八重樫 大輝 院長の独自取材記事
T-松岡救急クリニック 神田
(千代田区/神田駅)
最終更新日:2025/12/08
日々の体調管理から突発的なケガや急病まで、診療科を問わず広く対応している「T-松岡救急クリニック 神田」。神田駅から徒歩2分というアクセスの良い同院は、24時間365日急患対応できることも特徴だ。2025年秋より院長を務める八重樫大輝先生は、循環器内科の医師として心臓の病気を専門としながら、一般内科や救命救急を含め、幅広い診療経験を積んできた。「どこにかかっていいのかわからないときもご相談ください」と話す八重樫院長の穏やかな雰囲気は、不安な症状を抱えて来た時も落ち着いて相談できそうだ。そんな八重樫院長に、これまでの経験から、MRIとCTを備える同院の診療体制、今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2025年11月7日)
心臓疾患を専門に、一般内科や救命救急などを広く経験
まずは先生のこれまでのご経歴を教えてください。

私は東北出身で小さい頃病弱だったことから医療職に憧れ、医師をめざして福島県立医科大学に進みました。卒業後は循環器内科に入局して10年ほど福島県のいろいろな病院に出向しました。広い県ですから、人口も医師も少ない地域や比較的都心部の病院などさまざま環境の中で診療を行い、救急科にも数ヵ月出向してドクターヘリに乗って救命救急の経験も積みました。その頃に災害医療に熱心な先生に出会い、DMATという災害派遣医療チームにも登録しています。2011年3月の東日本大震災の時、私は医学生だったのですが、医学生なのに何も手伝えない無力感は今も忘れられません。医師になってからは、少しでも役に立ちたいと、能登半島地震の際は災害派遣医療チームとして石川県に行きました。家庭の事情で東京に来ることになり、これまでの経験を生かしながら外来の診療をしたいと思い、当院に入職して今に至ります。
さまざまなご経験を積まれていますが、ご専門の循環器内科ではどのような診療に携わってきましたか?
心不全を専門としていて、その中でも2つの専門があります。1つは人工心臓や心臓移植など生死に関わる重症の患者さんの治療です。カテーテルの治療なども数多く経験してきました。もう1つは比較的軽症の方を対象とした心臓リハビリテーションという分野です。こちらは医師の力量に左右される手術とは違い、患者さんに病気を理解してもらって、医師とともに患者さん自身でコントロールすることが大事な治療です。前向きに取り組める治療でもあり、徐々に患者さんに笑顔が増えてくるので、一緒に取り組める楽しみもありました。当院では胸の痛みや苦しさを訴えて救急科に来る方もいますが、心臓に関しては多くの経験を積んできていますので、夜中でもすぐに病院に行ったほうがいいのか、明日まで待っても大丈夫なのかといった判断は得意としています。設備もそろっていますので、当院だけで完結できることも多いんですよ。
そもそも、なぜ循環器内科を専門とされたのでしょうか。

最初は外科に興味があり、初期研修では心臓外科に惹かれていたのですが、指導医師だった循環器内科の先生に「心臓外科の手術でドラマのように人を救うのは華々しく見えるけれど、そういう状態にならないようにするのも大事だよ八重樫くん」と言われてハッとしました。その先生の診察は、そこまで心配しなくてもいいのではと思うほど慎重で、でもその慎重さで手術になる手前で患者さんを救っているのだなと感動したのです。その先生はカテーテルが上手な先生で「ドラマのような手術」もできる先生だったのですが、「町には危うい患者さんがたくさんいる」とおっしゃって開業し、町の開業医をしています。自分もそういう医師になりたいですね。今でも外科の処置は楽しいですが、内科の医師としての使命を持って診療に取り組んでいます。
MRIの当日検査が可能。24時間365日急患対応も
患者さんはどのような方が多いですか?

