米山 俊之 理事長の独自取材記事
よねやま歯科医院
(大田区/京急蒲田駅)
最終更新日:2025/10/15
蒲田駅から徒歩約3分とアクセスの便利な「よねやま歯科医院」。約1年前にリニューアルした後、院内は木の温かみが感じられる落ち着いた空間になった。バリアフリーで、診察ユニットにも広いスペースを確保。一般歯科や歯科口腔外科、小児歯科の分野をはじめ、歯周病やインプラント治療、審美歯科まで幅広く対応している。小さな子どもから高齢者、障害のある患者の診察も引き受ける。米山俊之理事長は「患者さんには生涯『食べる』『しゃべる』『笑う』を楽しんでいただきたい。そのためには健康な歯を維持することが大切です」と話す。患者との対話を重要視しており、患者が希望する治療を第一に、一緒に治療計画を立てているそうだ。米山理事長に、治療方針や歯科医師として心がけていることなどを聞いた。
(取材日2025年9月12日)
患者の「食べる」「しゃべる」「笑う」をサポート
リニューアルの際、こだわったところはありますか?

まず、院内全体を落ち着いた雰囲気にすることです。温かみのある木をふんだんに使い、患者さんがゆったりと動けるよう、1台ごとの診察ユニットに十分なスペースを確保しました。次に、バリアフリーですね。車いすは重く、ちょっとした段差でも移動が難しくなります。そこで、院内の段差をなくし、診療ユニットのすぐそばまで車いすのまま来られるようにしました。設備面では、先進のマイクロスコープやレーザーを導入した他、口腔内の写真を治療前後に撮影・保存できる画像管理システムも備えています。歯科治療は「何をされているのかよくわからない」という声が少なくありません。エックス線写真だけでは伝わりにくい変化も、実際の写真を見ていただくと理解しやすく、安心感にもつながると思っています。
治療方針について教えてください。
当院は、患者さんに「食べる」「しゃべる」「笑う」をいつまでも楽しんでいただけるよう、口腔内の健康をサポートしています。歯がなければ大きく笑うことも、しっかり食べることもできません。舌や頬も歯と連動して動くため、歯の機能が整っていなければ、上手におしゃべりをすることも難しくなります。診療内容は、一般歯科から歯周病治療、補綴治療、インプラント、ホワイトニングまで幅広く対応し、患者さんのライフステージやお口の状態に合わせた治療を実施しています。治療計画は、患者さんの希望を第一に、丁寧に話し合いながら決定します。しかし、本当に大切なのは「治療をしない」ことです。歯は1度削ると弱くなり、再治療を繰り返すうちに周囲の歯まで影響を受けてしまうからです。そのため、虫歯を予防することを重要視しています。
現在、どのような方が受診されていますか?

「どなたでも気軽にどうぞ」と断らないスタンスでいるためか、小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い年代の方が通ってくださっています。たとえ当院での治療が難しい相談でも、検査の結果の説明や適切な病院への紹介まで責任を持って行います。定期検診の重要性を理解している方が増えた影響で、虫歯が理由の受診は減少していると思います。3ヵ月に1回の定期検診では、口腔内のチェックとクリーニングを行います。歯はとても複雑な形状をしていますし、形も人それぞれですので、歯みがきの指導だけでなく、その方に合うケア道具を選ぶ方法もお伝えしています。20~30代の方は、ホワイトニングを希望される場合が多いのですが、食いしばりも目立ちます。「歯が痛い」という主訴の場合も、虫歯ではなく、ストレスからくる無意識の食いしばりが原因ということも少なくありません。当院では食いしばりの検査もできます。
どんな相談でも「まずは診る」の断らないスタンス
診察をする際、大切にしていることはありますか?

