中川 智仁 院長、中川 史子 副院長の独自取材記事
仁歯科はるのまち
(北九州市八幡東区/八幡駅)
最終更新日:2024/04/30
西鉄バス「春の町」停留所より徒歩1分の場所にある「仁歯科はるのまち」。院長を務める中川智仁先生が「歯科医療を通して地域の人に貢献したい」と、地元である八幡東区に開院した歯科クリニックだ。診療内容は、小児歯科をはじめ、一般歯科、歯周病、入れ歯、インプラント、顎関節症というように、子どもから高齢者まで幅広い世代に対応している。妻の中川史子副院長は子育て中の母親でもあることから、主に自身の経験を生かしたマタニティー歯科診療や小児歯科を担当。また、誤嚥を予防するためのトレーニングを行う摂食嚥下リハビリテーション、さらにはさまざまな理由で通院が難しい患者には訪問診療の実施も可能など、地域に寄り添った診療を行っている。今回、智仁院長と史子副院長に開院に至った背景や診療の特徴などを中心に話を聞いた。
(取材日2023年6月8日)
歯科医療を通じて地元に貢献すべく八幡東区に開院
ここ八幡東区は院長の地元だとお聞きしています。
【智仁院長】ええ、小さな頃から慣れ親しんだ土地ですので、地元に歯科医療を通じて貢献したいという気持ちが強いですね。幼少期は家の中よりも外で遊ぶことのほうが多く、将来歯科医師になりたいとは、まったく思っていませんでしたが、親が歯科医師をしていましたので、知らず知らずのうちに興味を抱いていたのかもしれません。高校生になって歯科医師への道を決意し、大学は福岡歯科大学へ進みました。
史子副院長は小さな頃はどのような夢をお持ちでしたか?
【史子副院長】私も親が歯科医師をしていたので、父が技工作業をしている姿などを見ていたこともあり、自分もやってみたいという気持ちが子どもながらにあったのを覚えています。大学は九州歯科大学を卒業したのですが、歯科技工士の資格を取得した後に大学に入り直したので、現役の子たちよりも遠回りしているんですよ。そういったこともあって、早く社会に出なければという想いが強かったんですよね。学生の頃は歯科助手のアルバイトに時間を費やしていました。卒業後は大学病院の口腔インプラント部門に入局し、そこで院長と出会うことに。やんちゃそうだなというのが第一印象でした(笑)。それが今こうやって一緒に仕事をしているのは、本当にご縁だなと思います。
お二人が口腔インプラント部門を選択されたのは、どのような理由からなのでしょう。
【智仁院長】当時、私は歯周病に興味がありましたが、噛み合わせなどお口の中全体を考えて治療したいと思っていました。そこでは義歯を含む補綴の分野に加え、歯周外科にも携わることができると知り、これは幅広い経験ができると思い、選びました。
【史子副院長】私も幅広い知識を得たかったというのは同じなのですが、昔はインプラント治療が授業内容にあまりなく、まだ十分に確立されていない分野だったんですね。そのため、知識も薄く、しっかり勉強していないと取り返しのつかないことになるんじゃないかという危機感を感じたのが、この医局を選択した一番の理由です。
マタニティー歯科からインプラントまで幅広くカバー
今年5月の開院に至るまでの経緯についてもお聞かせください。
【智仁院長】大学院生の頃から将来は開院したいという気持ちがありましたので、そこに向けて経験を積んでいました。子どもから高齢者まで包括的な治療を身につけるべく研鑽を重ねる中、知り合いを介し、たまたま良いお話をいただきまして、開院することができました。地元での開院ということで感慨深いものがあります。実際に開院した今、自分が育ってきた地域の皆さんにお役に立ちたいという気持ちが強いですね。この地域は特に高齢の方が多いので、自分たちが専門で学んできたインプラント治療や義歯など、歯を失った際の技術や知識を生かせるエリアでもあると思います。また、その医局では歯を残すための方法も学ぶことができましたので、患者さんにとって一番適した治療を総合的に判断できるのではないかと思っています。
子育て世代の来院も多いとお聞きしました。
