくい人など、既往症によっては手術が受けられないため、確認をする。
- 2術前検査
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手術前2~4週間で肝機能や腎機能、易出血性の有無など、手術が可能かどうかを含めた全身の健康状態をチェックする。日帰り手術ではリスクが高いと判断された場合には、入院手術が行える医療機関が紹介される。
- 3オリエンテーション
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手術前日までに注意事項や当日の流れ、付き添いについても説明する。病気や手術内容によって、術前から飲み始める必要がある薬を処方する。逆に出血や血栓症のリスクがある薬は、手術前は服用を止める必要があるため、これについても確認。患者は手術に対する不安を解消し、体調を整えて手術に備えよう。
- 4日帰り手術の実施
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患者は前日夜から絶食、当日朝から水分摂取も禁止。当日は体を締めつけない服装が望ましい。手術時間は1時間から2時間程度。術中に痛みを感じることのないように痛み止めが使用される。術後の注意点は、鼻の手術の場合、止血のため鼻に薬を入れるので、鼻をかんだりすすったりしないこと。耳の手術の場合は、耳内や耳後部を薬がついたガーゼでカバーしているので、触れたり濡らしたりしないように気をつける。
- 5手術後のケアと通院
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術後は禁酒、禁煙で、入浴やスポーツ、力仕事などの血圧が上がるようなことも避ける必要がある。どの手術でも翌日に再診し、傷口の状態を確認。その後は1週間〜2週間ごとに通院し、状態を確認する。副鼻腔炎手術やアレルギー性鼻炎手術の場合は、月1~2回の通院が必要になる。鼓室形成術の場合、1ヵ月ほど週に1〜2回通院してガーゼ交換を行う。