めまいの原因が「耳」にあることも
不安があれば、耳鼻咽喉科へ
むかいなだ耳鼻咽喉科・アレルギー科
(安芸郡府中町/向洋駅)
最終更新日:2025/02/27


- 保険診療
周囲がぐるぐる回っているように感じたり、頭がふらふらしたり、めまいは日常生活に支障を来すことも少なくない。しかし、実際に自分がめまいに悩んだとしても、どの診療科に行くべきか迷う人も多いのではないだろうか。「めまいは耳性の場合が多いです。疾患によっては、放置しておくと耳が聞こえにくくなったり、聴覚を失ったりする恐れも否定できません」と話すのは、「むかいなだ耳鼻咽喉科・アレルギー科」の高原大輔院長。めまいを引き起こす疾患によっては、早期治療が必要なこともあるため、早めの受診を推奨しているそうだ。今回、高原院長にめまいの種類やリスク、治療方法などについて教えてもらった。
(取材日2025年2月7日)
目次
メニエール病や突発性難聴など、耳の疾患がめまいを引き起こすことも。適切な検査と治療が回復の鍵に
- Qめまいを感じたら、何科に相談すべきでしょうか?
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A
▲めまいを感じたら、まずは耳鼻咽喉科へ相談を
めまいは耳性が多く、全体の約4割を占めているといわれています。耳には外耳・中耳・内耳がありますが、その中でもめまいの原因は内耳にあることがほとんどです。そのため、「目がぐるぐる回っている感じがする」「頭や体がふらふらする」などのめまいを感じたら、まずは耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。なお、めまいの原因が耳以外にある場合、脳梗塞や脳出血などの脳の病気のことがあります。脳神経外科などでMRIを撮る必要がありますが、若くて持病のない方は脳の病気の可能性は低いと考えられます。脳の病気は血管トラブルが原因となることが多いため、糖尿病や高脂血症、高血圧などの基礎疾患がある方は注意したほうが良いでしょう。
- Q耳性めまいの種類について教えてください。
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A
▲耳性めまいにはさまざまな種類がある
特に多いのは、BPPV(良性発作性頭位めまい症)とメニエール病、前庭神経炎、突発性難聴です。BPPVでは、内耳の壁が剥がれて三半規管に入ると、頭を動かしたときにだけ1分未満のめまいが起こります。基礎疾患などは特に関係なく、誰にでも起こり得る疾患です。また、メニエール病はめまいや聴覚に異常を引き起こしますが、基本的には耳のリンパ管のむくみが原因となります。前庭神経炎は平衡感覚の神経が炎症を起こして、耳は聞こえてもめまいが起こる疾患です。そして、もしかしたら聞いたことがあるかもしれませんが、突発性難聴は急に耳が聞こえなくなります。それに伴い、めまいが出る方もいます。
- Qめまいを放置しておくと、どんなリスクがありますか?
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A
▲気になる症状は早めに相談を
めまいは日常生活に影響が出ますし、早めの診断と治療が大切です。というのも、めまいは目の揺れである眼振を伴いますが、眼振は頭を動かしたときに悪化します。そのため、急に頭を動かすことで転倒して大けがをしたり、車の運転に影響が出たりすることも。眼振がある間は運転を控えるのはもちろん、気になる症状はできるだけ早く医師に相談したほうが良いでしょう。また、メニエール病で聴覚異常がある場合、早期で2~3日以内に治療しなければ治らない恐れがあります。突発性難聴も同様に早めのステロイド治療が必要です。時期を逃すと、聴覚の回復が見込めないかもしれません。
- Qめまいの検査は、どのように進めていきますか?
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A
▲臨機応変に検査を実施
眼振がなければ、めまいとは言い難いため、まずは検査で眼振を確認します。当院では、赤外線CCTカメラを用いた検査を行っているのが特徴です。患者さんは黒いをゴーグルを装着し、外部が見えないようにすることで、医師側はモニターで眼振を確認しやすくしています。眼振があれば、実際にめまいの症状があると考えられますね。そのほか、防音が整った環境での聴力検査なども実施します。今後は、めまいに関連する新しい機器も導入していく方針です。
- Qめまいの治療方法についてもお聞かせください。
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A
▲治療方法についてわかりやすく話してくれる高原院長
疾患によって異なりますが、基本的には投薬治療となります。例えば、メニエール病の場合はリンパ管のむくみが原因ですので、利尿剤などを処方して、経過を見てもらいます。とはいえ、メニエール病は低気圧やストレスで症状が悪化しやすく、一度は症状が落ち着いたとしても再発する恐れも。気になる方は、早めに再受診したほうが良いでしょう。なお、前庭神経炎や突発性難聴の場合、早めのステロイド治療が必要です。BBPVの治療は緊急を要しませんが、必要な場合は耳石を適切な場所に戻すための治療を行います。