大川 隆一 院長の独自取材記事
錦糸町おおかわ眼科クリニック
(墨田区/錦糸町駅)
最終更新日:2023/03/07

錦糸町駅すぐ近くのビル3階にあり、通院にも便利な「錦糸町おおかわ眼科クリニック」は、眼科専門病院や大学病院の眼科で経験を積んだ大川隆一院長が診療を担当。保険診療を中心に、一般的な眼科診療から緑内障や糖尿病網膜症のレーザー治療まで幅広く提供している。大川院長は「これまで培った知識・技術を生かすのはもちろん、患者さんが抱える不安な気持ちを忘れず、一人ひとりに寄り添う医療を心がけています」と話す。さまざまな医療機器を備え、先進的な治療までカバーする同院の特徴、患者を大切にする診療方針について大川院長に聞いた。
(取材日2023年2月6日)
これまで培った専門的な知識・技術を地域医療に生かす
こちらを開院されるまでの経緯をお聞かせください。

私は大学時代から眼科志望で、卒業して初期臨床研修を終えた後は、眼科に専念できる環境がいいと思い、関西の眼科専門病院や大学病院の眼科で診療経験を積みました。その後、東京で150年近くの伝統を持つ井上眼科病院に入職したのは、手術や難しい症例をもっと経験したいと思ったからです。期待通り多くの患者さんの治療を担当することができ、さらに同院のグループ施設である西葛西・井上眼科病院に移ってからは、一般的な眼科診療に加え、より専門的な網膜硝子体手術などにも力を入れました。同院では医局長も務めた後、この「錦糸町おおかわ眼科クリニック」を開院したのは、これまでの経験をもとに地域の皆さんに貢献できればと考えたからです。
錦糸町駅近くの立地を選ばれたのはなぜでしょうか?
錦糸町は以前に勤めていた西葛西からも近くて土地勘があったことや、大阪出身の私にもなじみやすい下町文化が根づいている土地柄に惹かれました。それに駅周辺には大きな町が広がり、たくさんの方が暮らされていますから、多様な症状の患者さんに来院いただけ、私が身につけた知識や技術を生かせるとの期待もありました。当院を開院する場所を選ぶときに、特にこだわったのは駅からの距離の近さです。眼科を受診される患者さんは、徒歩での移動に不安を抱えているケースも多いはずで、なるべく駅から離れていないところを探したんです。さまざまな年齢の方がいらっしゃることを想定し、院内は黒と白を基調にしたシックな配色のインテリアを暖色系のやわらかな光で照らし、落ち着いた雰囲気にしています。
こちらのクリニックの診療方針を教えてください。

院内がシックなせいか、自由診療がメインと思われがちなのですが(笑)、実際には保険診療を中心に一般的な眼科診療を多く行っています。加えて前職での経験をもとに、日帰り白内障手術、緑内障や糖尿病網膜症の治療など専門的な領域にも対応するのが特徴です。当院の休診日は木曜と日曜・祝日ですが、日曜日は月数回手術対応もしております。駅近くの立地とあわせて受診しやすいのではないでしょうか。また、患者さんと接するときは、見え方が気になるなど何かご心配があって来院されていることを忘れず、相手の声に真摯に耳を傾けるよう心がけています。目がよく見えなければご不安も大きいでしょうから、会話で互いの考えをキャッチボールをしながら、気持ちに寄り添う診療を心がけています。
レーザーによる緑内障や糖尿病網膜症の治療に対応
白内障手術はどんな人に必要な治療ですか?

