森 紘一郎 院長の独自取材記事
みのりデンタルクリニック
(福岡市南区/大橋駅)
最終更新日:2025/08/26
「皆さんにとって、歯の便利屋でありたい」と話すのは、大橋駅から徒歩2分にある「みのりデンタルクリニック」の森紘一郎(こういちろう)院長。口腔外科出身の森院長は、全身疾患や持病のある患者の治療に精通し、高齢者や障害のある人でも安心して治療を受けられる歯科医院をめざしている。患者とのコミュニケーションを何よりも重視し、先進機器を用いて口の状態を詳しく把握した上、可能な治療を複数のパターンに分けて説明し、患者の希望にじっくり耳を傾ける。また患者のニーズに合わせてホワイトニングや矯正、インプラント治療まで対応。「その時その患者さんが望む治療を提供したい」と優しい口調で語る森院長に、現在の患者層や診療方針、今後の展望などを聞いた。
(取材日2025年7月22日)
患者のニーズに応じて発展し続ける地域密着の歯科医院
開業の経緯から現在の診療方針まで、先生の歯科医師としての歩みを教えてください。

この場所は、以前の先生から引き継ぐ形で選びました。アクセスが良く、住民の多い地域での開業を希望していたため条件が合致しました。両親も歯科医師で、物心ついた時から歯科医師を身近に感じながら育ちました。大学では口腔がんによる患者さんの死を防ぎたいと強く思うようになり、全身の管理を学ぶため口腔外科の道を選択しました。その後、佐賀県と大分県の歯科医院で一般診療や往診を経験し、特に障害者歯科にも携わってきました。当院では歯が生え始めた赤ちゃんから高齢者まで、また知的障害や身体障害のある方も含めて年齢や状況を問わず診察したいと考えています。
開業3年目を迎えて、患者層やニーズに変化はありますか。
開業当初は高齢の方が中心でしたが、最近は20代や30代の働き盛りの世代も増えてきました。治療内容も患者さんのニーズに応じて幅が広がり、ホワイトニングや矯正を導入しました。今月からはインプラント治療も開始しています。実は開業当初、他院で行ったインプラント治療のトラブル相談が多かったんです。大学時代にインプラント除去手術の経験もあったため、患者さんの要望にお応えする形で導入を決めました。現在は治療よりもメンテナンスで来院される患者さんの方が多く、予防を重視したクリニック運営ができています。
メンテナンスで来院される患者さんが多いとのことですが、どのような取り組みをされていますか。

当院では歯科衛生士が患者さんのモチベーション向上に熱心に取り組んでいます。スピードよりもじっくり時間をかけて歯磨きの仕方をトレーニングし、患者さんと一緒に口腔ケアを学んでいくスタイルです。最初は汚れが残っていても、2回目、3回目と続けることで、磨き残しを減らすことをめざします。重要なのは、歯をきれいにするために私たちが介入するのではなく、患者さん自身が「自分でもきれいにできるんだ」と実感することです。自分で管理できているという自信がつくと、気分も上がり継続につながります。スタッフにはポジティブな雰囲気づくりを心がけるようお願いしています。
全身の管理に注しつつ患者の希望に沿った治療を提案
クリニックの特徴や強みを教えてください。

私は口腔外科の出身ですので、全身疾患や持病がある患者さんに適切な治療を行えるのが強みです。全身の管理を大切にしていて、容体が急変したり心臓が悪くなったりした時のためのAEDやパルスオキシメーター、笑気麻酔も用意していますので、安心して治療を受けていただきたいです。その他、全身疾患との関わりが深い歯周病やがんの対応も行っています。例えば歯周病は、糖尿病と深く関係していることがわかっています。専門的に診察しながら、必要であれば医科の先生と連携し、症状を深刻化させないための治療方法を一緒に探すこともできます。がんや粘膜の疾患については、これまでさまざまな症例の治療経験がありますので、早期発見につなげられると考えています。仮にがんが見つかった場合には、近隣の病院での精密検査を手配するなど、素早い対応が可能です。
治療にあたって、カウンセリングに力を入れているそうですね。
歯科医院でゴールが見えないまま治療が始まり、ただ言われた通り治療する、という経験がある方もいるでしょう。期間や費用、他の歯への影響がわからずに不安を感じ、それがきっかけで歯科恐怖症になってしまうケースもあります。私たちは「一人ひとりを大切にした治療」をテーマに、患者さんとしっかりゴールを共有し、一度治療したらできるだけ再治療しなくていいよう力を尽くしています。そのためには、患者さんの状態や希望を把握する必要があります。まずは口腔内写真やエックス線撮影、虫歯や歯周病のチェックなどで口の状態を調べます。検査後は、写真やイラストを用いて治療が必要な箇所やリスクの高い箇所について説明し、患者さんの要望を聞きながら治療計画を提案します。説明の時間は30分ほどで、必ず治療とは別に時間を取って話し合うようにしています。最近では患者さんからのご要望もあり、インプラント治療も選択肢の一つとして加わりました。
患者さんの希望を重視しているんですね。

