症状も原因も多様な睡眠障害
悩む前に心療内科で受診を
渋谷365メンタルクリニック
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2024/10/03


- 保険診療
一日の中で大きな割合を占める「睡眠」に関して、悩みを感じている患者は多い。眠りにつきにくい、途中で起きてしまう、日中につい眠気を感じるなど、その主訴はさまざまだ。「渋谷365メンタルクリニック」の森秀和院長によると、これらの原因は大きく2つに分けられ、脳の機能障害によるものと、加齢や個性により生じるものがあるという。心・体・脳を多角的に診ながら眠れない原因を探り、一人ひとりに合わせた治療計画を組み立てている森院長。睡眠薬の依存性に不安を感じる患者も多いが、現代では依存性の極めて少ない「オレキシン受容体拮抗薬」を処方するケースが増えているそうだ。同院では症状に応じて漢方薬や行動療法も取り入れながら、安全に配慮した治療を心がけている。今回は森院長に「睡眠」について話を聞いた。
(取材日2023年5月29日/更新日2024年8月20日)
目次
生活リズムを乱し心身の健康に影響する睡眠障害。生き生きとした日常を取り戻すため心療内科で適切な治療を
- Q睡眠障害とはどのような状態を指すのでしょうか?
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A
▲眠れない、日中眠くなる、眠りが浅いなど睡眠の悩みはさまざま
眠りに関して問題が生じている状態を総称して「睡眠障害」といいます。不眠症や過眠症などいくつかに分類されますが、例えばひと口に「不眠症」と言っても、布団に入ってもなかなか眠りにつけなかったり、途中で目が覚めてしまったり、眠りが浅かったりと、その症状はさまざまです。また「過眠症」とは、日中に強い眠気を感じる症状です。これらは脳の機能障害が原因となるものと、加齢や個性により生じるものがあり、この2つは分けて考えなくてはなりません。加齢や個性の問題でしたら生活指導を取り入れながら改善をめざしますが、脳の神経の問題やほかの病気の影響である場合は、その根本的な問題から治療する必要があります。
- Q睡眠障害がもたらす悪影響について教えてください。
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A
▲睡眠課題を放置しておくことで、家事や仕事、学校生活にも支障が
夜間の睡眠が不十分な状態ですと、疲労感が取れず体力が低下してしまいます。日中に眠気を感じると生産性も低下しますから、家事や仕事にも影響が出てしまいますね。気分がすぐれずにイライラすればメンタルにも影響を及ぼします。そのようなことが続けば人間関係も悪化しかねません。日中に眠いからと昼寝をして夜に眠れなくなり、昼夜逆転の生活をしてしまう方もいらっしゃいますが、やはり夜にぐっすりと寝て朝にすっきりと起きるのが、心身の健康のためには良いのです。当院では西洋薬・漢方薬・行動療法を取り入れながら、正しい生活リズムが身につくようアドバイスをいたします。
- Q睡眠薬に依存性はないのでしょうか?
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A
▲薬は用途や副作用を丁寧に説明。個々に合わせた処方を行う
近年は依存性の少ない「オレキシン受容体拮抗薬」を処方することが増えています。オレキシンとは脳内の伝達物質で、この働きを抑え自然な眠りを促す用途です。また体内の睡眠ホルモンと同じような働きが期待できる「メラトニン受容体作動薬」は、穏やかな作用が期待できてお子さんの治療にも使用されます。1950年代より使われている「ベンゾジアゼピン系」の薬はお酒に似た作用が期待できる薬です。お酒より安全性は高いですが、毎日長期間服用すると、お酒のように止めづらく感じる方もいます。オレキシン受容体拮抗薬では効かない方もいるのでどの薬が合うか飲み方や働きを十分に説明し、心身への負担の少ない処方を心がけています。
- Q心療内科を受診するメリットを教えてください。
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A
▲睡眠の問題に対し症状や生活スタイルに合わせたアプローチを行う
先に挙げたとおり、睡眠障害には脳の機能障害が原因となるものもあり、他の病気があるならば早く治療を始めるべきですし、加齢や個性によるものでも、それを知ることで安心できると思います。睡眠の悩みは何科を受診するべきかわからない、とお困りになる方も多いですが、心療内科を受診する大きなメリットは、症状に合った薬の処方や、生活スタイルに合わせたアドバイスが受けられることです。当院は土曜・祝日も予約可能な、働く方のためのクリニックです。院内では名前ではなく番号でお呼びしますのでご安心ください。一人ひとりの患者さんに合わせた治療法を考えていきます。
- Q良い睡眠を取るために、自宅でもできることはありますか?
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A
▲睡眠課題に二人三脚で取り組む。日常生活の対策も教えてくれる
スムーズに眠りにつくポイントは、適度に疲れていること、おなかがほどほどに満ちていること、体が温まった後に冷えることです。程よく疲れて帰宅し、夕食を取りお風呂に入った後、少し体が冷えた頃がこれにあてはまります。睡眠はスイッチと同じでパチッと切り替えるもの。この3つのポイントをそろえることが大事です。またカフェインは摂取後6時間程度体内に残るので、夜間はコーヒーなどの飲み物を控えましょう。スマートフォンの光も睡眠に影響するので、夜間の使用は目から離したり使用時間に気をつけてください。早寝早起きを心がけ、朝は日光を浴びると良いですね。太陽光を模した光を照射するSADランプを利用する方法もあります。