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松本 昌和 先生の独自取材記事

みらいメディカルクリニック西六郷

(大田区/雑色駅)

最終更新日:2020/06/26

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「親子何代にもわたり安心して受診できるような町医者のブランドをつくりたい」と語るのは、2019年7月に「ひだまりクリニック」を継承した松本昌和先生。2020年6月には「みらいメディカルクリニック西六郷」へと院名を改称。自らは腎臓内科を専門としながら、同クリニックでは内科と訪問診療・訪問リハビリテーションを中心に、地域に密着した医療を提供している。松本先生は同院のほかにも、自身の家族が運営する「みらいメディカルクリニック茗荷谷」でも診療を行っている。クリニックでの診療だけにとどまらず、同じ志を持った仲間のドクターとともに新しいタイプの「町医者」システムの構築にも意欲を燃やす松本先生に、めざす医療のかたちについて話を聞いた。
(取材日2020年2月25日/更新日2020年6月2日)

未来にわたって信頼される「町医者」の仕組みを

こちらのクリニックを継承した動機をお聞かせください。

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当院はもともと訪問診療を行っており、運営する法人が引き継ぎ先を探していたんです。私もかねてから訪問診療のやりがいを地方の病院で経験していましたので、継承に手を挙げました。当初は「ひだまりクリニック」として診療していましたが、この6月からは、私の家族が運営する「みらいメディカルクリニック」の名を冠した院名に改称しました。同じブランドのもとに置くことで、これまで培ってきたスタッフ・医師の評価・教育システムを活用できますので、診療の質を担保することにもつながると考えました。「みらい」というネーミングは、「あのクリニックに行けば、信頼のおける先生がいて、いつでも安心して医療の相談ができる」といった具合に、未来永劫(えいごう)この地域の健康の門番としてあり続けたいという思いからです。

クリニックの特徴を教えてください。

内科の外来診療と訪問診療を2本柱にしています。内科診療に関しては、風邪や胃腸炎などの急性疾患から高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病から、喘息やCOPDなどの肺の慢性疾患、胃腸症や循環器の慢性疾患、小児においては風邪や予防接種と、幅広く受けつけています。変わったところでは、睡眠時無呼吸症候群や男性更年期障害など、ほかのクリニックではあまり扱っていない領域も診ます。睡眠時無呼吸症候群は日本人に意外と多く、高血圧や糖尿病の原因になることもあります。男性ホルモンの減少による男性更年期障害や、それに関連する生活習慣病も、こちらから疑ってかからないとわからないことが多いので、見過ごさないように注意しています。診療体制として、ドクターは常勤1人、非常勤3人で診療しています。4月からは院長が主に訪問診療、週に3回程度は私、それ以外は非常勤のドクターが外来を担当しています。

訪問診療はどのような規模で行っているのですか?

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ドクター、看護師、ドライバーの3人1組で、大田区とその周辺、港区、品川区、目黒区、世田谷区、渋谷区の患者さんを中心に、基本的には月2回のペースで回っています。ご自宅でお看取り希望の方や、がんその他の痛みの管理などを必要とする方、通院透析が不能となった際の腹膜透析治療にも対応します。また、訪問診療の一環として訪問リハビリテーションを行っていることも、当院の強みの一つだと思います。そのための理学療法士が2人在籍し、長期で入院され筋力が落ちてしまった方や、退院後に引き続きリハビリが必要な方、寝たきりの方の筋力維持のためのマッサージや歩行訓練など、自宅で可能な方法によるリハビリを実施しています。

何でも相談できる地域のホームドクターでありたい

どのような患者さんが多いですか?

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完全には把握しきれていない部分もありますが、高齢者が多い一方で、若い世帯も少なくないように感じますので、おそらく幅広い層からの医療ニーズがあるのではないかと考えています。「あそこに行けば何でも相談できる」と思ってもらえるような、ホームドクターでありたいですね。今回の新型コロナウイルス感染症も含め、高齢者は特に感染症が悪化しやすいので、免疫力アップにつながる栄養や運動、腸内環境の改善といったことも含めてアドバイスしていきたいです。

診察する上で心がけていることはありますか?

