野田 晏理 院長の独自取材記事
野田デンタルオフィス
(中間市/東中間駅)
最終更新日:2023/07/05

筑豊電気鉄道線東中間駅から徒歩3分の場所にある「野田デンタルオフィス」は、2023年5月に開業した歯科クリニックだ。病院や介護老人保健施設、介護つき有料老人ホームなどを運営する医療法人EJ会の一つの医療機関として誕生し、地域住民だけではなく施設利用者の口腔ケアに取り組んでいる。歯周病治療やインプラント治療といった専門的な診療に加え、有病者にも対応できる体制を整備しているのが大きな特徴だ。同法人の理事長を兼任する野田晏理院長は、大学病院で歯周病治療をメインに補綴治療など幅広い領域において研鑽を重ねてきた。「クリニックではありますが、大学病院に負けないレベルの歯科医療を提供していきたい」と意気込む野田院長に、歯科医師をめざしたきっかけやクリニックの特徴などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年6月7日)
施設利用者から地域住民まで広く診療に対応
ご開業おめでとうございます。まずは意気込みをお聞かせください。

大学病院に勤務していたので自分の歯科クリニックを持つのはもちろん、個人レベルの歯科クリニックで働くというのは今回が初めてになりますが、なるべく高いレベルの診療を提供していきたいという思いがあります。困っている方がせっかく相談にいらっしゃったとして、自分ができないからと大学病院へすぐに紹介するようでは街のクリニックとして意味がないと思います。ですからある程度の診療についてはクリニックで完結できるように技術を磨いてきたつもりですし、来てくださる患者さんのためにも常に研鑽を積んでいきたいと思っています。
開業に至った経緯についてもお聞かせいただけますか?
もともと開業したいという思いから歯科医師をめざしたという経緯があるのですが、より患者さんに近い場所でしっかりと責任を持って治療に取り組みたいというのが開業のきっかけの一つです。私自身、病院や福祉施設などを持つ医療法人の理事長を務めていることもあり、施設利用者の皆さんの歯科診療やケアを担うという目的もあります。訪問診療に取り組む歯科クリニックもありますが、治療できる範囲は限られていますし服薬している薬のチェックや全身状態の確認など非常に煩雑になってしまいます。そこを同じ法人にある当クリニックが担うことで、疾患や病状の情報共有が非常にスムーズにでき、ベッドサイドではなく診療室でしっかりとした治療を提供することが可能。結果、施設利用者の方だけではなく、地域住民の皆さんの健康に広く寄与できるのではないかと期待しています。
先生ご自身の専門領域についても教えてください。

福岡歯科大学を卒業し、そのまま福岡歯科大学医科歯科総合病院の歯周病部門に入局しました。歯周病部門とはいっても歯周病の治療だけを行うのではなく、オールマイティーな技術や知識が求められる医局でしたから、補綴治療や義歯、インプラント治療など、幅広い診療に関わることができました。ほかの開業医の先生方と比べれば歯科医師としてのキャリアは浅いかもしれませんが、歯科医師として多くの治療に携わり、濃い時間を過ごしてきたという自負があります。勤務医時代から医療法人の理事長を務め、今回、歯科クリニックの院長として開業したわけですが、その経験も生かし、車いすのまま治療が受けられる広めの診療室を備えるほか、ディスポーザブルの器具を積極的に活用するなど感染症対策にも力を入れています。
土台の歯周病治療に注力し納得感のある診療をめざす
クリニックの理念を教えていただけますか?

