グンデゥズ メーメット 院長の独自取材記事
千葉ニュータウン駅前耳鼻咽喉科クリニック
(印西市/千葉ニュータウン中央駅)
最終更新日:2023/06/15
千葉ニュータウン中央駅北口ロータリーのすぐ目の前、ショッピングフロアを併設したメディカルモールの一角にある「千葉ニュータウン駅前耳鼻咽喉科クリニック」を訪ねた。診療にあたるのは、トルコ出身のグンデゥズ・メーメット院長。トルコ、日本、アメリカ3ヵ国の大学病院などで難聴の患者に対する人工内耳手術、頭頸部がんや甲状腺がんの手術などについて学んだ経験がある。同院では、中耳炎やアレルギー性鼻炎など一般的な耳鼻科疾患に加え、耳鼻咽喉科専用CTや超音波検査機器などを駆使した精密検査、小手術にも幅広く対応。総合病院にも匹敵するハイレベルな診療を手がけるグンデゥズ院長に、開業の経緯や得意とする診療、めざすクリニック像などについて、インタビューで詳しく聞いた。
(取材日2023年5月23日)
地域の中で総合病院並みの診療の提供をめざす
この地に開業された経緯から教えていただけますか?
私はトルコの大学病院や国立病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科で研鑽を積み、和歌山県立医科大学、岡山大学などで約30年にわたって、研究や外来診療、手術治療、若手医師の指導などに携わってきました。もともと開業はあまり考えていなかったのですが、長年培った多くの経験を生かし、自分の裁量で自由度の高い形で耳鼻咽喉科の幅広い診療を手がけてみたいと思い、開業を決意しました。医師として通算20年以上を日本で過ごす中で、2008年には家族で日本国籍も取得し、新松戸中央総合病院での勤務を契機に松戸市に自宅を構えました。そうしたご縁が重なり、自宅からも通いやすく、ファミリー層に人気の高い印西市、千葉ニュータウンのエリアに将来性を感じて、この場所に開業しました。
こちらでは総合病院にも匹敵する、ハイレベルな診療をめざしているとか。
当院では風邪症状やアレルギー性鼻炎、中耳炎、めまい、難聴などの診療はもちろん、鼻炎に対するレーザー治療、鼓膜切開や扁桃周囲膿瘍の切除といった小手術、甲状腺や頭頸部腫瘍の細胞診など、全身麻酔を要する手術と入院治療を除く耳鼻咽喉科・頭頸部外科の幅広い診療に対応しています。わかりやすく言うと、首から上、目から下に関することはすべて診るというイメージです。ですから、一般的なかかりつけの耳鼻科クリニックの場合、患者全体に占める子どもの割合が非常に高くなりますが、当院の場合は子どもから成人、ご高齢の方まですべての年代の患者さんが偏りなく来院されます。補聴器の外来もやっているので、70~80代の患者さんも多いですね。
院内の検査設備の充実ぶりにも驚きました。
耳鼻咽喉科専用のCTを備えているほか、超音波検査装置、粘膜の早期変化も見分けられる鼻腔・咽頭・口頭内視鏡、硬性鏡なども駆使して、副鼻腔炎や中耳炎、唾液腺の中などにできる結石である唾石症など、耳・鼻・喉に関わるさまざまな精密検査を行っています。MRIに関しては院内に設置していないものの、提携先である印西総合病院に撮影を依頼して、当院で評価することも可能です。総合病院は待ち時間が長いなど、何かと受診のハードルが高いものですが、当院であれば総合病院で行う多くの検査や治療、処置までをコンパクトな院内で完結させることができます。もちろん、入院治療やより高度な治療が必要となった場合には、日本医科大学千葉北総病院、国際医療福祉大学成田病院、成田赤十字病院、柏市の国立がん研究センター東病院などに速やかに紹介しますのでご安心ください。
頭頸部がんなどの手術を数多く手がけ、後進の指導も
ところで、先生がドクターになられたきっかけは?