白内障は加齢などが原因で、レンズの役割を果たす水晶体が濁った状態になる病気で、物がぼやけて見える、対向車の光をまぶしく感じる、視野が全体的にかすむといった症状や違和感が出てきます。当院では患者さんへの問診に加え、視力や眼底の状態を検査し、水晶体の濁り具合を確認するなどで病状の進み具合を診断していきます。こうした白内障による見え方の変化で日常生活に不便を感じるようなら、水晶体を人工レンズに置き換える白内障手術の実施も考慮します。人工レンズは保険診療の範囲で治療できる単焦点レンズと、治療費の一部が自由診療となる多焦点レンズがあり、単焦点は1ヵ所にピントが合う仕組みなので、ピントが合わない距離は眼鏡を使う必要があります。どちらを選ぶかは患者さんの生活スタイルによると思いますが、一般的な生活をされるのであれば単焦点レンズと眼鏡の組み合わせでも十分ではないでしょうか。
緑内障や糖尿病網膜症の注意点を教えてください。
緑内障は目と脳につなぐ視神経がダメージを受け、放置していると次第に視野が欠け、失明にも至る病気です。眼圧の高さが原因といわれますが、日本人は眼圧が正常値でも緑内障になる方が多く、早期発見のためには定期的に眼科検診を受け、見え方のチェックを継続して行うことが大切です。糖尿病網膜症は眼球の奥にある網膜の血管に糖尿病が要因で異常を来し、見え方に悪影響を与え、視力低下や失明につながるものです。どちらも初期から中期は自覚症状なくゆっくり進行する病気で、見えにくいなどの症状が出たときには回復する術はありません。ただ、病状によっては医療用レーザーでの治療が有用な場合があります。当院ではこれらの病気に対応できるレーザー機器を設置し、院内で治療を行えるのが強みの一つです。
レーザー治療にはどんなメリットがありますか?

レーザーは痛みもほとんどなく、薬だけでは治療が難しい患者さんにも効果が期待できることがメリットでしょう。例えば、緑内障は目薬で眼圧を下げることを図る治療が一般的ですが、次第に薬の量を増やす必要があることも多く、患者さんにとって負担になっています。しかし緑内障の初期にレーザー治療を施すことで、こうした薬の量の増加を防ぐことも期待できます。加えて、薬による治療では効果が乏しい患者さんに対し、眼圧を下げるためのレーザー治療を行うことも望めます。一方、糖尿病網膜症のレーザー治療は、網膜に不要な血管を作らせないことが目的です。これにより重症化して手術が必要になる患者さんを減らすことにつながったり、万一手術になった場合でも手術が容易になる効果が期待できます。
充実した検査・治療機器で地域医療に貢献を
先生が眼科の医師をめざされたきっかけは何でしたか?

小さい頃から生物や化学が得意で、人体のさまざまな部位の名称もよく覚えていました。加えて、人と話すのが好きだったせいか、祖父母だけでなく近所の皆さんにもかわいがられていましたね。そうした人と人とのつながりから人の役に立つ仕事がしたいと思い、自然に医師をめざすようになりました。眼科を意識したのは、高校時代に目を強くぶつけて左目に眼底出血を起こし、1ヵ月ほど左目が使えない状態で過ごしたことがきっかけです。担当された眼科の先生は「回復まで少し時間はかかるが失明することはない」と説明してくれましたが、まだ10代の子どもにとっては不安で、「万一失明したらどうしよう」と日々怯えていたことも覚えています。それだけに出血が治まって見えるようになったときの喜びは大きく、そこから眼科医療に興味を持つようになりました。
院内の設備などの特徴を教えてください。
検査機器では広角の眼底検査と網膜断面の検査が1台でできる検眼装置、自動で視野の範囲や欠落を測定する視野計、角膜内皮細胞を測定する装置などを設置しました。また、診療室には大きく見やすい有機ELディスプレイがあり、検査や治療の結果などを映し出すことで、患者さんにわかりやすく説明するのに役立てています。治療機器では緑、黄色、赤の3色のレーザー光を1台で照射でき、治療目的に応じて使い分けられるレーザー治療器を導入したほか、白内障治療など非常にクリーンな状態で行う必要がある手術のために、外部から雑菌が入らないよう手術室は陽圧換気となっています。
地域にお住まいの方にメッセージをお願いします。

当院は錦糸町や近くにお住まいの方の診療を通して地域医療に貢献し、さらに交通の便の良さを生かして、城東地区全体に専門性の高い眼科医療を提供することをめざしています。これまでは病院で眼科の医師として専門性を磨いてきましたが、個人の眼科クリニックとしてのキャリアはスタートしたばかり。今後は地域の患者さんの医療ニーズに応えながら、さらに成長していきたいと考えています。眼科の病気には初期の自覚症状が乏しいものがあるため、何か違和感があれば早めの受診をお勧めします。そのほうが治療の成果や回復の早さが望めます。また当院で治療が難しいケースはお世話になった西葛西井上眼科病院や御茶ノ水の井上眼科病院、近隣の基幹病院をご紹介し、治療後は当院でフォローするなど地域連携も図っていきます。どうぞ気軽にご来院ください。