坪田 伶那 院長の独自取材記事
湘南辻堂こどもクリニック
(藤沢市/辻堂駅)
最終更新日:2025/08/27

JR東海道本線・辻堂駅から徒歩1分。商業施設5階の医療機関が立ち並ぶエリアに「湘南辻堂こどもクリニック」はある。湘南らしい雰囲気に合わせて入り口の扉や壁には海の生き物が描かれ、診察室にはおもちゃのコーナーも設けられるなど、小児科ならではの心配りが随所に感じられる。藤沢市出身の坪田伶那院長は、医局時代から小児疾患全般の診療経験を積み、日本小児科学会小児科専門医の資格を持つ小児科のエキスパート。中でも子どもの内分泌疾患を専門とし、予防医療や未病の観点を大切にしながら、自宅でできるケアのアドバイスにも力を入れているという。穏やかで親しみやすい雰囲気のある坪田院長に、同院で行っている診療について語ってもらった。
(取材日2025年7月30日)
地域のニーズに応え成長するクリニック
開業されて2年余り、どのようなところが変化しましたか?

「地域の方々に安心できる医療を届けたい」という思いは変わっていませんが、この2年間で地域の皆さんが求めていることが少しずつ見えるようになり、そのニーズに応えるかたちでクリニックも徐々に変化してきました。医師は1人から3人、看護師も2人から6人へと増え、治療機器も充実してきましたが、それは私のほうから「規模を広げたい」と望んでそうしたのではなく、「こういった機器があれば患者さんに喜んでもらえるのでは」「この体制ならもっと安心してもらえるのでは」と考えた結果です。思春期のニキビのお悩みには、治療だけでなく化粧品のアドバイスなどをすることもあります。各学会のガイドラインで推奨されている内容をベースに、患者さんのご希望を取り入れながら診療にあたっています。
スタッフの数が2年で3倍になったのですね。
そうなんです。受付スタッフも、延べ人数で見ると開業当初の3人から今では9人にまで増えました。受付スタッフや看護師の人数が増えたことで細かいところまで目が届くようになり、患者さんをしっかりサポートできる体制が整ってきたと思います。どのスタッフも優しい気配りができる温かい人ばかりで、感謝の気持ちに堪えません。待合室で患者さんの荷物を持ったり、入り口までベビーカーを押したりと、自然に手を差し伸べてくれている姿もよく見かけます。こうした心遣いが、患者さんにとっても大きな安心につながっていると感じますし、私自身も本当に心強いですね。何か困ったことがあれば、ぜひ遠慮なくスタッフに声をかけていただけたらと思います。
診療において大事にしていることを教えてください。

診察室に入ると緊張して、聞こうとしていたことを忘れてしまう保護者の方も多いため、診察の最後にはこちらから「質問はないですか?」と声をかけるようにしています。疑問や不安に思うことはすべて聞いてほしいと思っているので、お帰りの際にも受付スタッフから「もらい忘れたお薬はないでしょうか?」などと確認の声かけをしてもらっています。また、受診が終わった後も安心して過ごしていただきたいので、自宅でできるケアの方法についてもアドバイスしています。「こういう症状が出たときには、こう対処すると良いですよ」といった、少し先を見据えた話をしておくことで、何かあったときに落ち着いて対応できることもありますよね。治療以外の部分でも、育児をサポートしていけたらうれしいです。
両親の背中を見て、医師の道へ
医師を志したきっかけについて教えてください。

