大島 拓也 院長の独自取材記事
茅場町すこやか歯科・矯正歯科
(中央区/茅場町駅)
最終更新日:2023/09/01

東京メトロ東西線茅場駅から徒歩で約1分。ビルの最上階に位置し、2023年9月1日開院の「茅場町すこやか歯科」。大きなガラス越しにテラスの庭園が一望できる待合室、患者から滅菌工程が見えるガラス張りの滅菌室、小児矯正のためのアクティビティルームなど、快適な環境の中で診療を受けることができる。患者一人ひとりの虫歯と歯周病のリスクをコントロールしながら治療を進める「メディカル・トリートメント・モデル(MTM)」の診療ポリシーを掲げているのが大きな特徴だ。「虫歯や歯周病などリスクや原因を除去し、人生を健康に過ごすための礎を築くサポートをする医療を提供します」と語る大島拓也院長に、診療の特徴やポリシー、今後の展望などについて聞いた。
(取材日2023年8月10日)
一人ひとりの患者に「良い時間」の提供を
「茅場町すこやか歯科」を開院することになった経緯を教えてください。

もともと父が経営していた「大島歯科」を継承し、2015年にリニューアルした「日本橋すこやか歯科 Ohshima Dental Clinic」の院長を務めていました。それから8年たち、おかげさまでたくさんの患者さんに来院いただくようになり、より多くの方々に治療を提供しようと「茅場町すこやか歯科」を開院することにしました。「日本橋すこやか歯科 Ohshima Dental Clinic」の分院という位置づけで、「日本橋すこやか歯科 Ohshima Dental Clinic」での診療ポリシーを踏襲。快適な環境のなかで診療を受けていただきつつ、私たち医療従事者のワークライフバランスを豊かにし、歯科業界をよりよくしていくための発信基地としても機能させていくなどプラスアルファの価値も生み出していきたいと思っています。
ビルの最上階で、とても広々としたクリニックですね。ガラス張りの待合室から見える景色も印象的です。
開院にあたり、空間づくりにもこだわりました。診療はもちろんクリニックに通うことで心身ともに健康になれるような場所、患者さんにとっての日常空間とシームレスにつながりやすい場所になるようなクリニックにしたいと準備をするなか、運良くこの物件と出会ったのです。「時間」は、とても価値の高いものです。すべて個室の予防室・診療室、開放感のあるテラスに面した待合室、ガラス張りで患者さんから滅菌工程が見える滅菌室など、このクリニックで過ごす一人ひとりの患者さんに「良い時間」を提供したいという思いも大きいですね。
診療の特徴について教えてください。

日本橋では「メディカル・トリートメント・モデル(MTM)」という診療ポリシーを掲げているのですが、当院も同様の体制で取り組みます。MTMとは虫歯や歯周病の原因を探り、それを取り除くための処置を行った上でリスクコントロールをしながら継続的に治療を行っていくという診療スタイルです。そのために、まずは口腔内カメラやエックス線撮影などの各種検査を行い、問診を通じて原因を詳しく探ります。検査は1時間ほどかかりますが、患者さんに応じて2回に分けて行うことも可能です。検査結果をもとに、健やかな人生を送るための生活習慣の改善などを目的に、ブラッシング指導や食生活のアドバイスなど、歯科衛生士が担当制でサポートしていきます。初診時に虫歯等がある場合は応急処置を施し改善を図ったあと、MTMを通じて虫歯のリスクをコントロールできるようなアプローチをしていきます。
患者自身の歯に対する意識改革を
歯はもちろんのこと、心身の健康までアプローチするのですね。

