黒田 暢 院長の独自取材記事
曲本デンタルクリニック
(さいたま市南区/武蔵浦和駅)
最終更新日:2025/05/12

武蔵浦和駅から徒歩15分、閑静な住宅街に位置する「曲本デンタルクリニック」。時折冗談を交えながら気さくに話す黒田暢(くろだ・みつる)院長の親しみやすい人柄からは、患者を緊張させるような空気は感じられない。1年ほど前に地域の人々が気軽に足を運べるクリニックをめざし開院。地域に根づいた診療を長く続けていくことが目標であると黒田院長は語る。黒田院長の自然と笑顔を誘うような穏やかな語り口から、地域の患者を取りこぼさず一人ひとりに向き合いたいという真摯な思いが垣間見えた。そんな黒田院長に、これまでの歩みと診療への思いについて聞いた。
(取材日2024年6月19日)
地域の患者一人ひとりのためのクリニックへ
開院から約1年がたちますね。どういった思いで開院されたのかお聞かせいただけますか。

「地域に根差した通いやすい歯医者さん」をめざしたいと思ったことが開院の理由です。これまで2ヵ所のクリニックで分院長を務めており、1日で大勢の患者さんを診ていた経験があります。この経験から、常に忙しい状況で患者さんを診るようなクリニックにはしたくないと思いました。一人ひとりに時間をとって診察できるクリニックが必要ではないかと考えたんです。そういった理由もあって、武蔵浦和の中でもにぎやかな繁華街ではなく、駅から少し離れた静かな住宅地を選びました。近隣の患者さんがすぐに来られるような場所にあって、すぐに診られる。そんな地域に根づいた歯科医院でありたいと思い、日々の診療にあたっています。
患者さんはどういった方が多く来院されますか?
ご年配の方が多いですね。おそらく若い人にとっては、この辺りから駅前のクリニックに通うことも苦ではないと思います。ですがご年配の方にとっては、20分近くかけて駅周辺まで歩いて通うのは負担も大きいでしょう。少し前まではこの近くに他に歯科医院があったのですが、閉院してしまったこともあって、ご年配の方から「ここに開院してくれて良かった。助かるよ」とよく言っていただきますね。この先もずっとここで歯科医院をやっていけたらいいなと思っています。
診療の中で先生が大切にされているのは、どのようなことでしょうか。

できるだけ患者さんが主訴を伝えやすい環境をつくりたいなと心がけています。伝える相手は僕に限らず、歯科衛生士であっても、受付のスタッフであってもいいと思うんです。「歯科医師に言いづらい」という人もいれば逆に「歯科医師には言えるけど、歯科衛生士には言えない」という人もいるでしょう。人それぞれで感覚は違うので、当院全体で患者さんの声を拾えるようにしたいなと思っています。そのために、その時々で個人的に気になっていることや地域の話題など、治療とは直接関係のないお話をこちらから患者さんに投げかけて、コミュニケーションを密に取るように努めていますね。患者さんにとって少しでも話しやすい雰囲気になっていればいいなと思います。また、僕はちょっと悪人顔なので、焦ったり困ったりして険しい表情にならないようには気をつけています(笑)。
予防歯科や急な困り事にも柔軟に対応
特に力を入れていらっしゃる分野はありますか。

やはり予防歯科ですね。できれば治療のために来る歯科医院ではなく、予防のために来てもらえるような場所にしていければとは思います。一般的には3ヵ月に1回メンテナンスを行うのが理想的といわれてるので、患者さんにもそれを目安として伝えてはいます。しかしメンテナンスよりも、患者さんが日々の歯磨きで汚れを取ることが一番大事です。私としては患者さんの口腔内に、ブラッシングでは取り切れない汚れがついたら来院していただくのが理想ですね。そのために患者さん個人をしっかりと見て、それぞれに適切なメンテナンスのタイミングを設定しています。そういったメンテナンスの計画は歯科衛生士が中心となって行うので、よく患者さんとコミュニケーションを取ってくれる歯科衛生士に助けられています。
歯科衛生士をはじめとしたスタッフの皆さんも、とても頼りになるのですね。
そうなんです。歯科衛生士は妻ともう1人の合わせて2人が在籍しています。他に受付に1人のスタッフが働いてくれています。みんなフレンドリーな人柄で、患者さんともいろいろとコミュニケーションを取ってくれるので助かりますね。本当にいい人たちが集まってくれたなとありがたく思っています。
クリニックの理念としてどのようなことをいつも念頭に置かれていますか。

