森島 勇 院長の独自取材記事
柏の葉ブレストクリニック
(柏市/柏の葉キャンパス駅)
最終更新日:2024/11/05

柏の葉キャンパス駅から徒歩4分、東出口を出てすぐの大通り沿いにあり、車でのアクセスも便利な「柏の葉ブレストクリニック」。院長の森島勇先生は日本乳癌学会乳腺専門医であり、日本超音波医学会超音波専門医の資格を持つ、乳腺診療のスペシャリスト。長年、進行してしまった乳がんを診てきた経験から早期発見・早期治療で命を守りたいという思いは強い。ロゴマークにも乳がん啓発のシンボルであるピンクリボンと、「夢かなう」という花言葉を持つ青いバラを組み合わせている。「乳がんで苦しむ人がいなくなるように」との願いを持つ森島院長。病院特有の緊張感をなくそうと心を尽くした院内で、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2024年9月5日)
乳腺炎なども幅広く相談できる温かなクリニック
先生は乳腺専門の医師として、長く研鑽を積まれてきたと伺いました。

筑波大学を卒業後、筑波メディカルセンター病院・茨城県地域がんセンターを中心に関連病院で34年間にわたり勤務し、数多くの乳がん診療に携わってきました。症状の見極め、難症例への対応や手術、アフターフォローも含めての経験は、今でも診療に役立っています。ただ、紹介状を持って来られる患者さんが大半で、すでにがんが進行している方も少なくありませんでした。なぜ、もっと早期に見つけられなかったのか。「気になる症状はあるけれど大学病院の予約がなかなか取れない」「近所に乳腺科の医師がいない」とお困りの方も多いのではないかと、開業を考えるようになりました。開業して1年ですが、すでに多くの患者さんを診療し、乳がんは本当に身近な病気であることを再認識しています。
少しでも気になることがあったら立ち寄りやすい優しい雰囲気のクリニックですね。
そう思ってもらえるとうれしいです。診察室は2部屋あり、一つはカウンセリングや問診、もう一つは診察および検査用として使っています。検査機器としては、超音波、マンモグラフィ、針生検装置、心電図などを整備。自動精算機も備えており、保険診療も含めキャッシュレス決済が可能です。全体的に木のぬくもりを生かして落ち着いた雰囲気の内装にまとめ、さまざまな患者さんがリラックスして過ごせるよう工夫しました。院内は無線LANを完備、窓に面した一人掛けの席では電源もお使いいただけます。受付カウンターにぬいぐるみたちを草の中にかくれんぼしているように配置しているのは、ちょうど子どもの目線だからです。子ども連れの患者さんも結構いらっしゃいますからね。
現在はどのような患者さんが多いのでしょうか。

最先端技術を活用した町づくりが進行中の柏の葉キャンパスは、若いファミリー層も年々増え続けているそうです。当院の患者さんも子育て世代も多く、乳腺炎などを診ることもありますね。乳がんだけではなく、お乳の困り事に幅広く対応しているのでどうぞ遠慮なくいらしてください。実際、乳房の痛み、違和感、しこりなどさまざまな訴えの方がいらっしゃいます。そのほか、乳がん検診を受けて要精密検査となって来る方も少なくないですね。当院でも柏市の乳がん検診のほか、自費での検診も可能なので、ご活用ください。できるだけ早期に発見するためにも、マンモグラフィと超音波検査の両方で、年に1度のペースで検査することをお勧めしています。
乳がんの早期発見・早期治療へのあくなき挑戦
マンモグラフィと超音波検査はどう違うのでしょうか。

