秋山 崇 院長の独自取材記事
平塚あきやまデンタルクリニック
(平塚市/平塚駅)
最終更新日:2024/06/07

平塚駅北口から飲食店が多く並ぶにぎやかな商店街を抜けてすぐ。「平塚あきやまデンタルクリニック」は、2023年7月にオープンした歯科医院だ。全面ガラス張りの開放的なエントランスから院内に入ると、白い壁に木目の質感をアクセントとしたシックな空間が広がる。天井が高いため圧迫感を感じることなく、居心地良く感じられる。診療後の時間に笑顔で迎えてくれたのは、地元・平塚出身で同地にも思い入れが強いという秋山崇院長。開業を視野に、歯科大学を卒業後は大学病院や都内の歯科医院に勤務し、臨床経験を重ねてきたという。「専門分化が進む歯科医療分野において、一般歯科から小児歯科、口腔外科まで幅広く診るのが当院の特徴。お口のことでお困りなら、気軽にご相談ください」と語る秋山院長に、同院にかける想いを聞いた。
(取材日2023年8月28日)
ゆとりある空間に充実設備を導入し、安心安全の診療を
新規ご開院おめでとうございます。広々として居心地の良い院内ですね。

ありがとうございます。ここは母方の祖父が長く金物屋を営んでいた土地で、私にとっても幼い頃からたびたび訪れてきた思い入れの強い場所です。今回の開院に際しては、建物の新築から関わることができたので、空間を広く取り、天井も十分な高さを確保することができました。古い建物の解体から取りかかる必要があり、実は予定より少し遅れてのオープンとなってしまいましたが、空間が広いことで導入できた機材もあり、満足しています。
診療ユニットもそれぞれゆったりと配置されていますね。
診療ユニットはそれぞれの間にパーティションを設けて、プライバシーを確保しました。空間を広く、天井を高くできたので、それなりの高さのパーティションでも圧迫感なくお過ごしいただけると思っています。とりあえずはユニット3台体制でのスタートですが、将来的には奥に個室診療室も設ける予定もあります。口腔外科の手術などに活用していければと考えています。
設備面でこだわられた点はどういったところでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の流行もあり、院内の感染症対策には一層力を入れるべきとの考えから、各ユニットに口腔外バキュームを設置しています。治療やクリーニングの際に飛散する唾液や水、細かい切削片などを吸引するもので、ウイルスなどの感染性物質も吸引するので、院内の感染症対策に役立てています。治療中に発生するにおいも抑えることも可能です。また、外科的な診断や処置にも対応できるよう、3D画像で口腔内を把握できる歯科用CTも導入しました。さらに、治療器具の滅菌には、ヨーロッパ規格のクラスB高圧蒸気滅菌器を活用しています。
歯や口のことなら何でも相談できるトータル歯科医院
診療上の特徴を教えてください。

医科や歯科の分野では、それぞれの専門性を追求する専門分化が進んでいます。しかし、特定の症状について私たち歯科医師はすぐにどの科が診るものか判断できても、一般の方はご自身の症状がどの診療科にあたるものか、よくわからないということも多いものです。当院では、歯やお口のことであれば何でも幅広く診る、歯科の総合診療を展開しています。虫歯や歯周病の治療はもちろん、お子さんの予防から入れ歯が合わない、親知らずが生えてきた、舌が痛いといったお悩みまで、お困りのことがあればまずご相談いただける場として活用いただければと思っています。
口腔外科にも対応していらっしゃるのですね。
はい。10年ほど勤めた都内歯科医院の院長は口腔外科を専門とされており、「いずれ自身の歯科医院を開くつもりなら、口腔外科も診られたほうが良い」ということで、いろいろと学ばせてもらいました。ほかにも、歯科診療や歯科医院運営に必要なあらゆることを教えていただきましたね。口腔外科の難症例は大学病院などにご紹介する形となりますが、親知らずの抜歯を含む外科処置にも対応可能です。近隣には私が子ども時代に治療でお世話になった先生のご子息が診療する矯正歯科や、東海大学病院などもあります。地域の多彩な歯科医療拠点と連携し、当院で対応が難しい症例については適切な歯科医療へとつなげる橋渡しをしたいと思います。
今のところ、どのような患者さんが受診されていますか。

思っていたよりもお子さんは多くなく、大学生くらいの若者から高齢者まで幅広い年齢層の方に受診いただいています。ご相談も多岐にわたり、治療途中の虫歯をしばらく放置してしまって痛みが出てきたとか、親知らずがおかしな向きに生えてきて痛いとか、緊急対応が求められるケースもあります。当院の方針として、痛みがあるなら、まずはその原因を取り除くことをめざし、その後はしっかりとメンテナンスを継続して、状態を長く継続することをめざしています。
スタッフさんについても教えてください。
歯科医師は私1人で、ほかに受付兼助手を担うスタッフが2人、歯科衛生士が常勤で1人、パートタイムで2人在籍しています。規模の大きな歯科医院では、受診の度に担当歯科医師が変わり、何度も同じことを聞かれたり、同じ説明を繰り返し聞かされたりということもあるかと思いますが、当院では私一人が診療するので、初診からその後の経過まで責任を持って診ることができます。患者さんによって時間をかけたくないとか、逆に時間をかけてしっかり診てほしいなどさまざまなご要望がありますので、現在はスタッフとコミュニケーションを取りつつ試行錯誤しながらニーズに応える予約体制などを探っているところです。
患者の要望を聞くことが満足度の高い診療につなげる鍵
診療の際に心がけていることはありますか。

患者さんの話を聞くことです。お話を聞かないことには、診療の満足度は上がらないと考えています。まずは患者さんご本人がどうしたいか、何に困っていてどんな解決を望んでいらっしゃるのかを、お話を聞く中で探っていくようにしています。その上で、ご要望に応える治療を提案し、しっかりとご説明することも大切です。とにかく患者さんの話を聞くことを大切にすることは、チームのスタッフにも常々伝えています。
歯科医師を志されたきっかけや歯科医師のやりがいは何ですか。
父方の祖父が二宮で歯科医院をやっていて、父も歯科医師として市内で兄とともに診療しています。小さい頃から歯科診療を間近に見ていて、特に祖父は自分の手で歯を作るような昔ながらの歯科医師でしたので、子ども心に「面白そう」と感じていました。父や兄は今でも同じ歯科医師として情報交換できる頼もしい存在です。基本的に歯科医院には皆さん何かで困った時にいらっしゃいます。適切な診療を提供し、困り事を解消できてお喜びいただけた時には、大きなやりがいを感じます。メンテナンスで長く通っていただくうちに、人と人としての関係を深められるのも良いですね。10年勤めた前の勤務先を辞めて1年半になりますが、当時担当した患者さんからお花をいただいたり、うれしいお言葉をかけていただいたりしています。改めて「やってきて良かった」と思いますし、これからはこの場所でも同様にそうしたすてきなご縁を紡いでいければと思います。
最後に、読者へのメッセージをひと言お願いします。

私はお酒が好きで、家飲みが趣味(笑)。とはいえ、ほろ酔いで床につくようなときも、必ずしっかりと歯磨きすることは忘れません。しかし、どんなに頑張ってもホームケアには限界があるものです。当院では歯科衛生士とともに予防歯科にも注力しています。特定の歯科症状にお困りの際はもちろん、「現状何もないが不安」「どこに相談したら良いかわからない」といった方も、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。