竹村 哲 院長の独自取材記事
竹村医院
(吹田市/千里丘駅)
最終更新日:2023/12/11
周りを緑と住宅地に囲まれた吹田市山田南にある「竹村医院」。院長を務めるのは竹村哲先生。長年、消化器外科を専門として、胃がんや大腸がん、ヘルニア、痔の治療などを行ってきたが、幼少期から育った地元での医療貢献をめざして前身である「向井診療所」を継承。2023年4月に名称を改め開業し、2023年8月末には改装を終えてリニューアルオープン。「今後は内科診療だけでなく、得意とする外科処置や痔の治療、術後患者のフォローなどでも尽力したい」と話す。以前から勤めるベテランスタッフとともに地域の人々へこれまでと変わらない安心を届けたいという竹村院長に、同院での診療や今後の展望など詳しく話を聞いた。
(取材日2023年6月16日)
40年以上続くクリニックを継承し、リニューアル開業
こちらのクリニックは、2023年4月にご継承されたそうですね。
この場所で40年以上にわたって診療されていた「向井診療所」を継承させていただき、2023年4月に「竹村医院」と改めて開業いたしました。前院長の向井先生とは、たまたま良いご縁に恵まれ、引き合わせていただきました。診療所だけでなく、患者さんのカルテ、スタッフ、診療機器もそのまま継承させていただいていますので、患者さんには安心して引き続き通っていただけますし、新しい患者さんも気兼ねなくご相談にお越しいただければと思っています。前院長は地域の人に親しまれ、多くの方が「ここに来れば大丈夫」とおっしゃるほど、頼りにされてきた方です。どのような症状も幅広く診療されてきて、私もそういった診療所を引き継いだわけですから、できるだけどのようなお悩みにも耳を傾け、できる限りお応えできるようにと考えています。
どのような病気を診療されていますか?
高血圧症、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、風邪、インフルエンザなど内科一般について診察しています。以前から通院されている患者さんは高齢の方が多いので、生活習慣病のような慢性疾患に対するお悩みが中心です。また、私はこれまで30年間消化器外科を診察してきましたから、腹痛、胃痛、吐き気、下痢、便秘、痔など、おなかやお尻のお悩みも幅広く診療していきたいと思っています。当院では、マッサージのほか、首や腰の牽引、低周波治療、マイクロ波による温熱療法、バイクによる筋力トレーニングも受けていただけます。また、引き続き柔道整復師さんにも来ていただいています。
これまでのご経験をどのように生かしたいとお考えですか?
例えば、ご高齢になると消化機能は落ちて、運動量も減ってくるので、便秘になりやすくなります。便秘薬を常用されている高齢者は多くいますが、同じ薬ばかり使っていると、効き目が悪くなって、薬の量を増やすしかなくなってきます。薬の量を増やすと、副作用の心配やさらに効き目は悪くなりますから、注意が必要です。消化器外科で勤務している時には、長年常用している人の腸の中が、黒く色素沈着して動きが悪くなっているのをたくさん診てきました。ですが、最近は新しい便秘薬が出てきていて種類も増えました。しかし、今でも昔ながらのお薬を使っている人が多いのが現状です。診察の際には、医師ならではの新しい情報もしっかりとお伝えしていきたいですね。
術後の管理やフォローなど、気兼ねなく相談してほしい
ほかに、どのような診療に力を入れていきたいですか?
例えば、大腸がんや胃がん、痔など、手術後の患者さんのフォローは、まさに得意としてきた分野ですから、何でもご相談いただければと思います。一般的に、がんの手術後の経過観察は3ヵ月に1回程度です。ですが、術後はあれこれ気になるものです。例えば、大腸がんであれば、食事量の減少や消化吸収の障害はほとんどありませんが、排便には少なからず影響があります。「スッキリ出ない、便漏れがある、でもこのくらいで相談に行っていいの?」「長時間待つのが苦痛」と思って諦めてしまい、術後に生活の質が落ちてしまう人は少なくありません。そういったことも、身近なクリニックであれば、何日も前から予約する必要はありませんし、遠くまで出向く必要もありません。ほかにも、「運動しろっていわれたけど、どの程度?」「食事の量ってどのくらいが適量?」といったことも気軽に相談して、かかりつけ医として便利に利用してもらえたらと思っています。
患者さんと接する際に、大切にしていることは何ですか?
患者さんに病状を説明する時には、難しい言葉を使わずになるべくわかりやすい説明を心がけています。ですが、周辺地域の患者さんたちは、医療IQが高いようで、すでにさまざまな知識を持っている方もいらっしゃいます。そういった方には、あまりにも簡単にお話をすると、かえって患者さんの病状が伝わりにくくなることもあります。「この方が知りたい情報はどこまでなのか」といったところを見極めて、お一人お一人がしっかりと納得して治療に取り組めるようお話することを心がけています。
ところで、なぜ医師になられたのですか?
祖父も父も医師だったので、幼い頃からそうなるのが自然だと思ってきました。消化器外科を専門としたのも、父が同じ大学の同じ専攻だったことが影響しています。父の実家には「鬼手仏心」と大きく書かれた書が飾ってあります。「鬼手仏心」とは、「鬼のような手で仏の心を持って人を治す」という外科医師に当てはめた言葉です。仏心は内科の診療にも当てはまると思います。内科を診療するようになった今も、患者さんには優しさと思いやりを持って接するという気持ちに変わりはありません。末永く寄り添った診療をめざしたいと思っています。
スタッフと力を合わせ変わらない安心と安全を届けたい
2023年8月に改装されたそうですね。
クリニックのリニューアルでは、患者さんが安心安全に過ごせるように環境を整えていきたいと思っていました。そこで、発熱者の外来専用の待合室を作って、そこで診察から会計までできるようにするほか、簡易な手術が行える処置室を設置し、痔の治療、イボの切除、たまった膿を取り出す切開排膿など外科的治療も行えるようにしました。また、エコー検査器、デジタルエックス線、電子カルテシステム、血液検査機器など新しい機器も徐々に導入を始めています。段差をなくしてバリアフリー設計にすることや、自動精算機を導入して一部キャッシュレス化にすることも考えていますので、患者さんの利便性も向上すると思います。
スタッフの方には助けられることも多いそうですね。
開業して間もない中でも、これまでと変わらず診療できているのは、スタッフのおかげですね。カルテには書かれていない患者さんの情報も広く把握してくれていますから、ほかにどんな病気があって、どこの病院にかかっているとか、ご家族は何人いて同居しているとか、スタッフが教えてくれる情報から生活背景に沿った治療提案が行えるので非常に助かっていますね。それだけ頑張ってくれているスタッフですから、今後はより働きやすい職場に変えていきたいです。そして、これからも一緒に地域の皆さんの健康を支えていけたらと思います。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
どのような疾患も、まずは診療させていただくことが、かかりつけ医の役割です。ですが、当院では難しい検査も治療もあるかもしれません。そんな時、適切に診断して専門とする先生のところへご紹介することも私たちの仕事だと思っています。そのような場合に備えて、当院では総合病院だけでなく、近くのクリニックとも連携を高めるよう努めています。8月にはリニューアルを行い、より快適に過ごして頂けるようになりましたので、ぜひお気軽にご来院ください。かかりつけ医として、地域の健康に寄与できるよう、まい進していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。