三浦 正智 院長の独自取材記事
みうら脳神経クリニック
(熊本市東区/健軍町駅)
最終更新日:2023/11/08

県道232号通称小池竜田線沿いにあり、熊本赤十字病院から車で10分ほどの場所に「みうら脳神経クリニック」はある。三浦正智院長が2023年4月に開業した同院は、脳神経内科・脳神経外科・内科を標榜科目に掲げ、脳疾患の診療をメインとして、高血圧や糖尿病などの一般的な内科診療にも対応している。三浦院長は患者の話を聞くことを大切にし、何に困っていてどんな診療を希望しているのかに耳を傾け、一人ひとりに合った医療を提供することに力を入れている。またMRIなど先進の機器をそろえ、脳ドックを実施。患者それぞれの状態に合った検査が受けられるように複数のコースを用意し、脳疾患の早期発見・予防をめざす。大学病院などで数多くの経験を積んできた三浦院長に、同院の特徴や地域医療への思いなど話を聞いた。
(取材日2023年9月14日)
父の背中を見て医師の道へ。基幹病院で研鑽を積み開業
開業までの経緯を教えてください。

実は医師になるまで、脳神経内科の詳細についてあまりわかっていませんでした。それが、研修医時代にカテーテルを使った脳血管内治療を見る機会があり、そこで初めて脳神経への興味が湧いたんです。その時の先生に良くしていただいたこともあって、脳神経内科の道を選びました。実習が終わった後はそのまま大学病院へ入局し、難しい病気の診療に携わりたいと、救急医療を担当させてもらっていました。さらに、熊本赤十字病院など複数の基幹病院を経験し、開業について考え始めたのが開業の2年前ぐらいですね。それまで急性期の患者さんばかり診てきたことで、患者さんと接するというより病気と接しているような感覚になることもありました。でも、急性期で診た患者さんがしばらくして来院された時に、入院中とは別人のようになっているのを見て、急性期後の患者さんを良くなるまでしっかりと診ていきたいと考えたことが、開業のきっかけになったと思います。
なぜこの地域で開業しようと思われたのですか?
熊本赤十字病院も近いですし、熊本市民病院にも知り合いの先生がいらっしゃるので、病診連携がしやすいと感じたからです。それにこの辺りを通った時に、明るい雰囲気を感じたことも理由の一つですね。この辺はこれから新しく開発され、お子さんのいらっしゃる世帯が増えていく地域になる予感がしたのです。すでに若い人たちが多く住まわれている印象がありますが、ちょっと道を入ると、この地域にずっと暮らしている高齢の方もいらっしゃいます。幅広い年齢の方が住まわれているので、皆さんのかかりつけ医になれたらと思っています。
そもそも、なぜ医師をめざされたのでしょうか?

父が脳神経外科の医師をしていたという影響が大きいですね。幼少期の私は、多忙であまり家にいない父のことを「よく家に来るおじさん」と認識していたようです(笑)。仕事をしている姿はあまり見たことはありませんでしたが、やりがいのある仕事なのだろうと子どもながらに感じていました。高校に進学すると、周囲も医師をめざす人が多かったため、良い刺激になりました。開業するにあたっては父も賛成してくれたので、うれしかったですね。これまでを振り返ると大変なこともありましたが、医師になって良かったと思っています。担当した患者さんが元気に帰っていく姿を見ることができたら、幸せな気持ちになります。
MRIを導入し脳疾患のほか一般内科にも対応
こちらではどのような診療が受けられるのでしょうか?