【史子副院長】ええ、近くに保育園もあるので、小さなお子さんを連れて来られる方も多いです。午前中は地域の年配の方、夕方以降は学生や親子連れ、仕事帰りの方など、時間帯で患者層も変わってきますね。私自身、小さな子どもを2人育てていますので、その経験を生かせるように、妊婦の方や小児を主に担当しています。特にマタニティー歯科診療に関しては、つわりのつらさもわかりますので、口腔ケアなど妊娠週数や患者さんの体調に寄り添った診療を心がけています。出産する前からのケアというのはとても大事で、母親の口腔環境が悪いとお子さんが虫歯になるリスクが高くなるといわれています。お子さんが生まれてから一番接する時間が長いですからね。そこもしっかりとお伝えしていけたらなと思っています。
では、一般歯科や口腔外科など成人の方を院長が担当されているのでしょうか。
【智仁院長】そうですね。年齢によって主訴も異なることから、自然と得意分野に担当が分かれている感じで、私は虫歯や歯周病はもちろん、インプラント治療など主に成人の方に包括的な診療を行っています。その中でも特に注力しているのが予防歯科。以前と比べると予防に対する意識の高い方が増えたとはいえ、まだ「歯科は痛くなってから行くところ」というふうに思っていらっしゃる方も少なくありません。そういった方には虫歯治療などをきっかけに、予防に対する意識への働きかけができるよう努めたいと思っています。
今後は訪問歯科診療や摂食嚥下リハビリテーションも
その働きかけのツールとして、歯科用顕微鏡のマイクロスコープを活用されているそうですね。
【智仁院長】ええ、当院は患者さんへご説明する時間を十分に確保しています。その際に口腔内を拡大した動画や画像を活用。もちろん精密な治療を行う際もマイクロスコープを活用しますが、動画や画像も撮影できるため視覚的なアプローチができる説明ツールとしても役立っています。実際に見ていただくのが一番説得力があるんですよね。ご自身の口腔環境がかなりリアルに見えるので、初めて見る方は驚かれると思います。歯科用CTも欠かせないアイテムですので、開院するにあたりマイクロスコープと歯科用CTといった先進機器の導入は必須だと考えていました。大学病院時代も使用していましたので、私も副院長も手技は身につけていますし、根管治療やインプラント治療など、さまざまな場面で活用するようにしており、非常に役立っていますね。
インプラント治療についてはさまざまな意見がありますが、院長はどのようにお考えですか?
【智仁院長】天然歯に勝るものはありませんので、できる限り歯の温存ができる治療法を模索します。その上でどうしても難しいと判断した場合にインプラント治療をはじめとする可能な治療法をご提案をするというのが私の診療スタンス。ですので、残念ながら歯を失った際に行う治療法の一つとして患者さんにご説明します。しっかりと噛みやすいことや、予防につながる点も大きな特徴だと思います。インプラントは入れ歯やブリッジのように、ほかの健康な歯に負担をかけたり削らずに済むことが望めるので、残された健康な歯を守ることにつながります。これまで、難症例を含めた多くの症例を経験していますので、もしも他院で抜歯宣告をされたけど歯を失いたくないと悩まれている方は、一度ご相談ください。セカンドオピニオンは重要だと考えています。現在インプラント治療を検討されている方でなくとも、お困りの方には相談に来ていただければと考えています。
では、最後にお二人がめざす今後のクリニック像についてお聞かせください。
【智仁院長】患者さんの一生を切れ目なく診ることができる歯科クリニックでありたいなと思っています。それを実現できるよう、万が一高齢になり通えなくなった方には訪問歯科診療を実施。また、誤嚥など口腔機能低下への摂食嚥下リハビリテーションも可能です。私も副院長も10年近く訪問診療を行ってきましたので、安心してご相談いただければと思います。日本歯周病学会歯周病専門医の父や、根管治療を専門とする姉とも連携を取ることができますし、各年代をカバーした包括的な診療で、地域の皆さんのご不安を払拭でき、いつまでも安心して過ごせるためのサポートができたらうれしいですね。クリニック名の「仁」には「思いやり」という意味もあり、そんな気持ちを感じていただけるような歯科クリニックをめざしています。お口のことでお困りの際は、ぜひ私たちを頼ってください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/35万円~
義歯治療/10万円~
セラミック治療/3万円~