井上 崇徳 院長の独自取材記事
いぶきのデンタルクリニック
(和泉市/和泉中央駅)
最終更新日:2024/08/08

泉北高速鉄道線の終点、和泉中央駅から北西へ徒歩7分。「いぶきのデンタルクリニック」は、3階建ての吹き抜け建築とドーム型の屋根が印象的な歯科クリニックだ。開放的な玄関を通って中へ入ると、白を基調とした院内に清潔感が漂う。北海道大学歯学部出身の井上崇徳院長は、自身の専門である歯科口腔外科の診療はもちろん、マウスピース型装置を用いた矯正にも尽力。「Dentistry is Work of Love」というコンセプトを掲げ、診療へのモチベーションを高めているそうだ。「通えるところに、いぶきのデンタルクリニックがあって良かったと思っていただけたらうれしいですね」と穏やかにほほ笑む井上院長に、同院の診療の特徴について聞いた。
(2024年5月29日)
小さな子どもから高齢者まで、幅広い世代を診療
こちらはいつ開業されたのですか?

当院の開業は2016年8月2日です。開業するにあたって良い場所を探していたところ、たまたま両親がここを見つけてくれました。もともと歯科クリニックだった場所ということで、不思議なご縁を感じていますね。それに、私は和泉中央の近隣にある栂・美木多(とが・みきた)の出身で、和泉中央にも以前からとてもなじみがあったんです。この辺りの地域は小さなお子さんから働き盛りの世代、高齢の方々までがバランス良く住まわれていて、穏やかな雰囲気がとても好きですね。いろいろな世代の方々と一緒に年を重ねていくことができるのをうれしく思いながら、日々診療にあたっています。
院内設備のこだわりについても教えてください。
一番気に入っているところは、デンタルチェアを置いている場所の壁がすりガラスになっていることです。天井も高いので、外から光がたくさん入ります。開放的な雰囲気があるので、歯科クリニックに通うのが苦手な方にも、少しでも明るい気持ちで診察を受けていただけるのではないかと思っています。また、ご高齢の方や障がいがある患者さんにも通っていただきやすいようバリアフリー設計にしました。患者さん側からも「ここに手すりがほしい」などご意見をいただく機会もあったので、トイレ周りや玄関などには、手すりも設置しています。他にも、設備とは少し異なりますが、お支払いは現金だけでなくクレジットカードや電子マネー、バーコード決済などにも対応していますので、お会計もスムーズなのではないかと思います。
さまざまな年代の方が通いやすいよう、工夫していらっしゃるのですね。

ええ。私にも子どもが3人いるので、幼い子どもを連れて受診することの大変さがよくわかるんです。現在クリニックにはデンタルチェアを6台設置していますが、うち1台は半個室、もう1台は完全個室にしています。混み具合などにもよりますが、お子さん連れの患者さんはそちらへご案内し、お子さんもチェアで治療を受ける親御さんのそばで安心して過ごすことができるようにしました。また、現在は私の他に女性の歯科医師が勤務しています。優しく、やわらかい雰囲気の先生で、小さなお子さんの診察をする際は私が対応するよりも泣き声が少ないように感じますね(笑)。ありがたいことに多くの患者さんにいらっしゃっていただいていますが、歯科医師が増えたことで予約が取りにくい状況も少しずつ改善しているように思います。
小児の歯列矯正に尽力。成人矯正でも対応可能
お子さんの歯列矯正に力を入れているそうですね。

