林 衆治 院長の独自取材記事
クリニック東京虎ノ門COR
(港区/神谷町駅)
最終更新日:2024/12/25

東京メトロ日比谷線の神谷町駅から徒歩3分。グローバルな新天地にある「クリニック東京虎ノ門COR」は、大学などで診療や研究を続けるドクターたちが、その成果を生かしながら診療するクリニックだ。整形外科・内科・形成外科に対応しており、各分野のスペシャリストとともに先端的治療を提供する。本院クリニック名古屋ちくさヒルズは、名古屋市内の中心千種区にある。「QOLを高める医療を提供し、治療を受けた患者さまに満足していただきたいと考えています」と林衆治院長は語る。「学術的成果を広く社会に還元し、患者さまに満足してほしい」という思いや、実際の診療内容について、林院長から詳しく聞いた。
(取材日2024年7月11日)
先端的な研究成果を社会へ還元したい
先生は研究に注力されてきたそうですね。これまでの経緯を教えてください。

子どもの頃は心臓に疾患があったんです。病院に通う機会も多く、医師という職業が身近な憧れになり、自然と医学の道を志すようになりました。兵庫県の中高一貫校の出身で、名古屋大学医学部で学び、米国ピッツバーグ大学への留学後、大学病院で研究と臨床に邁進してきました。中学時代からテニスに夢中になり、今も続けています。専門領域は消化器外科および臓器移植なのですが、日本では臓器の提供者が少なく、その課題を乗り越えるべく、再生医療の分野の研究を重ねてきました。再生医療というと、山中伸弥教授がノーベル賞を受賞された、iPS細胞が有名ですよね。iPS細胞は何にでも分化させることが望めるのですが、治療に導入するにはまだ技術的な難しさがあります。一方、私は組織や臓器に内在する幹細胞について研究してきました。万能性はないものの、自分の細胞を活用することは、比較的技術導入しやすいのではと考え研究を続けてきました。
ご自身で開業されたきっかけは?
研究を重ねていく中で、一般診療へ成果のフィードバックが不十分だと感じるようになりました。そこで2012年に名古屋にクリニック名古屋ちくさヒルズを開業し、自らの研究の成果を、もっと積極的に患者さまと社会へフィードバックしようと考えたのです。もちろん研究成果を実際の診療に生かすにあたっては、さまざまな技術的な挑戦も必要でした。諦めず時間をかけ、無事開業。ここでの経験を生かして、2022年にはクリニック東京虎ノ門CORの開業に至ったのです。
クリニックの診療分野や特色を教えてください。

新たな知見を活用した医療を提供するために、たくさんのスペシャリストに参画いただいています。私を除いて整形外科の医師8人と、内科と形成外科の医師が在籍しており、それぞれの専門分野を担当しています。膝、肩、腰、脊椎、股関節や手など、さまざまな部位の専門家がおり、加齢による痛みや違和感はもちろん、スポーツ外傷、リウマチ、骨粗しょう症など、幅広い整形外科や形成外科的な症状に対応しています。私は、外科分野の専門を生かし、肝硬変や脳梗塞、自己免疫疾患などの患者さまにも治療をしています。
関節の痛みやケガ、手術の後遺症の相談も
整形外科領域で多い悩みはありますか。

高齢化が進む今日では、加齢によって腰や膝の痛みを訴える患者さまは非常に多いです。同じ姿勢で仕事をすることで痛みが生じる方も少なくありません。しかし、これらの症状はなかなか簡単には改善しないことも多く、患者さまはクリニックを変えたり、接骨院に通ったり、さまざまなリハビリテーションを受けてみたりと、右往左往された経験をよく聞きます。場合によっては、手術を勧められることもあるでしょう。当院では、このような痛みや違和感を持つ患者さまの訴えを、真摯に聞き取り、最善の解決策を示して差し上げられればと考えながら診療を行っております。
負担に配慮した手術も導入されたとお聞きしました。
当院では、どんどん新しい技術を取り入れていきたいと考えています。新しく導入しましたのは、細径の関節鏡を用いた手術です。これまで膝など関節の手術は、腰椎麻酔や全身麻酔で行われ、数日以上の入院が必要になることも多くありました。身体にも生活にも負担の大きな手術であり、踏み出せなかった人もいらっしゃるでしょう。一方、細径の針関節鏡(ニードルスコープ)を用いた手術は、1.9mmの針で内視鏡を関節に入れて患部を観察します。さらに2mmの鉗子を入れて手術を行うので、手術の痛みはほとんどありません。日帰りで受けることができます。米国などではかなり盛んに採用されている方法で、半月板損傷の診断などにも活用されます。
体の痛みに悩む人も多いですよね。

病院で手術を受けて症状の改善が見込めたとしても、術後の痛みに悩まされる患者さまは少なくありません。しかし、手術を受けた病院に戻って術後のケアを受けられるかというと、現状ではなかなか難しいんですよね。こうした術後の痛みに悩む方も、当院で治療を行っています。痛みを抱えることはそれだけでQOL(生活の質)の低下につながります。術後の悩みを抱える方はもちろん、フレイル予防から、スポーツへの復帰など、患者さまの目的に合った治療の提供をめざしています。痛みの改善を図ることで「銀座に歩いてショッピングに出かけられた!」「長時間飛行機に乗れるようになった!」など患者さまの生活に彩りを取り戻せたら、それはこれ以上ない喜びです。
健康満足度をとことん高めることをめざす
院長のモットーを教えてください。

医療は患者さまの寿命を延ばすことをめざして発展してきました。しかし寿命が延びたとしても、痛みを抱えた生活では、幸せとは言いきれないと思うんですよね。実は私自身、過去にアキレス腱を切ってしまい手術を受けた経験があります。すぐには元のように大好きなテニスをすることはかなわず、生活も大変でしたね。患者さまにとっても、医師としても満足度の高い治療を行うことが何よりも大切だと考えています。私も経験していることから、患者さまの気持ちは痛いほどわかりますので、ぜひ相談にお越しいただければと思っています。
患者さんの満足度を追求しているんですね。
当院では患者さまに詳細なアンケートを取って、満足度を把握するようにしています。この満足度をさらに高めていけるような、質の高い医療・先端的な医療を提供していきたいですね。そのためには、専門家がそれぞれの知見を持ち寄ってクリニックのレベルを向上させるとともに、得られた知見を広く共有することにも注力しています。年に2回ほど研究会も開催し、研究成果をなるべく早く臨床へとフィードバックできるような体制を整えています。私は長年研究を重ね、イノベーションこそが新たな医療をつくると信じてきました。だから今も同じ場所にとどまらず、イノベーションを重ね、それを患者さまに還元していけるよう励んでいます。
どんな方にクリニックを利用してほしいですか。

当院はオフィス街にあり、午後診療なので、仕事帰りに立ち寄ってくださる患者さまもいらっしゃいます。一方でインターネットなどで検索をして、遠方から来院される患者さまも多くいらっしゃいます。これまでの治療ではうまく結果につながらなかったり、症状が改善せず悩んでいる患者さまにこそ、相談にお越しいただきたいです。患者さま一人ひとりに合わせた、まさにオーダーメイド医療を提供していきたいと考えています。