タイミングを逃さないでほしい
早めに受けよう白内障日帰り手術
錦糸町おおかわ眼科クリニック
(墨田区/錦糸町駅)
最終更新日:2023/05/26


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老化現象の一つである「白内障」は、70代では5人中4人が発症する病気だといわれている。しかし、発症の要因は加齢だけではないと「錦糸町おおかわ眼科クリニック」の大川隆一院長は話す。アトピー性皮膚炎が原因となるアトピー性白内障は20代や30代でも発症することが知られており、糖尿病が原因となる糖尿病性網膜症は40代など比較的早い段階で症状が現れる傾向があるのだそう。病名は知っていても、「そもそも白内障はどんな症状で、どんな治療をするのだろう」と、その詳細まではわからない人も多いのではないだろうか。そこで、眼科専門病院や大学病院で白内障手術および網膜硝子体手術を数多く執刀してきた日本眼科学会眼科専門医の大川院長に、白内障に関する疑問や同院で実施する白内障の日帰り手術の流れについて聞いた。
(取材日2023年4月4日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q白内障とはどのような病気なのでしょうか。
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A
目の中でレンズの役割をしている水晶体が濁り、徐々に視力が低下していく病気で、最も多い原因は加齢だといわれています。その一方で、外傷や先天的なもの、糖尿病、アトピー、薬剤、放射線、その他の目の病気が要因となるケースもあるため、必ずしも高齢者だけが発症する病気ではありません。とはいえ、割合からすると圧倒的に加齢が原因による「加齢性白内障」の患者さんが多いです。代表的な症状としては、物がぼやける、かすんで見える、目が疲れやすい、ピントの合う距離感が変わる、晴れた日の屋外や対向車のライトが今までよりもまぶしく感じるなど。しかし、症状は徐々に進行していくので、どうしても気づくのが遅くなりがちです。
- Qすぐに手術をしたほうが良いのでしょうか。
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A
白内障だからすぐに手術が必要であるというわけではありません。ある一定の目安があり、それを過ぎてしまうとリスクの高い手術になることもありますので、そこを超えないよう、早すぎず、でも遅すぎずといった、日帰り手術が行えるタイミングを見極めることが重要です。視力の低下も手術を選択する一つの指標にはなってくるのですが、生活する上での不便さは人それぞれ異なりますので、中にはまだ手術はしたくないとおっしゃる方も。その場合は、入院での実施や大がかりな手術が必要となる前の段階でご決断いただくようお伝えいたします。日帰りであれば体へのご負担も少ないですから、定期的に受診し目の状態を把握しておくと良いでしょう。
- Q痛みや合併症のリスクなどに不安があります。
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A
日帰り手術に関しては、点眼麻酔だけで済むことが多く、痛みを感じることはほぼありません。片目で約10~15分程度で終わることから、想像以上に楽に感じられるのではないでしょうか。目の手術と聞くと恐怖心を抱きがちですが、事前にしっかりとご説明いたしますので、安心してお任せください。日帰り手術における合併症として、ごくまれに細菌が入り眼内の炎症などが起こることがありますが、当院では術前術後の消毒処置を徹底しておりますので、そこまで心配される必要はありません。しかし、白内障が進み大がかりな手術になると合併症のリスクも高まりますので、日帰り手術ができるタイミングを逃さないよう定期的な受診を心がけましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と検査
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まず、問診票の各項目を記入。その内容をもとに、いつからどのような症状が現れたか、持病の有無、現在服用している薬、家族に目の病気を持っている人がいるかなど、医師によるヒアリングが行われる。各症状に沿った検査が行われるが、基本的には視力検査、目薬で瞳を広げて眼底や水晶体の様子を詳しく観察する散瞳検査(さんどうけんさ)を実施。目の中を精査し、白内障の進行具合と白内障以外の病気がないかを確認する。
- 2検査結果と手術内容の説明
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検査で撮影した画像が大きく映し出されたモニターを見ながら検査結果の説明を受ける。濁りの程度が軽度であれば病状の進行を遅らせるための点眼療法、手術が必要な場合は日帰り手術の説明を受ける。手術は基本的に日帰りで、白濁した水晶体を取り除き、人工眼内レンズに置き換える。かなり病状が進行し大がかりな手術が必要となる場合や、基礎疾患があり入院が必要と判断された場合は、適した医療機関を紹介する場合も。
- 3日帰り手術開始
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事前に感染を防ぐための目薬を点眼し、手術前日は飲酒を控えること。当日の手術は点眼麻酔による局所麻酔下で行われる。黒目のフチを2mm程度切開し、そこに超音波乳化吸引装置を挿入。超音波の振動によって白濁した水晶体を破砕していき、眼内レンズを挿入し、固定後に手術が終了。手術時間は片目で約10~15分程度と、短時間で終わるため体への負担が少なく、この手術で近視や遠視を矯正することが図れるのもメリットだ。
- 4術後の休憩
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術後はリクライニングチェアがあるリカバリースペースで5~10分程度休憩し、特に異常がなければそのまま帰宅できる。当日は眼帯をしているので、足元には十分気をつけて過ごすこと。レンズには近方・遠方のいずれかにピントが合う単焦点眼内レンズと、焦点距離を2つ以上持つ多焦点眼内レンズがあり、その選択によって術後に期待できる見え方がそれぞれ異なる。また乱視を補正する機能ももつ眼内レンズを使用することもある。
- 5経過観察
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術後は傷口が落ち着くまで少なくとも3日ほどは飲酒・喫煙・洗髪は控えること。また、1週間程度、目の圧迫や刺激に注意。白内障手術は傷口を縫合せず、自然に閉じるのを待つため、傷口から細菌感染しないよう、しばらくは点眼液(目薬)を使用する。基本的に目薬は3種類、2ヵ月~3ヵ月程度点眼。その間、定期的な通院で経過観察が行われる。診察では傷口が開いていないか、炎症を起こしていないかなど、主に傷口の状態を確認。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズによる白内障手術/27万円~、 多焦点眼内レンズ/22万円〜※選定療養の追加費用分は3割負担で5万円程度 ※多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は選定療養の対象となっており、手術費用の一部が保険適用となります。詳しくはお問い合わせください。