予防歯科というと歯石除去や、歯のクリーニング(PMTC)をイメージする方が多いのですが、それは予防の一部分に過ぎません。本当に大事なのは、患者さんご自身の歯の健康に対する意識改革です。内科での診療にたとえると、患者さんに血圧が上がるような生活習慣があって、「血圧が150になりました。それを薬飲んで下げます」ですと、短期的には血圧は下がりますが、根本的な解決にはならないですよね。MTMを柱に、その方がどんな方か、社会的な背景は何かなどを考えながら、その方が継続しやすいような予防方法について、時間をかけてお話ししていきます。「心身の健康を失うとすべてを失う」といっても過言ではありません。健康を守る上で、お口の状態はとても大切です。どうしたらお口の健康を守れるのかを知ってもらい、学んでもらいたいと思っています。
診療ポリシーについて教えてください。
当院では、「歯を大切に想うあなたのために予防を軸とした医療を通して、健やかな人生に貢献すること」をビジョンに掲げています。その一環として、患者さんに納得して医療を受けていただくために、治療前・治療中・治療後の写真をすべて患者さんにお見せするようにします。ご自身のお口の状態を理解していただく目的もありますが、歯科医師や歯科衛生士の治療がどのような結果につながるのか、データに残す目的もあります。MTMにおいて、歯科衛生士は重要な初期対応を担っています。当院ではさまざまな勉強会を通して「患者さんのことを人生単位で考えられるような歯科衛生士」の育成を行っています。1回1回の治療が患者さんの10年後の健康につながることを常に考え、高いプロ意識で、スタッフ全員が患者さんの健康と真剣に向き合っています。
力を入れている治療について教えてください。

小児矯正に力を入れています。歯並びが悪い、口をポカンとあけているなど、お子さんの気になる症状は、口呼吸や舌の位置が原因であることが少なくありません。この状態を放っておくと正しい呼吸がしづらくなり、睡眠不全から夜尿症になることもあります。私は近隣の小学校で学校歯科医としても活動していますが、睡眠不全なのか、目の下にクマがある子が多い印象です。当院では、筋機能矯正装置を用いて、アクティビティと呼ばれる筋機能矯正のトレーニングを行い、口呼吸から鼻呼吸に整えることや正しい位置への舌の誘導を図ることで顎の正常な発達につなげていきます。小児矯正は妻が担当し、院内のアクティビティルームでトレーニングを行います。
オーラルフレイルの予防や改善を
歯科医師をめざしたきっかけや、MTMを取り入れたのはなぜでしょうか。

幼い頃から、父が歯科医師として忙しく働く姿を目の当たりにしてきました。休日も自宅で仕事に関する電話をする父の背中を見て育ち、気がついたら自分も自然と歯科医師をめざすようになり、今に至ります。MTMは、山形県酒田市にある日吉歯科診療所の熊谷崇先生が取り組まれている治療法です。学生時代に大学の同級生である妻から話は聞いていたのですが、当時はインプラントや歯周外科のほうに興味を抱いていました。大学卒業後、勤務医として診療に向き合う中で、職場にMTMを学ぶ先輩がおり、患者さんのためになる診療とはどういうものなのか、真の患者利益とは何かなど、熊谷先生のもとで一から学びました。歯科先進国であるスウェーデンにも行きましたが、同国ではMTMが当たり前に実践されていることを知り、当院でも実践していこうと決めました。
お忙しい日々をお過ごしだと思いますが、先生の人生のモットーとは?
私は「人生トータルでいかに幸せに生きるか」考えています。ですから、休日は2人の子どもとの遊ぶ時間や妻と2人で食事する時間を確保し、家族と過ごす時間をとても大切にしています。働き方についても同様ですね。当院は、診療時間を9時から17時としています。夜遅い時間まで診療することもクリニックを運営していく上でのひとつの方法だとは思いますが、当院で働くスタッフの幸せを長い目で考えこの形態にしました。子育て中のスタッフも多いので、仕事と子育ての両立がしやすい職場環境を整えることも院長の役割であるととらえています。
今後の展望について教えてください。

高齢者に多い、飲み込めない、むせるといった口腔機能の衰え「オーラルフレイル」の予防や改善に力を入れていきたいと思います。「オーラルフレイル」の予防・改善で重要なことは3つあると思っています。1つは舌を正しい位置に戻すことで呼吸をしやすくし、快眠につなげること。2つ目は栄養と食、3つ目が健康を基盤とする「健康美」です。自分らしく生きる礎は健康で、健康を維持する「予防」を軸にした歯科医療をうまく利用していただきたいですね。また、歯科業界の未来について発信源として、当院の待合室にある150インチのプロジェクターを活用して医療従事者向けのセミナーなども積極的に開催していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/検査:3万3,000円、ソケットリフト:11万0,000円~、一時オペ:16万5,000円~、二次オペ:5万5,000円~、全顎矯正/99万円、ホワイトニング/ホームホワイトニング:3万5000円