中川晃輔院長の独自取材記事

鳥飼NK歯科クリニック

(摂津市／千里丘駅)

最終更新日：2025/03/11

大阪高槻線沿いの鳥飼八房バス停からすぐ。2階建てのモダンなたたずまいが特徴の「鳥飼NK歯科クリニック」は、2023年に開院した地域かかりつけの歯科医院だ。院長を務めるのは、笑顔を絶やさぬ明るい人柄が印象的な中川晃輔（なかがわ・こうすけ）先生。そのはきはきとした語り口には、頼もしさとともに人に対する優しさがうかがえる。常に誠実な診療を信条とし、患者一人ひとりに合わせた治療や予防ケアを提供する中川院長。クリニックの特徴や患者に対する心がけ、スタッフ体制に関する取り組みなど、同院がめざす歯科医療の姿を今後の抱負とともにじっくりと聞かせてもらった。

（取材日2024年11月18日）

誠実かつトータルな歯科診療で地域の健康に貢献する
対話を重視し、患者に寄り添う診療をめざして
歯科受診のハードルを下げ、すべての人を笑顔にしたい

誠実かつトータルな歯科診療で地域の健康に貢献する

広い導線が印象的な、スタイリッシュな空間ですね。

ここは2階建てで、元は銀行だった物件です。それを丸ごと借りたので十分な動線のある完全バリアフリーが実現し、キッズスペースも8畳間くらいの広さがあります。以前に院長を任されていたクリニックがチェア2台のこぢんまりとした空間で、患者さんとすれ違うのもやっとという環境でした。それで、自分が開業するならもっと広いところでと考えたわけです。駅前だとどうしても狭くなってしまうので郊外を探し回り、2年ほどかけてこの場所に巡り会いました。私は朝日大学歯学部の出身ですが、歯科医師をめざした時から開業したいという気持ちはありました。とはいえ歯科も技術職ですから、寿司職人でもなんでも10年間は修行期間が必要だろうと。結果的にはその思惑どおり、大学卒業からちょうど10年で開業を果たすことができました。

主にどのような患者さんが来られますか？

地域柄、やはりご高齢の患者さんが多く、入れ歯などの相談が非常に多い印象ですね。にもかかわらず新型コロナウイルス感染症の流行中に歯科受診を中断した方や、近所の歯科医院が閉院して困っていた人が多かったと聞いています。中には口の中にいくつも問題を抱えている方もいて、治療に時間がかかるケースも少なくありません。また、当院には女性歯科医師も在籍しています。そのため、女性患者さまや妊婦の方、お子さま連れの方も安心してご来院ください。当院の診療は虫歯や歯周病の治療、入れ歯治療はもちろん小児歯科から根管治療、インプラントや審美歯科まで幅広く、矯正治療を除けばトータルに対応可能です。土曜は17時半、日曜も13時まで診療していますので、まずは気軽にお問い合わせください。

スタッフや設備についてお聞かせください。

現在のスタッフは5人の歯科衛生士を含めて総勢15人で、近いうちに増員も予定しています。あと、知り合いの歯科技工士が非常勤で応急的なことに対応してくれています。設備面では歯科用CTとパノラマエックス線の複合機を検査の主軸とし、説明時にはペンサイズの口腔内カメラもよく活用しています。ありのままの画像をユニット前面にあるモニターに拡大して映し出すと、「これが私の口の中？」と皆さん驚かれると思いますが、「そうですよ。だからこういう治療をしていきましょう」とお伝えし、納得を得てから治療を進めます。また、院内の衛生面にはこだわり、高圧洗浄機による器具の滅菌や口腔外バキュームの使用を徹底しています。患者さんを院内感染から守るのは当然の義務ですし、スタッフが安心して働ける環境を確保することも重要ですからね。

対話を重視し、患者に寄り添う診療をめざして

どのような歯科治療をめざしていますか？

私がめざすのは、良好な状態を将来まで末永く維持できる治療です。時には応急処置も必要ですが、原因をしっかりと究明し、患者さんの希望に寄り添った形で解決していくことが重要と考えています。そのためには言葉のキャッチボールで意見や情報を交わし、その方の置かれている状況や生活習慣、考え方や性格にも配慮する必要があるでしょう。本来であれば抜歯が望ましいような状態であっても、医学的に正しいからと簡単に押しつけるのではなく、対話を重ねながら一緒に歩んでいく姿勢が大切です。どんなときも歯科は患者さんの味方であるべきで、「強引に抜かれた」などという感情が残ればお互いに不幸なことです。あとは、やはり全身の健康ですね。全身疾患と歯の関係性が注目される今だからこそ、歯科医師も健康づくりに参画していることを積極的にアピールしていきたいと思います。