マンモグラフィはエックス線を使った検査で、石灰化の発見が得意です。当院は熟練の女性診療放射線技師が担当しています。同じ状況下で撮影すれば経時的な変化を見つけやすいのが利点ですね。ただ、しこりも乳腺も白く映るため、乳腺がしっかり残っている40代はしこりが隠れがちなのが欠点ともいえます。これを補うのが、しこりを検知するのに優れている超音波です。カラードプラとエラストグラフィというしこりの硬さを色分けして表示できる機器を導入し、患者さんもご自身の状況を目で見て納得できるようにしています。ただ、どんなに先進機器を使っていても、それだけで見落としのリスクはゼロにはできません。やはり、診療において人の目と手は欠かせないものです。必ず触診と視診も行い、総合的に判断するようにしています。
どんなときに検査を検討したらいいのでしょうか。
乳がんは女性ホルモンと関連しているため、初潮が早かったり閉経が遅かったり、出産妊娠・授乳の経験がない方などは、検査をお勧めします。家族歴がある方、肥満の方などもハイリスクなので、検査を検討していただけたらと思います。しかし、乳がんはまだ解明されていない部分も多く、このようなリスク因子がなくても発症することは少なくありません。「女性であることがリスク」と言っても過言ではなく、どなたも検査のタイミングを逃さないようにしてほしいです。異変に気づくためには、普段の自分のお乳の状態を知っておくのが大切です。毎日、体を洗う時に乳房全体を触って、健康な状態の感触をよく覚えておけば、しこりなどにも気づきやすいでしょう。また、紅茶のような色をした分泌物が乳頭から出ている時も、できるだけ早く受診してください。
検査を受けて要精密検査となるのが怖いと思っている女性も多いようです。

要精密検査となっても、直ちに乳がんというわけではありません。比率的には乳がん検診を受けた1000人のうち50人が要精密検査となり、がんが見つかるのはその中でも3人ほどです。そのため、要検査となったとしても必要以上に怖がらないようにしてください。万が一、乳がんだったとしても、早期に診断して適切な治療を行うことが大切で、予後は良いがんでもあります。薬物療法、手術、放射線治療すべてのジャンルで、「患者さんにとって良い治療法」が次々と開発されていることも、ぜひ知ってほしいです。そうはいっても、要精密検査となったり、がんを告知されたりしたら、心穏やかではありませんよね。少しでも落ち着いて過ごすためのヒントをブログでも詳しく書いているので、もしものときは参考にしていただければと思います。
友人のように親身に寄り添い患者の不安と向き合う
今後の展望についてお聞かせください。

患者さんから質問をいただき、気になったテーマなどをブログに書きためているのですが、より充実させていきたいです。例えば、「検診で局所的非対称性陰影といわれました」と心配そうに来る方もいます。漢字ばかりの字面だけを見て不安になっている方も多いと思ったので、どのようなことなのか詳しくブログでも説明することにしました。そのほか、乳腺嚢胞など疾患別の解説も多いですね。お胸に関する心配事がすべて解決するような、そんなブログをめざしています。いずれはプリントアウトして待合室に置いておこうとも思っています。これからも、日々の診療の中で患者さんの「もっと知りたい」「もっと聞きたい」ことをキャッチしていきたいですね。
お忙しい毎日ですが、健康維持法などはありますか?
運動と食事、ですね。患者さんにも適度な運動とバランスの取れた食事をお勧めしていますが、自らも実践しています。というのも、7年前に軽く心臓の病気をして、あらためて健康の大切さが身にしみました。そこから体重も15kgくらい落としたんですよ。運動は週に1度、学生時代から続けているバドミントンで汗を流しています。料理は家族からのリクエストを受けてなんでも作ります。たまに外食に行っても「これを家で再現するには?」とつい分析してしまいますし、実験のような面白さがありますね。料理番組もよく参考にしています。もっと腕を上げて、家族を驚かせたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

乳がんは痛みを感じることはあまりなく、ほかの病気を疑って受診して、偶然見つかる例も多いです。クリニックを開業して、乳がん以外のお悩みがある人もたくさんいることを実感していますし、少しでも気になることがあれば遠慮なくいらしてください。基本的に予約制ですが急な対応も可能ですし、土曜も夕方まで診療し検査も行っています。小さなお悩みにも友人のように寄り添い「なんでもないですよ」「大丈夫ですよ」と伝えられる存在でありたいと考えています。患者さんの安心した顔を見れることが今のやりがいですね。また、まれですが男性も乳がんになりますし、成長に伴う思春期男子の胸の痛みなどもあるので、どなたでも気軽に足を運んでください。すべての患者さんが笑顔になれるよう、スタッフ一同、真心を込めて全力でサポートしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはマンモグラフィ/8800円、乳房超音波検査/8800円、マンモグラフィ+乳房超音波検査/1万5400円