門中 貴義 院長の独自取材記事
もん歯科・こども矯正歯科クリニック
(川西市/川西能勢口駅)
最終更新日:2025/08/12

川西の幹線道路沿いに立つ「もん歯科・こども矯正歯科クリニック」は、まるでカフェのような温かみのある空間で患者を迎える。門中貴義院長は口腔外科の専門知識を生かし、守備範囲の広い診療で地域医療に貢献。副院長の門中幸枝先生は小児矯正のエキスパートとして、子どもたちの将来を見据えた診療を提供している。「人の役に立ちたい、困っている人がいたら助けたい」と穏やかに語る門中院長。開業から2年、チーム一丸となって患者ファーストの診療を実践するクリニックには、「先生の顔を見るだけでホッとする」という声が寄せられているという。夫婦二人三脚で築く地域密着型歯科医療の在り方について、貴義院長にじっくりと話を聞いた。
(取材日2025年5月31日)
地元への恩返しの思いを胸に夫婦で開業
開業に至るまでの経緯を教えてください。

明海大学卒業後、朝日大学の口腔インプラント科に入局し、大学院で研究と臨床を学びながら学位を取得しました。その後は非常勤講師として大学に籍を置きつつ、一般歯科でも研鑽を積んできました。開業は実際に当院を開く5年以上前から考えていたのですが、実は開業地選びに時間がかかってしまって。最終的には生まれ育った地元の兵庫県に戻ることになりました。地域医療に貢献することで地元に恩返しができれば、という思いが決め手でしたね。妻も同じ大学の同級生で、小児矯正を専門としています。それぞれの専門性を生かした診療体制で2023年に当院はスタートを切りました。
幅広い診療に取り組まれておられますね。
ええ。医科は眼科や内科など細かく分かれていますが、歯科は矯正などの専門分野こそあるものの、基本的には何でもできなければいけないという意識を持って経験を積んできました。また、いつかは開業したいと考えていたので、オールマイティーに対応できる歯科医師をめざしてきたのです。大学院では口腔外科を専攻し、全身管理についても深く学びました。全身的な疾患についての知識や、多角的な視点からアプローチする方法を身につけられたことは、今の診療にも生きています。視野を広く持ち、いろいろな角度から患者さんの状態を診ることができるのが私の強みだと考えています。
クリニックづくりで特にこだわった点は何ですか?

「いかにも医療機関という感じではなく、誰でも入りやすいカフェのようにする」というのが一番こだわった点ですね。歯医者さんって苦手な方が特に多い場所ですから、できるだけそうした先入観を植えつけないような空間にしました。受付カウンターは車いすの方が座ったまま利用できるように低めに設計し、診療室もゆったりとした空間を確保しています。個室にはキッズスペースも設けています。また、蛍光灯の無機質な感じが怖さを際立たせると思い、間接照明を多く取り入れてやわらかい雰囲気を演出しました。少しでも恐怖心を和らげ、リラックスして治療を受けていただけるよう環境を整えています。
専門性と地域医療連携で幅広い年代の健康を支える
改めて、こちらの診療体制や患者層について教えてください。

私は口腔外科を専門としており、インプラントなども含めて研鑽を積んできました。副院長である妻は小児矯正が専門で、発育や成長を考慮した治療を行っています。2人の専門性を生かし合い、「健康寿命を延ばす入り口」として、将来を見据えた診療を提供していることが当院の特徴ではないかと思います。私と副院長でほぼすべての歯科診療領域をカバーできているので、お子さんの矯正で来院された方のご家族が一般治療を希望されて来るというケースも多いですね。例えば、お孫さんが通っていたところに、そのおじいさん、おばあさんが義歯の相談に来てくださるなど、3世代で通っていただいているケースもあるんですよ。ご家族皆さんを包括的に診られることは、患者さんにとっても大きなメリットになっていると思います。
さまざまな患者さんに対応するために地域医療連携に注力されているそうですね。
ええ。基本的には歯科全般に対応していますが、専門性が高い処置が必要な場合は、連携先である口腔外科のある大きな病院にご紹介することもあります。歯科だけでなく医科との連携も重視しています。高血圧や糖尿病など全身疾患を持つ方は治療の制限があることが多いのですが、そういったときは通院されている医科の先生にお手紙を書いて指示をいただき、こちらで治療を完結できるよう努めています。大学院で全身管理を学んできた経験が生きていますね。「この薬を飲んでいるから」「こういった治療をしているから」と伝えたら、他院を紹介されてそちらに行かなければならなかったという話をよく聞きますが、できるだけ多くの患者さんを当院が受け入れられる包括的な歯科治療をめざしています。
診療において最も大切にしていることは何ですか?

「患者さん第一主義」を徹底することです。当院には歯科恐怖症の方など、さまざまな方が来院されます。せっかく来ていただいたのに当院の対応に良くない点があり、患者さんが治療の機会を失ってしまうようなことは避けたいのです。そのためスタッフも含めて患者さんへの接し方には特に気を配っています。私自身はというと、とにかく丁寧な説明を心がけています。歯科治療は何をされるのかが、わかりづらくなりがちですが、それだと患者さんは不安なもの。今の状況から過去の治療歴、そして今後の治療計画まで、しっかりと説明します。初診はほぼお話で終わるくらいです。コミュニケーションを通じて生活習慣などの情報も得られ、それが治療に生きています。患者さんと信頼関係を築くことが何より大切だと考えています。
温かいチーム医療で地域に安心を届ける
スタッフの皆さんも含めたチーム医療について聞かせてください。

開業当初から在籍しているスタッフが「私たちは患者さんに対する思いやりは地域一番でありたい」と話してくれています。技術だけでなく、患者さんとの対話やコミュニケーション能力が大切だと意識してくれているんですね。実際、明るく温かい声かけをしてくれるスタッフのおかげで、クリニックの雰囲気がとてもいいものになっていると思います。患者さんからは「先生が優しくて会うとホッとする」「介護に疲れていたけれど、他愛もない会話ですごく癒やされる」といった声をいただいています。歯医者さんに来て癒やされるというのは少し珍しいかもしれませんが、そうした言葉を聞くとスタッフ一同本当にうれしくなります。全員で患者さんファーストの精神を共有し、思いやりを形にできているのだと思います。
今後の展望について教えてください。
まだ開業して2年ほどですが、たくさんの方に来ていただいて本当にありがたく思っています。今後は地元のかかりつけとしてしっかり認知してもらい、「お口の中で困ったらとりあえず相談してみるか」と思っていただける存在になりたいですね。そのためにも現在の診療体制をさらに充実させ、地域医療連携も強化していく予定です。また、患者さんのライフステージに合わせた継続的なサポートができるよう、予防歯科にも力を入れていきたいと考えています。一人ひとりの患者さんを大切に、丁寧に向き合っていく。これからも、それが私たちの使命だと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

セカンドオピニオンとしてもお話だけでも構いませんので、本当に気軽にお口の中の悩みを相談できる場所としてご利用ください。長い間歯医者さんに行けなかった方も多くいらっしゃると思いますが、「初めて最後まで治療を頑張れた」「ここだから通えた」と言っていただけたら、それが何よりの励みになります。頑張って通ってくださっている皆さんに、こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです。どんな些細なことでも、「こんなこと聞いたら怒られるかな」と思わずに、躊躇せずに何でも相談してください。「人の役に立ちたい、困っている人がいたら助けたい」という思いで日々診療にあたっています。皆さんが安心して通える、心のよりどころとなるようなクリニックでありたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた小児矯正/38万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。