歯列矯正というと、永久歯が生えそろってから始めるものと考える方は多いでしょう。でも、「子どもが小さいうちに何かしてあげられることはないかな」と悩まれている親御さんもたくさんいると思ったんです。そこで、当院ではマウスピース型の装置による小児矯正を導入しました。矯正には「歯に針金をつけたり健康な歯を抜いたりする」という印象がつきものですが、この装置であれば針金の装着も不要ですし、顎の成長を利用して矯正を行う特性上、抜歯も必要ありません。またやわらかいシリコン素材ですので、痛みや負担も従来と比べると少ないと思います。装置の装着時間は日中の1時間と就寝時のみで、それ以外に1日4分間だけ鼻呼吸ができるようになるためのトレーニングが必要です。なかなか歯が動きにくいお子さんには、顎を拡大するための装置を併用して進めることも可能です。
お子さんが小さいうちから歯列矯正ができるのですね。
はい。ただ、毎日決められた時間に装着する必要がありますので、親御さんとお子さんのモチベーションをどう維持していくかが大切になってきます。矯正期間も長くなることが多いので、遊びたい盛りの男の子などは、うまくフィットしないケースも実際にありますね。そんな時、「装着時間が足りなかったからうまくいかなかったんだね」とお伝えすることは簡単ですし、場合によっては矯正を専門とするクリニックをご紹介することもできるでしょう。でも、それでは一人の歯科医師として無責任なのかなと感じ、当院ではさらにマウスピース型装置を用いた成人矯正にも対応できるようにしました。これは、小児矯正がうまくいかない患者さんへのバックアップ対応として導入したものですので、費用に関しては小児矯正の費用の差額分で対応するようにしています。一度診療に応じた患者さんを最後まで診続けたいと思うのは、私の性分なのかもしれませんね(笑)。
ご専門の歯科口腔外科の診療についても聞かせてください。

歯科口腔外科と聞くと、親知らずの抜歯など、大がかりな手術を想像される方が多いですよね。中には街のクリニックで対応できず、市民病院や大学病院などに紹介された……という方もいらっしゃるかもしれません。ただ、紹介状を持って行き慣れない病院に行き、検査を受け、ようやく手術日が決まる……というのは、時間的にも精神的にも負担が大きいと思うんです。当院では、そうした方のお役に立ちたいと考え、手術にも対応しています。もちろん難しい症例や、患者さんが大きな病院の方が安心だという場合はすぐにご紹介しますが、中には「なじみのあるクリニックでなじみの歯科医師に手術してもらうほうが安心」というお声もあるようです。また、手術以外にも口の中の粘膜の病気や顎関節症など、さまざまな病気を診ることができます。
患者に寄り添い「近くにあって良かった」クリニックへ
先生が歯科医師を志したきっかけは?

地元で歯科クリニックを開業していた父は「お前の好きにしたらいい」というスタンスでして、私が歯学部に進学することを決めたのは大学センター試験が終わってからでした。もうギリギリでしたね。卒業後も、大学院で研究者になるか迷った時期もありましたが、恩師から歯科医療の現場の素晴らしさについてお話を聞き、挑戦してみようと思ったのです。全国各地、大学病院や総合医療センターの歯科口腔外科や一般歯科などで経験を積みました。当院は地元に根づきたいという思いから父のクリニックの分院としてスタートし、父の引退とともに本院へと変わりました。
チームワークも大切にされていると伺いました。
当院では、「幅広い年代の方々にとって親しみやすい雰囲気にしよう」と、いつもスタッフと話しているんです。私も日々、話しやすい雰囲気をつくったり、患者さんの表情などからいろいろなことをくみ取ったりしていますよ。例えば私が話した後に同じ話をスタッフにもしてもらえば、患者さんの理解がより深まったり、「先生はああ言っていたけど、実はこう思っていて……」という思わぬ本音を引きだせたりする場合もあるはずです。また、スタッフには矯正などをテーマとしたさまざまな勉強会にも積極的に参加してもらい、院内でフィードバックの機会をつくっています。診療中はスタッフ全員が倍率6倍の歯科用拡大鏡を装着しており、治療や処置の精度向上に役立てていますよ。
今後の展望を教えてください。

自分の家族や友達に受けてほしいと思える治療を提供したいですね。治療のレベルは高く、当たり前を当たり前にできることを大事にしていきたいです。また、矯正の受け皿も広げてインプラントなど応用的な治療にも幅広く対応していけたら。例えば、同じ治療でも80歳の方と20歳の方にするのでは治療方法も変わってくるでしょう。私は歯科口腔外科出身ですが、安易に手術を勧めず、患者さんの状況やニーズに合わせた治療を行っていきたいです。「通えるところに、いぶきのデンタルクリニックがあって良かった」と言っていただけるような、地域に信頼されるクリニックであるために、こつこつと毎日を積み重ねていこうと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/30万円~50万円、成人矯正/32万円~64万円、※小児矯正・成人矯正、どちらも調整料は1回5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。