当院は救急科や内科、外科、小児科、整形外科など、在籍する医師の専門性を生かした幅広い診療を提供しています。そのため、患者さんの主訴も多岐にわたり、風邪や胃腸炎、擦り傷や切り傷といった症状で受診する方をはじめ、頭痛、まひ、胸の痛みなどがある方は、当院でMRIの検査ができることを調べていらっしゃる方も少なくありません。小児の患者さんも多いですね。発熱や頭をぶつけた、ケガをしたなどで来る方が多いです。乳幼児から高齢者までご年齢問わず、さまざまな症状の診療ができますし、どこにかかっていいのかわからないときも気軽にご相談ください。
こちらのクリニックは、24時間365日体制で診療を行っているそうですね。
一般的な診療を9時から13時、14時から18時まで行い、18時以降は24時間、急患対応が可能です。夜でも必要に応じてMRIやCTの検査を受けていただけます。朝から頭や腰などが痛くて我慢しながら仕事をしていたけれど、もう我慢できないと、お仕事帰りに来る方もいます。この24時間365日の急患対応は、南九州で救急クリニックとしてスタートした当法人の方針によるものです。本院のコンセプトを踏襲し、いつでも困った時に来ていただける体制をつくっています。
MRIやCTなどの機器類が充実していますが、どんな症状に対してどんな検査ができますか?

私が心臓を専門としていることもあり、胸が痛い、動悸がする、胸が苦しいなどの心臓が関わる可能性が高い症状に対して、循環器疾患を専門とする病院とほぼ同等の検査が可能です。血液検査、エックス線検査、心電図検査、24時間心電図検査、超音波検査などに対応しています。頭痛やめまい、まひ、しびれなどに関しては、MRI検査を受けていただけます。MRIは予約して別の日に検査する医療機関が多い中で、当院でしたら待ち時間はいただきますが当日中に検査が可能です。また、理事長が専門とする整形外科では、変形性膝関節症に対するラジオ波末梢神経焼灼術にも対応し、院内で日帰り手術ができる設備を整えています。日帰り手術ができるクリニックが少ないことから、問い合わせの多い治療でもあります。若い方に多い腰や肩の痛みも、必要に応じてMRIやCTで原因を探り、適した治療へとつないでいます。
迅速に判断し、「大丈夫」の根拠も伝えて不安を軽減
診療の際、大切にしているのはどんなことですか?

受診した目的がはっきりとわかる方の要望に応えていくのはもちろんなのですが、なんと表現していいのかわからない悩みを抱える患者さんにも寄り添っていきたいと思っています。私は各専門の医師がいないような田舎の病院での診療経験が長く、専門分野に集中できる都心の病院とは違い、さまざまな症状の患者さんを診てきました。そういった経験を生かしながら、当院にそろう検査機器も適切に使い、患者さんの要望をくんだ診療を提供していければと思います。あとは、診察中に東北訛りが出ないようにすることですね(笑)。夜とかは結構出てしまい、同郷の患者さんには「福島出身ですか?」と、ばれたりもするのですが(笑)。
今後の展望を教えてください。
CTやMRIでの検査がその日のうちにでき、迅速な診断を下せる当院の特徴を生かし、近隣のクリニックの先生と連携していけたらと思っています。すでに連携しているクリニックもありますが、そちらではできないMRIやCT、超音波の検査などを当院で対応したり、当院はケガの縫合もできますので、縫合の機器がないクリニックからの患者さんを受け入れたりといった連携を広げていきたいと思います。また私が専門とする心臓に関する治療や検査も、より広いニーズに応えられるようにしたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私は日本循環器学会循環器専門医のほか、日本内科学会総合内科専門医を取得し、心臓の専門的な治療をはじめ、一般内科に関しても幅広く診療を行ってきました。その経験から、迅速に適切な判断をすることも得意としています。患者さんは、命に関わる病気なのかどうかが心配で夜中でも当院を受診されるのだと思いますので、緊急か緊急ではないか、大丈夫なのであればその根拠をしっかりと伝えています。当院には根拠を出せる検査機器もそろっていますので、安心して頼っていただきたいと思います。

