大渕 美帆子 院長の独自取材記事
haloクリニック 小倉
(北九州市小倉北区/小倉駅)
最終更新日:2025/06/25

「女性の身体とココロ、キレイを創る」をコンセプトに、総合内科と婦人科、心療内科の連携した医療を提供する「haloクリニック 小倉」。小倉駅南口から徒歩5分とアクセスが良く、複数の診療科を受診できるため、多くの働く女性が訪れる。医師や検査スタッフなど、スタッフのほとんどが女性で、更年期障害や思春期特有の悩みなどの不安を抱える女性も安心して検査を受けられる環境が整っている。人間ドックや乳がん検診などの予防医療にも注力し、健診・検診から治療までワンストップの医療が可能。院長を務めるのは小倉記念病院で健診や総合診療の他、女性を専門に診る外来に携わってきた経験を持つ大渕美帆子先生。「安心を得られる居心地の良いクリニックにしたい」と話す大渕先生に、コンセプトや診療の特徴について話を聞いた。
(取材日2025年5月23日)
「女性の身体とココロ、キレイを創る」ことをめざす
まずはクリニックのコンセプトをお聞かせください。

小倉記念病院に勤めていた時、健康管理センター長として健診を担当していました。当時、単純な健診だけではなく、宿泊を伴う健診をはじめ、健診後の受け皿となる総合診療、女性ならではの病気に対応する女性内科などをスタートさせました。その経験を踏まえ、健診・検診と診療を提供するクリニックがあったら良いなという想いを形にしたのが当院です。小倉記念病院は地域の中でも大規模な基幹病院でしたし、定年まで勤めるという選択もありましたが、より患者さんに近いところで医療を提供したいと考え、2023年の七夕に開院しました。コンセプトはもっと女性に寄り添った「身体とココロ、キレイを創る」クリニックです。
それを実現するために、総合内科、婦人科、心療内科を専門とする先生がいらっしゃるんですね。
健診結果をもとに医療を提供しようと考えた時、総合内科だけでは足りないんです。女性は月経異常や更年期障害などが相まってさまざまな症状を引き起こしているケースが多々あります。それに対応するためには婦人科は欠かせませんし、また女性は相対的にうつ病の罹患率が高いとされており、月経周期によるメンタルの異常などが内科的な症状につながっているパターンもあります。そう考えると、心療内科からのアプローチも必要です。そこで私が内科を担当し、婦人科と心療内科は小倉記念病院時代に親交のあった先生にお願いしています。私が診察をし、婦人科や心療内科の診療が必要と感じれば院内紹介ですぐに受診してもらえますからね。
診療体制と患者さんの層についても教えてください。

人間ドックや健康診断は月曜から土曜まで対応していますが、月曜と木曜の午前中は女性のみにしています。健診時は薄着になりますから、男性の目が気になる方のために時間を設けています。外来は内科が月曜から土曜まで、婦人科は金曜以外の診療、心療内科は月2回の診療となっています。内科や健診については男性も来ていただいていますが、患者さんの95%以上は女性。健診と合わせて診療を受けられたり、1日に2つの診療科を受診できたりするので、ある種、ワンストップ型のクリニックとして通院している方も少なくありません。また相談内容としては一般内科の主訴もありますが、更年期障害、生活習慣病、生理不順などが多いでしょうか。医師をはじめ、検査スタッフや看護師もほとんどが女性ですから、「男性医師に診察されたくない」という女子学生もたくさんいらっしゃいますよ。
健診・検診に注力しフォローまで一貫して取り組む
健診・検診に力を入れているそうですが、具体的にどのようなことに取り組まれているのですか?