根拠ある治療を一番に心がけて診療にあたるようにしています。それは虫歯治療のセオリーはこう、根管治療の流れはこうと、手法を守ることに注目するのではなく、なぜそういうステップを踏まなければならないのか、なぜこの器具が必要なのかなど治療の根拠を自分がしっかりと理解するところがスタートラインだと思っています。その上で患者さんに丁寧に伝え、納得してもらって初めて治療ができるというのが私の考え。よくおしゃべり好きな先生と言われることがあるんですが、患者さんの人となりを理解しなければ納得感のある治療にはつながりませんし、何より距離が縮まることで言えなかった悩みや相談が出てくるものだと思っていますから。
クリニックの診療の強みである歯周病治療のポイントについてもお聞かせください。
専門的に取り組んできたこともあり、歯周病治療は一つの強みだと考えています。患者さん目線に立つと、歯周病治療はゴールが見えにくいもの。例えば歯石取りなどで定期的に通うだけだと、いつ治療が終わるのかわかりませんし、何より治療に対するモチベーションが低下してしまいます。通院しなくなってしまうとまた歯周病が悪化するなど負のサイクルに陥りますから、一番のポイントは歯周病治療は歯科医師や歯科衛生士と患者さん自身が一緒に取り組んでいくものであると理解いただくことでしょうか。歯周病治療はすべての歯科治療の土台。ぬかるんだ土地にどれだけ豪邸を建てても長持ちしないように、まずは土台を支えるために歯周病の治療が重要になります。歯周病に関しては歯石取りなどの初期治療に加え、歯周外科治療、骨の再生療法にも対応しています。
ということは予防面にも力を入れていらっしゃるのでしょうか?

そうですね。予防の重要性はまだまだ皆さんに認知されていないところではありますから、それを患者さんたちに伝えていくというのは時間がかかることだと思います。予防の第一歩は、自分のお口の中の状況を知ってもらうこと。そのため希望された患者さんには1冊ずつ冊子を作ってプレゼントしています。そこにエックス線検査の写真や歯周病検査の結果、歯磨きで苦手な部分などの情報を書き込み、診療のたびに更新して予防に対するモチベーションアップにつなげています。セルフケアに関しても基本的に歯科以外で習うことはありませんよね。ですから一人ひとりのお口の状態に適した磨き方を指導するようにしています。
患者目線の診療で歯科診療をもっと気軽に
施設利用者の方をはじめ、有病者の診療対応も特徴の一つですね。

そういった患者さんの中には診療台に移動することも難しいという方がいらっしゃいますので、車いすに座った状態でエックス線やCTが撮影できるように機器をそろえていますし、なるべく車いすのまま診療できるように工夫しています。また施設利用者の方にはパーキンソン病の患者さんが多く、薬が切れてしまうと体の不随意運動が生じてしまいます。ですから服薬状況などをしっかりと把握した上で治療を行うことが重要なんです。また認知症の患者さんに対しては治療内容などを記録としてお渡しするようにしています。もちろん施設利用者の方だけではなく、地域の有病者の方の診療についても積極的に取り組んでいきたいと思っています。
患者さんと向き合う際に大切にしていることはありますか?
当たり前のことですが、「患者さんと目線を合わせ、相手が理解しやすいようゆっくりとお話をすること」を大切にしています。こちらが一方的に説明をして満足することがないよう配慮していますし、なるべく疑問や質問に思っていることを話していただけるよう、こちら側からお声かけをしています。また、前述のとおり、当院には車いすを使用されている患者さまも多いです。車いすに乗っている患者さんは通常の患者さんよりも目線が低くなるので、私も屈んで話すように気をつけています。歯科治療は歯科医師ばかりが頑張ってもうまくいきません。患者さんと同じ目標に向かって歩んでいけるよう、まずは1人ひとりの患者さんに、真摯な対応をしていきたいと思っています。
最後に今後の展望や読者の方にメッセージをお願いします。

今後は、通ってくださる患者さんと信頼関係を構築していきながらも、専門である歯周病治療の必要性や、予防の重要性を伝えていきたいと考えています。その行為が地域の健康寿命の延伸の一助になれたら、非常に喜ばしく感じますね。また、この地域は私が生まれ育った場所ですから、もっと歯科クリニックは気軽に行って良いところだと感じてもらえるような親しみやすいクリニックにしていきたいですね。どのような相談でも大丈夫ですので、少しでもお口の悩みを抱えているようであれば、ぜひ来院されてください。スタッフ一同お待ちしております。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円~
※個人個人の症状や症例によって価格は変動いたします