父が外科医、母が皮膚科医だったことから、私自身も自然と医師を志すようになりました。患者さんに寄り添うことを何より大切にする姿勢は、日々両親の背中を見る中で身についたものだと思います。さまざまな診療科の中で小児科を選んだのは、子どもたちの成長を近くで見守り、関われることに大きな魅力を感じたからです。当院も開業して2年が過ぎましたが、当時お母さんのおなかの中にいた赤ちゃんも今では2歳となり、院内で歩いたり笑ったりしている姿を見かけます。「大きくなったね」「同い年だね」なんてお話しできるのは本当に感慨深いです。これからもその成長を見守っていけると思うとさらにうれしくなりますね。
先生ご自身もこの辺りが地元だそうですが、こちらはどういった地域なのでしょうか?
私は藤沢市の出身で、辻堂エリアには長年親しんできました。もともと大好きな場所ですし、クリニックのスタッフもこの地域が好きでよく訪れている人が多く、診療の合間のちょっとした会話にも自然と地元愛にあふれていると感じます。当院が入っている商業施設も、地元愛を大事にしている私たちの思いとも重なる部分が多く、開業の場としてとても良いご縁だったと思っています。実際に小児科領域での患者さんのほとんどは近隣にお住まいですね。思春期関連のご相談ですと、鎌倉や西湘地域など、もう少し広い地域からいらしてくれている印象です。辻堂エリアは健康意識の高い方が多いという印象を受けています。
どういったご相談が多いのですか?

最も多いのは発熱・鼻水・嘔吐などの風邪症状ですが、ほかにも便秘による腹痛・お漏らし・夜泣きなど、日常生活でのお悩みにも対応しています。「こどもクリニック」と掲げていますが、地域のファミリークリニックとして役立ちたいという思いがあり、家族全員で風邪になった場合には皆さんを診察することも可能ですし、お子さんの診察のついでにご自身の体調の相談をしていただいても構いません。年齢にとらわれず気軽にご相談いただければと思います。特にアレルギー疾患に関しては、親子そろってのご相談も多いですね。もちろん、より専門的な治療が必要な場合は、適切な病院におつなぎします。
どんな不安にも寄り添う「かかりつけ医」をめざして
クリニックとして、地域にとってどのような存在でありたいと考えていますか?

注射や検査ってどうしても「痛い」「怖い」というイメージがありますが、近年は研究が進み、痛みの少ない検査キットや、鼻から接種できるスプレー状のワクチンなども開発されています。そうした痛みや恐怖に配慮した優しい治療ができるクリニックでありたいと思っています。雰囲気づくりも大切にしていて、診察室にはおもちゃをたくさん置いて、お子さんが「遊びに行く」ような場所を作っています。そうした工夫が伝わっているのか、「子どもが『あのクリニックに行きたい』って言うんです」とか「ママ友に勧められて来ました」といった声をいただくことも増え、地域のお役に立てている実感があります。おもちゃに夢中で診察室から出たがらないお子さんに、保護者の方が「遊びに来てるんじゃないのよ」なんて声をかけている姿を見るとこちらもうれしくなりますね(笑)。
低身長をはじめとした発達や発育、生活面のご相談にも対応していると聞きました。
在籍していた医局の小児科では、子どもの病気について一通り経験を積み、特に大学病院では、低身長症や小児糖尿病などの内分泌疾患を中心に学んできました。お子さんの身長が低い場合、その多くは遺伝や体質によるものであり、成長ホルモンが分泌されていないケースや、染色体異常、骨の病気などが原因となっていることは少数です。ただ、今は情報があふれており、不安になる保護者の方も多くいらっしゃいます。もし病気が見つかった場合でも、早期に治療を開始すれば身長が伸びる可能性は十分ありますし、病気でなかったとしても話をすることで安心できるかもしれません。お子さんの低身長や成長について不安のある方は、ぜひ一度ご相談ください。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

子どもたちの生活や保護者の小さな不安に寄り添える「かかりつけ医」をめざして開業しました。 日本小児科学会小児科専門医による診療・予防接種・健診・健康教育などを通じて、子どもと家族の安心を支え、安心して育児のできるお手伝いができればと思っています。開業してから2年、皆さんのニーズに応えながら、治療の幅も広がってきました。子育て世代を幅広くサポートする体制を整えており、当院では年齢制限はありませんので、保護者の方の受診や、お子さんが大きくなってからの受診にも対応しています。体調のことはもちろん子育ての悩みにも寄り添えればと思っております。何かお困りのことがあったら、気軽に相談していただけたらうれしいです。