私はトルコの小さな町に生まれ育ったのですが、幼い頃から学ぶことがとても楽しく、勉強が好きな子どもだったんです。両親からも将来は多くの人の役に立つ医師になってもらいたいと期待されていました。そうした思いにも背中を押されて、トルコのハジェッテペ大学医学部に進学し、医師への道を歩み始めたわけですが、幸いなことにこれまでに医師をめざしたことを後悔したことは一度もありません。医療は日々進化し続けていますから、研鑽に終わりはありませんが、恩師や同僚、患者さんたちとの多くの出会いの中で、今もって学び続けられるのは本当にありがたいこと。私自身、常にポジティブで楽観的なので、この性格も医師に向いていたのかもしれませんね。
日本とのご縁についても聞かせてください。
最初の来日のきっかけは本当に偶然だったんです。留学する同期が多かった中、友人に誘われて日本政府の国費研究生に応募して合格したのが始まりでした。日本語はまったくゼロからのスタート。半年間語学を学んで和歌山県立医科大学に1年、その後岡山大学の大学院に進んだことをきっかけに、研究だけにとどまらず日本の臨床現場に立ちたいと、日本の医師免許を取得しました。思い返せば大変な道のりでしたが、応援してくれた家族には本当に感謝しています。歯科医師の妻も、来日後に私と同じ岡山大学で博士課程を修了したんですよ。夫婦ともに日本の環境をとても気に入り、3人の息子たちもこれまでの人生の大部分を日本で過ごしていることになりますね。
耳鼻咽喉科の中でも特に注力されてきた分野は?
今まで、耳であれば人工内耳を埋め込む手術や、慢性中耳炎に対する鼓室形成術、鼻の内視鏡下手術のほか、アデノイドや扁桃摘出、口腔腫瘍、甲状腺疾患や腫瘍など数多くの手術を手がけました。そうした経験を買われ、ここ数年は和歌山県立医科大学や、直近で勤務していた新松戸総合病院などで、若手医師の指導役も担ってきました。一方で、研究にも注力していましたから、2つのがん抑制遺伝子の構造についてなど、多くの論文も発表しました。
コミュニケーションを大切に、質の高い医療を届けたい
近年は、花粉症などアレルギー症状に悩む患者さんが増えていますね。
アレルギー性鼻炎は3歳くらいの低年齢から発症しますが、たとえ季節性のものであったとしても、幼いうちから長く症状に悩まされるのはつらいこと。当院にも、花粉症の治療で来院される方は子どもからご高齢の方まで大勢いらっしゃいます。一般的な治療法である内服薬の服用以外にも、最近はアレルゲン物質を少しずつ体内に取り込む舌下免疫療法や、鼻レーザー焼灼術なども登場し、それぞれかなり認知度が高まってきました。どちらも日帰りで手軽に取り組める有用な治療ですので、つらい症状に悩まれている方は積極的に検討してみることをお勧めします。
お忙しい毎日だと思いますが、休日などはどのように過ごされていますか?
休日はよく妻とショッピングに出かけますね。自宅の庭のプランターでイチゴやビワ、レモンを育てているので、家にいるときはその手入れをすることも休日の日課の一つになっています。3人の息子たちも成長し、それぞれに自分の進みたい道に向かって努力を続けていますから、この先どんな人生を歩んでいくのか、親としてとても楽しみに見守っているところです。
最後に今後の抱負と、読者に向けてメッセージを一言お願いします。
大学病院にも引けを取らない検査設備をそろえ、適切な診断とわかりやすい説明のもと、患者さんが安心して通院できる環境を整えました。コミュ二ケーションを大切にし、患者さんに「ここに来て良かった」と思っていただけるようなクリニックになれたらいいですね。この地域で多くの患者さんに信頼され、頼られる存在になれるよう、耳鼻咽喉科と頭頸部外科の領域で必要な治療をお届けするとともに、患者さんの健康を守る質の高い医療サービスを提供していきたいと思います。