松下 昌直 院長の独自取材記事
ふくろう内科・内視鏡クリニック新宿高田馬場
(新宿区/高田馬場駅)
最終更新日:2025/09/10
JR山手線・高田馬場駅の早稲田口から徒歩約5分、ビルが立ち並ぶにぎやかな街中の一画にある「ふくろう内科・内視鏡クリニック新宿高田馬場」。新宿区内で長く、医療や社会福祉事業を提供してきた「西落合診療所」を前身として、2022年に院長の松下昌直先生が開院した。松下院長は、聖母病院の消化器内視鏡内科で部長を務めた経験もある消化器内科の専門家で、特に肝臓疾患に精通している。専門的な治療だけでなく、風邪症状や胃痛など胃腸の症状の他、生活習慣病や動悸・息切れなど、体の健康や病気の悩みへ総合的に対応する。「何でも気軽に相談できる地域のかかりつけ医でありたい」と、やわらかな口調で語る松下院長に、クリニックの理念であるプライマリケアや、今後の展望についてじっくり話を聞いた。
(取材日2025年7月25日)
体のことなら何でも相談できるかかりつけ医に
クリニックの理念や診療方針を教えてください。

当院ではプライマリケアを診療方針に、患者さんにとって身近で、健康や病気など体のことなら何でも相談に乗る総合的な医療の提供を理念にしています。風邪やインフルエンザなどの疾患から消化器疾患など専門的なものまで、内科の疾患ならどのような症状でも診療することを第一に考えています。「寄り添い、ともに歩む医療」をモットーに、患者さんが体のトラブルで困ったときに最初に相談できる、身近なかかりつけ医になるのが目標です。
内科疾患の悩みなら、どのような相談でもしていいのでしょうか?
はい。どれほど些細な症状でも診る、という気持ちで開業しました。一応当院は内科なので、内科的症状のある場合に受診していただくのが基本です。しかし意外と、「腰が痛い」「手が痛い」など内科以外の症状で受診される方もいらっしゃいます。「ちょっとそれはうちでは対応できない」なんてケースもあるのですが、その患者さんとしては内科的な問題なのか別の診療領域なのか、わからないこともあるのでしょう。内科ではないかもしれないけれど、内科的な疾患だったら嫌だ、怖いと思っている方も結構多い印象です。そのような方の不安に寄り添うためにも受診の間口を広げて、内科的な疾患かわからない場合でも相談できる雰囲気づくりを大切にしています。
実際に受診する患者さんの年齢層や主訴に特徴はありますか?

一般的な内科は高齢の患者さんがメインのイメージですが、当院は大学などが立ち並ぶ地域ということもあり、若い世代の方がよく受診されます。特に20~30代の社会人の方が多い印象です。若い方は風邪や腹痛など、一般的によくある症状の場合が多いですね。また内科は高血圧症や糖尿病など生活習慣病で受診される方が多いので、他の診療科よりも年齢層は高い傾向にあります。当院に通われている生活習慣病の患者さんも40~50代と、比較的若い方が多いでしょうか。近隣の方だけでなく、この地域でお仕事をされている方も通院されています。
幅広い疾患に対応されている中でも、得意な治療を教えてください。
やはり医師になった当初から診療を行ってきた、消化器内科疾患の治療が得意ですね。消化器内科の中でも、急性肝炎や慢性肝炎などの肝臓疾患が専門です。肝臓の症状で来院される方は、健康診断や他のクリニックで肝臓検査の値が高いと指摘されたケースがほとんどです。肝臓疾患は初期症状を自覚するのが難しいため、定期的に健診を受けるのが非常に重要です。一昔前は、B型肝炎やC型肝炎が主たる治療でした。最近は肝炎の患者さんは減少傾向にあり、代わりに飲酒などの生活習慣が肝臓のトラブルを引き起こしてしまった方の割合が増えています。肝臓は糖尿病やコレステロールなど生活習慣病の影響を受ける臓器なので、生活習慣病をお持ちの方は特に気をつけてほしいです。当院は内科疾患なら総合的に対応しているので、生活習慣病と肝臓疾患両方の管理をしながら、適切な治療を提案していきます。
優しい内視鏡検査で、患者の不安に寄り添う
苦しくない内視鏡検査を提供するため、装置にこだわりがあるとお聞きしました。