患者さんの話を途中でさえぎらずに、全部聞くことですね。こちらから細かく尋ねていくと、患者さんは聞かれたことに答えるだけになってしまいがちです。それよりまず患者さんに一通り話していただき、足りないところをこちらから聞くようにしたほうが、より多くの情報を得られるようです。また、どんなことも気楽に話していただけるような関係をつくることも大切です。本人が気づいていなくても、ストレスによる自律神経の乱れなどが原因となるケースもあり、そういったことが疑われるときは、かなり突っ込んでお話を聞く場合もあります。それも含め、患者さんにとってはクリニックを受診すること自体がハードルの高いものなので、それをできる限り低くして、心を開いてもらえるような診療をめざしたいと思います。

先生の得意分野を教えてください。

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専門は腎臓内科ですが、最も得意なのは、分野に関わらず問診から疾患を見つけることかもしれません。1回の診察では完全にわからないことも多いですが、何回か通っていただき、生活習慣やメンタル面のことなどもお聞きしていく中でわかってくることも多いです。とはいえ、所見だけでパーフェクトな診断をするのは難しいので、当然ですが必要な検査は行っています。処方する薬にしても、人によっては効き過ぎたり、または体質に合わない場合もあります。漢方薬も使っていますが、それも含めて1回の処方では患者さんに合っているかがわからないこともあるので、試行錯誤しながら適切な薬を見つけるようにしています。

医療の質の平均化と専門性の高さを両立させたい

医師を続けてきて良かったと思うこと、めざしているものはありますか?

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患者さんから喜ばれることがとてもうれしいですね。「安心=医療の継続性」だと思います。めざしているのは、1人のドクターが何らかの理由で外れざるを得ないときでも、複数のドクターが守っていることで、穴を空けずに安定した医療を提供し続けられるような体制です。専門分化の功罪で、自分の専門しか診られないドクターにも、良い意味での「町医者」として専門以外の診療も一通りできるように成長してもらい、さらに各自の得意分野も生かせるような診療体制をつくりたい。その目標に向かって一緒に前に進んでくれる仲間を増やしたいと思っています。

地域医療の在り方として、残していきたい部分や変えていきたい部分はありますか?

残していきたいのは、父権主義とも呼ばれるパターナリズムですね、「自分に任せておけ」というような。自分も若い頃は、パターナリズムはだめと教わったので、診療ではできるだけ治療のメリットやリスクを示し方針を選んでもらおうともしました。ですが、そうするとリスクなどの怖い部分に患者さんの目が行ってしまうんですね。でたらめな医療情報がインターネットではびこる時代、患者さんに安心を提供するには、ある程度のパターナリズムは必要なのではないかと感じています。逆に変えていきたいのは、医療の地域偏在。直接お役人に疑問をぶつけたこともありましたが、民間の手でスピーディーに解決できないかと考えています。週2回、数ヵ月に1回など、医師のワークスタイルを加味しながら、グループの中で医療過疎地域へのローテーションを組めないかと。そういったことも含め、地域医療の仕組みを大きく変えていくべき時期にきていると思います。

読者へのメッセージをお願いします。

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繰り返しになりますが、気軽に受診できるハードルの低さが、町のかかりつけ医の存在意義だと思っています。健康診断の数値が良くないために受診しなければいけないときでも「あそこのクリニックなら、頭ごなしに怒られないで相談できるかな」と思ってもらえるような(笑)。そういった面で町のかかりつけ医というのは、健康という扉を守る門番のようなものです。あまり身構えず、どんなことでも気軽に相談していただきたいですね。きっかけは健診でも予防接種でもいいので、一度受診してみてクリニックの雰囲気を知っていただきたいと思います。子どもの頃からかかりつけで、最後は自宅で看取ってもらえてよかった、というように、地域に根差し、患者さん、ドクターともに世代を越えてお付き合いができることが理想です。そういったことの積み重ねから地域の信頼を得ていけるとうれしいです。

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