チェアサイドで心がけていることを教えてください。

一番は、自分がされて嫌なことはしないこと。そして、患者さんの様子をよく観察することです。治療中に不安や緊張があると、まぶたや手足などにちょっとした反応がよく出ます。「大丈夫ですか？」と聞けば「大丈夫です」とおっしゃいますが、実は大丈夫じゃないことってあるでしょう？　私も病院で注射を受ける時は、無理をして我慢していますからね。ちょっと苦しそうだと気づけば少し休憩を取るなど、相手の立場になって配慮してあげることが大切です。あと、私は治療中もよく話しかけるほうですが、声だけは大きいんですよ。岐阜県の大学病院に勤めていた頃、患者さんはおじいちゃん、おばあちゃんばかりで耳が遠い方が多く、ぼそぼそと説明していたのではまったく伝わりません。大声で話すのは、その時に身についた習性なのであしからずご了承ください。

歯科衛生士の教育にも力を入れているそうですね。

歯科衛生士たちも日々働いていると、壁にぶつかることや新たにやりたいことが出てくるものです。歯科医師の私が変に指導をして偏った考えが身につくのも嫌なので、積極的に勉強したいという人には外部セミナーで学んでもらっています。それぞれに興味の方向性が異なり、超音波スケーリングとかホワイトニングとか、このセミナーに参加してみたいとチラシを持ってくるんですね。1回○万円というのを見てちょっと高いなと思いつつ（笑）、費用はもちろんクリニックが全額負担します。もう一つ、歯科衛生士には診療補助という役割もあり、こちらは私の流儀に合わせてもらわねばなりません。新人のうちはマンツーマンで練習してもらうこともありますが、やる気のある人は100％バックアップして伸ばしてあげたいというのが私の思いです。

歯科受診のハードルを下げ、すべての人を笑顔にしたい

今後へ向けた展望があれば教えてください。

おかげさまで患者さんに恵まれ、これまで診療を続けることができました。ただ、皆さんに申し訳ないと思うのは予約が取りにくいこと。それを解消するにはマンパワーの拡大が急務で、なるべく近いうちに歯科医師を増やしたいと考えています。その上で診療スペースを拡張し治療が十分にこなせるようになれば、今度は歯科衛生士のメンテナンスに力を入れるという順番になるでしょう。そうした予測をもとに、現在は空いている2階のフロアを活用しようと計画を練っている最中です。手狭なスタッフルームを2階へ移したい、診療スペースも増やしたいとあれこれ検討中ですが、いずれにしても皆さんがより快適に通える環境をめざしていますので期待していてください。

人員拡大にあたり、先生が求める歯科医師像とは？

もちろん技術は必要ですが、むしろ大切なのは患者さんとうまくコミュニケーションが取れる人間性や人間力。若い先生方が勉強やアルバイトで歯科医院に勤めても、見学や介助だけで実際の治療はなかなかさせてもらえないという話をよく耳にします。当院なら、やる気さえあれば嫌というほど手を動かせます。どんな仕事もそうですが、実践してみて初めてわからないことが出てきて、それを解決するためにまた勉強するというサイクルが成長への早道だと私は考えます。大切なのは人への思いですよ。患者さんと仲良くなればなるほど治してあげたいという気持ちになり、そのためにこれを勉強しよう、あれを練習しようとするでしょう。たとえ経験は浅くとも、そんな情熱的な人材と一緒に診療に励んでいきたいです。

最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

この地域のかかりつけ歯科をめざして開業から1年、近隣の皆さんを幸せにすることを目標に掲げながらスタッフとともに頑張ってまいりました。患者さんとしっかりとコミュニケーションを取り、お互いの信頼関係を築くことで歯科受診のハードルを下げる。そんな歯科診療を続けていきたいと考えていますので、これからも長いお付き合いができれば幸いです。皆さんがいつまでも笑顔で通えるように、一人ひとりに最適な治療や予防ケアのご提案に努めます。歯や口の中のことで気になることがあれば、どのようなことでも気軽にご相談ください。