内視鏡検査に使用する装置は、鼻から入れられる細径の内視鏡を導入しました。胃腸の内視鏡検査は口よりも鼻から入れるほうが嘔吐感が少なくて楽とされる傾向にありますが、口から検査する場合も鼻と同じで、細い内視鏡が咽頭反射の軽減に役立ちます。性能にこだわった装置で画質も良く、小さな異変も見逃しにくい物を選びました。装置だけでなく、患者さんが安心して検査を受けられるよう、緊張感を和らげる声かけを大切にしています。緊張していると苦しくなってしまうので、診察室に入った段階から恐怖や不安を少しでも減らせるように意識しています。私だけでなく看護師も優しい対応を心がけていますので、内視鏡検査に抵抗がある方も安心して受診してください。
内科を選んだきっかけや、これまでのご経歴をお聞かせください。
父が医師で、医師の仕事を勧められたのがきっかけです。内科を選んだのは、医師として働くための基礎を身につける上で、まずは総合的に人の体を診られるようになることが大切だと考えたから。消化器内科の先生や患者さんと接する機会が多く、私自身も消化器疾患に興味を持つようになり、大学院ではC型肝炎の研究をメインに行いました。開業するまでは大学病院や関連の医療機関で勤めていて、主に消化器内科で診療していました。その頃、父が経営していた「西落合診療所」の所長を兼任していたのですが、父が他界したため閉院することになったんです。そこで、長く新宿区内で医療や社会福祉事業を通じて地域社会に貢献していた西落合診療所を前身に、高田馬場で新たなクリニックを開院することにしました。
先生ならではの強みについてお聞かせください。

クリニックを開業するまで、この地域の基幹病院である聖母病院の消化器内視鏡内科で診療をしていました。その頃から他の大規模病院との連携も積極的に行ってきたので、それぞれの医療機関の特色をおおよそ把握していることが強みですね。この病気だったらこの医療機関が適しているといったような判断には自信があります。「気になる体の症状があるけれど、どこに相談したらいいかわからない」という方が、適切な医療を受けるための入り口として利用できる地域のかかりつけ医になるために、今までの経験を生かしていきたいです。
フクロウの住む森のようにリラックスできる空間を意識
グリーンの壁紙が映える、明るく爽やかな雰囲気の院内ですね。

明るくて清潔感のある雰囲気にしたくて、壁紙の色はホワイトをメインにしています。一部にグリーンや木目調の壁紙を取り入れ、クリニックの名前にもあるフクロウが住んでいるような森をイメージしました。待合室の椅子はベージュ、診療室のベッドや椅子はグリーン系でそろえて、森林のような落ち着ける空間づくりを大切にしています。また待合室や診療室の感染症対策にも力を入れていて、換気設備で常時換気を行ったり、炭酸ガスモニターで換気状態を確認したりして、院内感染の防止に努めています。
お忙しい毎日ですが、休日に楽しまれている趣味や健康のために大切にされている習慣などはありますか?
残念ながら、楽しめる趣味がなかなか見つからないんです。休みの日は疲れ果てて寝ていることがほとんどですね。健康のために、寝る時間はできるだけ確保しています。そうはいってもついつい寝不足になりがちなのですが……。寝ないと、体も心もつらくなってしまうので、意識して睡眠を取るようにしています。患者さんにも、「睡眠は大切にしてください」とよく伝えています。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

先ほどもお伝えしたとおり、健康や病気のことなら何でも相談できるクリニックであることを地域の方に知っていただきたいです。より多くの患者さんの力になって、この地域に貢献できればいいなと考えています。当院は風邪や腹痛などちょっとした体調不良から、生活習慣病や肝臓病など専門知識が必要な疾患まで、幅広く診療しています。内科疾患か判断できない症状でも診療しますので、医療機関にかかる入り口として、気軽に受診してください。「いつでもかかれるフクロウクリニック」として、親しんでもらえたらとてもうれしいです。

