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渡邉 良弘 院長の独自取材記事

多摩やすらぎクリニック

(多摩市/小田急多摩センター駅)

最終更新日:2024/06/25

渡邉良弘院長 多摩やすらぎクリニック main

東京・多摩市。小田急多摩センター駅、京王多摩センター駅より徒歩1分という便利な立地にある「多摩やすらぎクリニック」。東京大学医学部附属病院をはじめ数々の病院の精神科での臨床、後進の育成など、さまざまな経験を積んできた渡邉良弘院長が2023年5月に開業した心療内科・精神科クリニックだ。渡邉院長は大学の学生相談室にも長年勤務。若い世代の悩みに向き合ってきた経験は、大学が多く、学生が多いこの多摩地区でもきっと生かされることだろう。不安を抱えて来院する患者が少しでもリラックスできるように、インテリアにもこだわったという。「お帰りになる時には、少し気持ちが楽になって帰っていただきたい」と話す渡邉院長に、クリニックの診療について話を聞いた。

(取材日2024年5月29日)

病院での臨床、学生相談室などで経験を重ねる

昨年開業されたそうですが、開業に至るまでの経緯を教えていただけますか?

渡邉良弘院長 多摩やすらぎクリニック1

私は新潟県出身で新潟大学医学部を卒業しましたが、縁あって東京大学医学部附属病院に勤務することになり、その後も東京都内の病院の精神科などで臨床経験を積んできました。重症の患者さんへの時間をかけたケアにも取り組んできました。医療系大学で精神科の医師をめざす学生の教育に携わったこともあります。私の精神科医としてのキャリアの中でも特徴的なのは、私立大学の学生相談室で11年間にわたり、学生たちのさまざまな悩みを聞いてきたということです。学生たちと話す中で、「生きづらさ」を感じている人が多いということを実感してきました。この多摩センターを開業の地に決めたのも、その時からのなじみのある場所であるということが大きな理由です。小田急線・京王線・多摩モノレールと3路線が利用できるターミナル駅という利便性もありますしね。

患者さんの年齢層はどのような感じですか? また、お悩みで多いものは何でしょうか。

当院では原則として高校1年生以上の方に診療を行っています。患者さんの年齢層は、高校生から90代までと幅広いです。この辺りには私が相談室に勤務していた大学以外にも数多くの大学のキャンパスがたくさんあるので、大学生など若い世代の来院が多いかなとは開業時から想定していました。患者さんのお悩みで多いものについては、まだ開業して1年なので、はっきりと統計的なものが出せるわけではないのですが。今の時点で比較的多いのは、働き盛り世代の方のうつ病、不眠症、不安症、適応障害などでしょうか。発達障害に関するお悩みは、10代から50代までいらっしゃいますね。

若い世代の患者さんだと、不登校などの相談もあるのでしょうか。

渡邉良弘院長 多摩やすらぎクリニック2

そうですね。不登校に関してはこれまでの経験上、5月、6月あたりにご相談が増える傾向があります。それまで学校に行けていなかった子が進学して、新しい環境で心機一転頑張ろうということは多いのですが、中には頑張りすぎてしまう子もいます。その結果、「適応過剰」という状態になって疲れきってしまい、5月の連休以降、再び不登校になってしまうということも少なくありません。

じっくり話を聞き、必要最小限の薬での治療をめざす

先生の診療方針について教えてください。

渡邉良弘院長 多摩やすらぎクリニック3

当院の診療は、お話を傾聴する精神療法と必要最小限のお薬を処方する薬物療法が中心です。「不安性苦痛」という言い方があるように、不安を抱える中で言葉として出されるのは結構苦しく、人にうまく相談できない方は多いものです。抑うつ状態の方も同じです。ですから、問診票をもとに初診でまずはじっくりお話を伺い、治療方針を立てます。お話を伺っているうちに、時には、家族にも言えない悩みを打ち明けていただけることもあります。状況に応じて、入院が必要だと判断した場合は、近隣の病院をご紹介しています。

カウンセリングはどのような体制で行っていますか?

毎週火曜に、公認心理士の資格を持つ女性スタッフが担当して、カウンセリングと心理検査を行っています。私が診察でお話を伺うだけでなく、「この患者さんにはもう少し自分のことを話してもらったほうがいいな」と私が判断して合意が得られた場合には、ご案内しています。もしくは、ご本人が希望される場合もあります。

訪問診療も行っていると伺いました。精神科での訪問診療は珍しいですよね。

渡邉良弘院長 多摩やすらぎクリニック4

はい。毎週木曜の午後に訪問診療を行っています。確かに精神科のクリニックで訪問診療に対応しているところは少ないかもしれませんね。「家から出ることができない」「歩くことができない」など、治療が必要だけれど、クリニックに来ることができないという方は潜在的にいらっしゃいます。そのニーズは以前から感じていたため、今年の6月からスタートしました。

患者の緊張感を減らすために院内環境にもこだわる

開業時には、院内のレイアウトや内装にもこだわられたのでしょうか。

渡邉良弘院長 多摩やすらぎクリニック5

全体のレイアウトは、いくつかのクリニックに見学に行き、「これはいいな」と思ったところを参考にして取り入れた部分もあります。受付のレイアウトなど、クリニックの扉を開けて入った瞬間にパッと目の前に広がる景色は患者さんに大きな印象を残すので、特に大事にしました。待合室もゆったりと広めにスペースを取っています。また、精神科病棟の建築に携わった大先輩から、「クリーム色かイエローが不安を和らげる」と聞いたため、院内の壁はイエローにしました。あと、椅子にはこだわりましたね。初診では40分くらいお話を聞くことが多いので、特に診察室の椅子は座り心地の良いものを選びました。そして、患者さんが診療室に入ってこられたときには必ずその椅子を示して、「こちらにおかけください」と一言声をかけています。行動をきちんと支持してあげることで、患者さんの不安や緊張を増やさない配慮からです。

今後、どのようなクリニックにしたいとお考えですか?

クリニックに初診で行くときには、どなたでも、どんな科でも、多少の不安や緊張があると思います。精神科の場合は、初めての場所や人でパニックになってしまう方もいるし、診察室にいることができずに途中で帰られてしまうような方もいらっしゃいます。そうなるスイッチは人それぞれで、きっかけがつかめないことも多いものです。ですから、院内にはなるべく物を置かないというような配慮をしつつ、できるだけくつろいでいただける環境づくりが大切だと思っています。当院は予約を電話で受けているので、予約時のスタッフの話し方や声、対応などもクリニックの行きやすさの要素になることでしょう。その意味では、私一人で治療しているつもりはありません。内装、インテリア、スタッフ、すべてを含めた、このクリニックという入れ物の中で患者さんに元気になっていただきたい。そんな思いで診療をしていますし、そんなクリニックにしていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

渡邉良弘院長 多摩やすらぎクリニック6

うつ病の方は「まさか自分がうつ病になると思っていなかった」とおっしゃる方が多いのですが、精神科の病気の多くは特別なものではなく、どんな方でも患者になり得るものです。来ていただければ、お帰りになる時には少し気持ちが楽になって帰っていただけるように、患者さんお一人お一人に寄り添う診療を心がけています。受診しようか迷っている方、眠れないなどのつらい状態が続いている方は、ぜひいらっしゃってください。

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