私自身が健診を担ってきたということもありますが、これからの医療は予防に注力していく時代です。北九州市では20歳以上の女性の子宮頸がん検診や40歳以降の乳がん検診、50歳以上の胃がん検診などにも取り組んでいますので、その機能を果たしたいという想いがあります。特に当院は女性スタッフばかりですから、健診・検診を必要とする女性の受け皿になれるのではないでしょうか。現在、当院では人間ドックをはじめ、全国健康保険協会の健診に対応。胸部エックス線や心電図、エコー、採血、検尿など一通りのことは院内で完結しています。またマンモグラフィや乳腺エコーによる乳がん検診、胃カメラによる胃がん検診のほか、2025年からは胃透視検査も提供できるようになった上、「生活習慣病予防健診」の指定健診実施機関にもなりました。
受診後のフォローについても重視されているそうですね。
例えば健診を受けて血糖が高いという結果だけ確認して、その後の受診に至っていないという方は少なくありません。理由は「あらためて病院に行くのが面倒」「悪い結果が出ても症状がない」というケースのほか、どこを受診したら良いかわからないという人も多いんです。生活習慣病などの場合、健診を実施している基幹病院では診療していませんからね。それで病気を治療するタイミングを逃しては健診や検診の意味がありません。当院であれば健診後に結果を説明し、そのまま受診いただくことも可能です。胃カメラで逆流性食道炎が見つかればお薬を処方しますし、マンモグラフィやエコーで異常が見つかった際にはすぐに紹介状と資料をお渡しするようにしています。がんなどクリニックでは治療できない病気もあるので、ここで病気の治療がストップしないように配慮しています。
健診や検診は定期的な受診が大事だと伺いました。

健診や検診を1回受けた後、受診機会がない方も中にはいらっしゃいますが、久しぶりに受診すると急激に悪化していることがあります。毎年受ける必要のない検査もありますが、1年に1回は健診を受けて自分の体をチェックする機会をつくってください。一度も健診を受けたことがないという方も、受けていない期間が長くなると「何か見つかったらどうしよう」と恐怖心が強くなってしまいます。ですから自分の誕生月などを機会として捉え、定期的に健診・検診を受けてみてはいかがでしょうか。またそれぞれの検診ごとにガイドラインがあるので、医師に相談しながら受診のタイミングをつくってください。
突き放さないスタイルで患者に寄り添う
患者さんと接する際に大切にされていることは何でしょうか。

当院を受診される方で多い更年期障害の女性は、いわゆる不定愁訴があります。倦怠感やめまい、不眠など、命には関わらないような症状をいくつも抱えている方が多いんです。病院に行っても「気のせい」「年だから仕方がない」と言われ、傷ついて当院にたどり着く方も少なくありません。ですから更年期障害の患者さんに関わらず、一つ一つの症状に耳を傾けることを心がけています。医学的には病名がつかなくても、何か原因があるはずという姿勢で、患者さんと一緒に考えながら治療を進めています。不定愁訴には漢方薬が有用なこともあるので、当院では漢方薬も処方していますし、何より「薬が効かなかった」と気軽に言えるような距離感を保つことも大切だと思っています。
健診・検診を受けるタイミングについて教えてください。
健診については、毎年1回は体のチェックのために受診するという意識を持ってください。また検診についてはそれぞれタイミングは違いますが、40歳を過ぎてがんをはじめとした病気の好発年齢に達したら、しっかりと受けるようにしましょう。例えば胃がん検診は一度受診しがんの原因となるピロリ菌の有無をチェック。ピロリ菌が陽性だったら除菌のための治療を行った上で毎年検査を受ける必要があります。陰性の場合でも数年に1度は受診しましょう。胃がんに限らず、乳がんなど1年で一気に大きくなるようなものもあるので、40歳を超えたら1年に1度は検診に行くというルールづくりもお勧めです。
今後の展望や読者に向けてのメッセージをお願いします。

ここに来たら何かの解決策がもらえる、健康的な安心を得られるような居心地の良いクリニックをめざしています。クリニックを開院したときも「居心地が良い場所にしたい」と思っていましたし、何より病院に行くか行かないか迷った時に躊躇せず受診してほしいという想いがあります。そのために院内には観葉植物を飾ったり、落ち着いた色合いにしたり、パウダースペースを取った広い更衣室を備えるなど環境にも配慮しています。また忙しい方でも気軽に受診できるよう、ウェブやSNSから時間帯での予約ができる仕組みづくりにも取り組んでいますので、体の不調など大したことがないと感じてもまずは気軽に相談してください。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/2万5300円~
※検査内容によって金額は変動しますので、直接クリニックにお問い合わせください