医療機関は、基本的には誰しも足を運びたくないところだと思うんです。私だってそうです。それでも「ちょっと痛いんだけど」くらいの感覚で、足が向くような歯科医院になれたらと思っています。特化した分野があるわけではないのですが、幅広い症状に寄り添って対応することが可能です。「違和感があるな」「些細なことだけど相談したいな」と思った時の最初の窓口として、当院を頼っていただけたらうれしいです。また、急きょ気になることがあって来てくださった患者さんも、その日のうちに必ず診るようにしています。いつでも行くことができるクリニックがあると認識していただくことで、地域の皆さんの安心につなげられればと思っています。
親しみやすい人柄も魅力の、相談しやすいクリニック
先生が歯科医師をめざされたきっかけについて教えていただけますか。

亡くなった父親に、医療関係の仕事に就く夢があったみたいなんです。しかしながら兄弟が多かったこともあって、医療系の学校へ進むための学費をまかなってもらうことができなかったんです。そのため、父は私にどうしても夢であった医療関係の道へ進ませたかったようで、私もそれに乗せられていつの間にか「医師や歯科医師になりたい」と思うようになっていました。田舎育ちだったのですが、「都会の中学に行けるぞ!」と父にそそのかされたこともあって、小学生の時から猛勉強をして中高一貫の医学部や歯学部に特化した学校へ進学しました。そのまま一直線で歯科医師への道を歩むことになったんです。父親の手のひらで踊らされたようで、歯科医師をめざした理由はあまりかっこいいものではないのですが、それでも今は歯科医師になって良かったと思っています。
そうなんですね。先生はどういったお子さんだったのでしょうか。
さまつなことを気にしない、元気で大らかな子どもだったと思いますね。「シャツインしてください」と通知表に書かれていたことは、いまだに覚えています。自慢できるような話は本当にないのですが、秩父の大自然の中で育ったということは誇らしく思います。野山を駆け回って育ちましたね。活発だったので、親は大変だっただろうなと思いますよ。
休日はどのように過ごされることが多いのでしょうか。
当院で歯科衛生士をしてくれている妻と一緒に家の中で過ごしています。ちょっと面白い夫婦なので、ずっと家にいても平気なんですよ。妻がインドア派であまり外に出たがらないこともありますね。今は2人とも週に1日しか休みがないので、家のことをまとめてやっているという感じですね。特にこれといった趣味はないのですが、たまに2人で遠くへ旅行に行くことは有意義に感じています。
最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

口の中のことで何か気になれば「そのうち治まるかな」などと考えて我慢するのではなく、「ちょっと行って診てもらおうか」と気軽に歯科医院へ来ていただきたいです。痛みが出てしまうとその後の治療も大変です。気になるくらいの状態で早めに来いただくと、歯を削る量も少なく見込めます。そうすれば来院しなければならない回数も減り、ひいては治療にかかる経済的なご負担も減ることにつながります。大丈夫かもしれないけれど、ちょっと気になるから診てもらおうというように、意識を変えていただければ歯科医師としてうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは【虫歯治療】
被せ物:8万円~、詰め物:5万円~
【入れ歯/義歯治療】
ノンクラスプデンチャー:12万円~
【ホワイトニング】
オフィスホワイトニング:2万円~、ホームホワイトニング:3万円~