標榜科目としては、脳神経内科、脳神経外科、内科を掲げています。脳疾患をメインに内科全般を診ているのですが、脳神経と聞くと身近な診療科目ではないので、なかなかぴんときませんよね。わかりやすい症状だと、めまいや頭痛、しびれ、頭部の外傷が挙げられます。当院ではパーキンソン病と認知症、頭痛を専門に診るための外来も設けています。「頭痛でわざわざ病院に行くのはちょっと」「物忘れは心配だけど、まだ病院に行くほどじゃない」といった方は少なくありません。頭痛や物忘れは身近なだけに、病院に行きづらいのだと思います。そのような方に当クリニックは、少しでも不安があったり、気になったりする症状があれば、気軽に受診していただければと思います。もちろん頭痛だけでなく、ちょっとした体調不良についてのご相談に来ていただければと思います。
設備について教えてください。
検査機器の導入については、熊本赤十字病院の外来と同じレベルの設備にしたいという気持ちがありました。脳を検査するには、どうしても精密な機器が必要になりますからね。そこで当院ではCTとエコー、そしてMRIを導入しています。CTは外傷を診るのに役立ちますし、エコーでは、脳と密接な関係にある心臓や首の血管を診るのに便利です。MRIについては、地域のクリニックで導入しているのは珍しいと思います。他のクリニックから、MRI検査のご依頼もよくありますね。また、患者さんの利便性を高めるために、オンラインによる予約と問診も取り入れています。
診療するにあたって心がけていることはありますか?

患者さんの話をよく聞くようにしています。ホームページにも「オーダーメイド治療」という言葉を掲げていますが、患者さんがどういった理由で受診して、どういった診療を希望しているのかなど、気持ちをくみ取れるように努力しています。そのために、病気の話だけではなく、できるだけ日常生活や仕事の話も聞くようにしているのです。例えば女性に多い片頭痛ですが、中には家事ができないほど深刻な症状の方もいらっしゃいます。それなのに、本人にしか痛みがわからないので、頭痛で休んでいると周りからは怠けていると思われることも珍しくありません。そういった方の悩みに共感することが大事だと思っています。それから脳疾患の特性上、患者さんのご家族からお話を聞くことも多いです。その場合はご本人の状態だけでなく、ご家族の困り事なども聞くようにしています。
脳ドックで病気の早期発見・予防をめざす
脳ドックをされていると伺いました。脳ドックとはどのようなものですか?

脳ドックという名前を初めて聞いた方も多いと思います。人間ドックの脳版ですね。MRIやエコーを用いて、脳に関係する病気を早期発見・予防するためのものです。脳の疾患は自覚症状のないものも多く、発症しないとわからない場合も少なくありません。生活習慣病のある方や、中高年の方はぜひとも受けてほしいですね。「何か見つかったらどうしよう」という気持ちはとてもわかります。開院前にまず自分自身を検査しました。その時は私も不安で患者さんの気持ちがよくわかりました。でも、何かあったとしても早期発見できれば対策が打てますし、私が全力で力になります。当院の脳ドックは3つのコースを用意していますので、ご自身の状況に合わせて選んでいただくといいでしょう。
今後の展望について教えてください。
地域の皆さんに、安心して通っていただけるようなクリニックをめざしたいです。頭痛などのお悩みから生活習慣病まで、体のことなら何でも相談できる「かかりつけ医」として、長きにわたってお役に立てれば幸いです。そのために私自身も常に情報収集やスキルアップを意識していますし、スタッフには患者さんへの声かけを意識してもらうようにしています。まずは当院の存在を知ってもらって、ゆくゆくは地域の皆さんから頼られるクリニックになりたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「脳の病気は重大で生命の危機」というようなイメージを持つ方も多いと思います。でも、脳の疾患には頭痛やめまいといった身近な症状もあるのです。そうした些細と思われるような悩みや不安を少しでも払拭することが、当院の使命だと考えています。大きな病院と同じくらいの設備を整えていると自負していますので、ぜひとも頼っていただけたらと思います。脳ドックも、あまり気負わず、自分の状態を把握するために受けていただければうれしいですね。特に働き盛りの30代後半から40代の方は、何の症状がなくても一度受けてもらってもいいかもしれません。また、当院は内科の診療も行っています。「ついでに脳の健康も診てもらおう」という感覚で構いませんので、どうぞ気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/1万9800円〜2万9700円※ご希望コースにより異なります