ストレス社会に多い精神疾患
働く人の心の病気は早めの受診が肝心
新宿よりそいメンタルクリニック
(新宿区/新宿駅)
最終更新日:2024/10/04


- 保険診療
パワハラやモラハラ、職場での理不尽な扱い、対人関係のトラブル……。日々逃れられないストレスに心が傷ついている人は、いったいどれほどいるだろう。中には、誰にも相談できず一人で悩み続けている人もいるはずだ。「ストレス社会といわれる今、心の病は決して珍しいことではありません。どんな小さな悩みや不安でもお気軽にご相談ください」と穏やかに語るのは「新宿よりそいメンタルクリニック」の鈴木康一院長。20~30代の働く世代を中心に、現代社会に広がる不安障害やパニック症(パニック障害)、適応障害、うつ病といった心の病気と向き合い続けてきた医師だ。そんな鈴木院長に、社会人がかかりやすい精神疾患や受診の目安、治療法などについて詳しく聞いた。患者の心と体の健康を切に願う、院長の温かさがひしひしと伝わる取材となった。
(取材日2024年7月29日)
目次
うつ病や適応障害などの精神疾患は、早めの受診が大切。症状に合わせて適切な治療を
- Q「仕事に行くのがつらい」と感じる人は、どうすれば良いですか?
-
A
▲医師の専門性と患者にとっての利便性を追求している
「仕事や人間関係がうまくいかない」「いつもより気分が落ち込む」という方は、もしかすると心が疲れているのかもしれません。もし適応障害や不安障害、パニック症(パニック障害)、うつ病などと診断されたなら、休職・転職・退職といった選択肢も視野に入れる必要があります。少しでも気分や体調が優れない場合は、一人で抱え込まず気軽に受診していただけたら。お一人お一人の置かれた環境や人間関係、仕事量などを丁寧に伺い、一緒にストレスを和らげる方法を考えましょう。パワハラやモラハラ、理不尽な人間関係など、ストレスの原因から離れることは決して逃げることではありません。健康な心と体を取り戻すための大切なステップなのです。
- Q現代の社会人がかかりやすい精神疾患について教えてください。
-
A
▲穏やかな人柄でさまざまな悩みに寄り添う鈴木院長
例えば「電話対応がうまくできない」「周りの人たちの目が気になる」「人前で話すことに緊張する」という場合、社会不安障害や対人恐怖症の可能性があります。また、軽度の気分障害の一種で、原因を取り除くことで改善が期待できる適応障害をはじめ、狭い空間などで閉塞感や拘束感が高まり、息苦しさや動悸などの症状が出る閉所恐怖症、不安を解消するために過剰と思われるような行動を繰り返す強迫性障害などが挙げられます。近年はインターネットやSNSなどの影響でパニック症(パニック障害)を起こす方や、うつ病の患者さんも増えてきたように思います。
- Qうつ病とは、どのような病気でしょうか?
-
A
▲症状を放置せず、専門家のもとで正しい指導を受けよう
うつ病は、人間関係のストレスや環境の変化などで発症する病気です。基本的な精神症状としては「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」が挙げられ、身体症状としては食欲低下や過食、不眠や過眠、動悸、全身の倦怠感などが見られます。精神症状に加えて身体症状がある場合、日常生活や社会活動に支障を来す恐れも。症状の悪化や慢性化を防ぐには、早期に適切な治療を始めることが大切ですから、症状が2週間以上続くときは受診をしましょう。問診の上、休養や環境調整、薬物療法、精神療法(心理療法)など適切な対策を提案いたします。現代社会において、うつ病は珍しい病気ではありませんので、ぜひお一人で抱え込まないでくださいね。
- Qうつ病と適応障害の違いを教えてください。
-
A
▲患者の人生に真摯に向き合う
適応障害とは、何らかのストレスで心身のバランスが崩れ、日常生活や社会活動に支障を来している状態のことです。うつ病と比べて、病気の原因がはっきりしていることが多く、ストレスの原因を取り除くことで改善が期待できます。具体的には、転職や仕事のミス、退職、失恋、結婚、健康上の問題、受験勉強など、患者さんご本人がストレスを感じる出来事が病気を引き起こすことが多いです。真面目で几帳面な方や責任感が強い方などがなりやすいといわれています。治療はストレスから離れるための休養・環境調整が中心です。不安やイライラ、不眠などの症状には薬物療法も行います。うつ病へ移行する恐れなどもあるため、早めに受診しましょう。