患者さんにもそれぞれ生活のペースがあるので、仕事が忙しかったりお祝い事が控えていたりする場合には、必要最低限の治療を勧めることもあります。ただ、痛みだけを取っても悪い部分がなくなるわけではないので、長く歯を維持するためにはどのような方法があるのかを何パターンか伝えて、時間のある時に受診してもらえるよう働きかけています。治療方法については、必ずいくつかの選択肢を用意しています。大きく分けて、再治療を防ぐために考え得る最善の治療、「ここまですれば安心」というところをめざす治療、最低限の治療の3つです。カウンセリングの時にすべて患者さんに説明し、希望するものを選んでもらっています。しっかりと治療することは大切ですが、歯は一生ケアを続けていかなければならないので無理をせずに、治療に対するモチベーションの低下や通院をやめてしまうのを防ぎたいという思いですね。
めざすのは、いつでも気軽に頼ってもらえる存在
患者さんと接する際、大切にしていることは何ですか。

コミュニケーションを密に行うように心がけています。私のことはあまり先生と思わずに、歯のこと以外でも何でも話してもらいたいですね。不安や疑問があれば私に直接、もしくは女性ならではのお悩みなどの場合にはスタッフに伝えてもらえたらと思います。患者さんが緊張していると、治療の時に痛みを強く感じてしまうこともあるため、コミュニケーションを通じてリラックスしてもらい、負担を少しでも減らせたらと考えています。患者さんについてよく理解するため、スタッフ間のコミュニケーションも大切にしており、明るくしっかりしたスタッフに私自身助けられています。私はもともと困っている人を放っておけない性格で、患者さんの潜在的なお悩みにも気づけるよう、じっくりお話を伺うことを心がけています。
今後の展望について教えてください。
当初の目的から変わらず、患者さんのニーズに応じて発展させていく方針です。おかげさまで、地域の皆さんに信頼していただける基盤ができたと感じています。今後は本格的な矯正の導入を検討しています。現在は必要な場合、矯正専門の歯科医師に紹介していますが、長期間患者さんとお付き合いしていると、やはり当院でも対応したいという気持ちが強くなってきました。またこれまでの経験を生かし、全身疾患のある方や障害をお持ちの方にも、より安心して治療を受けていただける環境づくりを進めていきたいと思います。大橋という住宅地の特性を生かし、ファミリー層から高齢者まで通っていただける歯科医院として、地域医療に貢献していくことが目標です。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

私は口腔外科出身の歯科医師ですが、なるべく歯を抜かずに、一本でも多く健康な歯を残したいという思いで治療に臨んでいます。患者さんには、当院を歯が悪くなってから来る場所ではなく、悪くならないように来る場所だと思っていただけたらうれしいですね。「こんな状態になって怒られる」と心配される方がいらっしゃいますが、その日来てもらったのが最善のタイミングだと考えており、責任を感じるのではなく「なったものは仕方がない」という気持ちで気楽に治療に取り組んでいただきたいと思います。この土地で皆さんの歯の便利屋になれるよう、困っているときはいつでも頼ってもらえる親しみやすい歯科医院をめざしていますので、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホームホワイトニング/3万3000円、オフィスホワイトニング/2万2000円、歯列矯正/片顎1回3万円~、インプラント治療/40万円~