診察で大切にしているのは、患者さんにわかりやすく説明することです。お口の中は自分では見えない場所ですから、言葉だけでなく写真も使いつつ、現在の状態を理解していただけるよう努めています。そして、患者さん一人ひとりのライフステージや口腔内の状態に合わせて、どのように治療していくかを一緒に話し合って決めています。また、当院のスタッフは、患者さんへの対応が丁寧で、コミュニケーション能力が高いのが特徴です。それぞれが自主的に学び、得た知識やスキルが患者さんのサポートにしっかりと反映されています。また、障害者歯科の知識がある歯科衛生士もいるので、専門性を生かしたチーム医療が可能です。丁寧なコミュニケーションを通じて、患者さんが自分の状態を把握した上で納得し、安心して治療を受けられる環境をつくる、それが基本だと考えています。
障害のある方を診察するようになったきっかけについて、お聞かせください。
15年ほど前、一緒に働いていた先生から影響を受けたことがきっかけでした。昭和医科大学歯学部の口腔衛生学講座で摂食嚥下を学び、障害児の施設にも足を運びました。困っている人たちの姿を目の当たりにして、歯科医師としてできることをしたいと思ったんです。診療を続けるうちに「この先生なら診てくれる」とクチコミで広がり、支援学校や小学校に通う子どもたちが通院してくれるようになりました。大学病院などでは全身麻酔を用いた治療は可能ですが、虫歯にならないよう予防や日常的ケアを行う場所は少ないのが現状です。障害者歯科や摂食嚥下リハビリテーションなどについても学んでいますので、ご相談いただければと思っています。
障害者の方と、どのようなコミュニケーションを取っていますか?

患者さんの特性やペースに合わせることを大切にしています。発達障害や自閉スペクトラム症、歯科恐怖症、体を動かすことが困難な方など、それぞれの背景がありますよね。「待つ」ことを意識しながら、段階的に治療を進めていきます。例えば初日は椅子に座るだけ・触るだけでも構いません。歩くのも、その方のペースで大丈夫です。こうしたプロセスを繰り返して3ヵ月ほどたつと、治療が可能になる場合が多いです。言葉で伝わりにくい場合は視覚的に説明したり、終了までの時間を数えながら示す行動調整法を用いたりしています。また、聴覚に障害のある方には、絵カードや筆談を活用しています。
長期的なお口の健康の維持できるのが理想
リニューアルから約1年がたち、先生のご心境に変化はありましたか?

お口は健康の入り口だなと、さらに実感しました。これまで学んできた口腔機能の知識を生かし、口腔機能低下症や口腔機能発達不全症の検査も行っています。一般には50代くらいから口腔内の機能低下が始まるといわれていますが、実際には40代から兆候が見られることもあります。早期に発見し「ここに気をつけましょう」「こういう対策が有効です」とアドバイスすることが機能の維持につながるだけではなく、歯科医師としてのやりがいも感じます。また、食べることや歌うことも、日々の生活を楽しむための大切な要素です。私も、食べること、歌うことが大好きで、休憩時はいろんな歌を歌ったりしています。
今後の展望や先生の理想をお聞かせください。
お口が健康な方ばかりが歯医者に来てくれるのが、一番の理想だと思っています。誰もお口のトラブルで悩んでいないのが一番ですよね。そのために治療が必要な患者さんには、幅広い選択肢を提供したいと考えています。例えば、詰め物やかぶせ物も、再治療のリスクがより低いセラミック治療も含めて、患者さんの要望に合わせつつ、治療後も健康なお口を長く保つことを一番に考え、治療の方針を相談しています。また、お口に大きなトラブルがない方にも、口内状況をよりよくするために、アドバイスしたり、歯みがきの仕方を教えることも歯医者の役割だと考えています。幼少期に歯医者が苦手になり歯医者を避けていると、いざ治療が必要な時に来院できず、症状が悪化してしまうこともあります。そのため、お子さんを診る時にはなるべく怖い思いをさせないよう配慮しています。それが将来的なお口の健康につながると思っています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

「食べる」「しゃべる」「笑う」ことは、毎日を過ごす中で大切な活動です。人生100年時代において、口腔ケアを習慣化することは、健康寿命を延ばすだけでなく、人生を楽しむための大きな力になります。元気に過ごせるよう私たちも全力でサポートしていきますので、ちょっとした不安でもお気軽にご相談ください。理想的なのは、定期検診に来て「今回も異常なし。また3ヵ月後に」を繰り返すこと。歯を治すだけではなく、より健康になれるような場所でありたいと願っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療22万円~、セラミックを用いた補綴治療/4万4000円~、ホワイトニング/1万6500円~、歯列矯正/60万円~

