藤田 晃大 院長の独自取材記事
フジタデンタルクリニック 青山
(港区/表参道駅)
最終更新日:2025/07/30

マニュアルどおりのそつない対応がはびこる時代である。そんな令和にあって人と人との深いつながりを大切にしながら治療にあたる「フジタデンタルクリニック 青山」の藤田晃大(ふじた・あきひろ)院長。マウスピース型装置を用いた矯正を中心としながらセラミックを用いた補綴治療などの審美歯科も請け負う同院には、美意識が高い患者も数多く訪れる。スタッフとも力を合わせ一人ひとりをあるがままに受け入れる姿はまさに、愛。長い付き合いになる歯列矯正だからこそ、この人だから任せられる歯科医師を探す人も多いだろう。常に「この人を美しくしたい」と全力で向き合う藤田院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2024年10月15日)
長年マウスピース型装置を用いた矯正に携わる経験値
まず、歯科医師をめざしたきっかけから教えてください。

神奈川県で矯正歯科クリニックを立ち上げた父の背中を追いかけて、自然と歯科医師を志すようになりました。「これからは大変だから歯科医師にはなるな」といわれていたんですけどね。同じ道に進んだからこそ、父がたくさんの同輩や後輩に尊敬されていたことも知りましたし、僕にとっても永遠の憧れの存在です。歯を抜く・抜かないを軸とするのではなく、患者さんの要望や状況を第一とする考えを貫いた人でもありました。
大学卒業後はお父さまの後輩のクリニックで修行されました。
患者さんともスタッフとも本音でぶつかりながら、血の通った人間関係を築くことを大切にしている女性の先生でした。それは、今の僕の診療スタイルにも大きな影響を及ぼしています。駒沢で2000年に本院をオープンした時には、横須賀から駆けつけてくれたんですよ。当時はまだ1人しかいなかったスタッフに「難しい男だけど熱い人だから助けてあげて」と言ってくれたのはうれしかったですね。「ファミリーレストランみたいな大きな目立つ看板、プレゼントしようか?」の申し出は、自分でイメージしたクリニックには似合わないのでお断りしたのですが(笑)。
前後してマウスピース型装置を用いた矯正の勉強も開始されたそうですね。

マウスピース型装置を用いた矯正が現在のように一般的になるずっと前のことでした。ある時マウスピースを用いた歯科診療をしていて、矯正に応用できるのではないかと気づいたんです。その時、すでにアメリカでは研究が進んでいるとも知りました。そこで、マウスピース型装置を用いた矯正の研究をしていた沖縄県の先生のもとへ、勉強に通うことにしたんです。弟子を取らない主義の人だったのですが、たまたま大学時代の友人の兄で「君ならいいよ」と特別に技術を教えていただきました。
その後、なぜ青山に分院を開業されたのでしょうか。
本院に週に1度ほど手伝いに来てくれていた父と「いつか、青山あたりで一緒に診療をしよう」と話していたんですよ。かなえられないまま父は他界してしまいましたが、ようやく2021年に約束を果たせました。当院は本院とは異なり自由診療による矯正歯科と審美歯科を中心としているのが特徴です。目標としているのは歯列矯正もセラミックによる補綴などもすべて「一生もの」であること。診療した歯を患者さんが使い続ける限り、僕とのつながりは消えません。一生のお付き合いになるからこそ、人と人として向き合うことを何よりも大切にしています。
愛あるパートナーとして共通のゴールをめざす
現在は主にどのような方が通われているのでしょうか。

20~30代がメインで美意識が高く歯列矯正に関しても強いこだわりを持つ方が多くいらっしゃいます。「笑った時の口元にほんの少し隙間ができるようにしたい」といった繊細なご希望も多いのですが、これまで培ってきたスキルですべてに対応したいと思っています。ワイヤー矯正は表側・裏側ともに可能ですが、やはり僕が得意としているのはマウスピース型装置を用いた矯正です。マウスピース型装置を用いた矯正は対応が難しい症例が多いといううわさも根強いのですが、ワイヤー矯正と適用範囲は変わらないので、断られた経験がある方もご相談ください。
患者さんにとってどのような存在でありたいとお考えですか。
妥協することなく共通のゴールをめざすパートナーでありたいと考えています。そのために、スタッフ全員で患者さんの言動一つ一つにどのような気持ちが隠れているのか、漏らさず推察するようにしています。マウスピース型装置はどうしても長時間つけていなければ矯正を進めることはできませんが、「きちんとつけてください」と責めるようなことはしません。なぜ、そうしなくてはいけないか、患者さんが心から納得できるまで寄り添い続けます。
何よりもコミュニケーションを大切にされているのですね。

高度な技術で素晴らしい治療をしたとしても、患者さんが満足していなければ駄目だと思うのです。より良い仕上がりをめざすのは当然として、より短時間かつ低コストで実現できれば、誰でもうれしいですよね。どのような医療を求めているのかを知るためにも、患者さまにはコミュニケーションアプリのオフィシャルアカウントだけではなく、僕個人のアカウントもお伝えしています。当院は紹介がとても多いのですが、紹介者を含めた3人のグループチャットから始めることもありますね。すぐに返信するために休日もスマートフォンとにらめっこです。
なぜ、オフの日を返上してまでいそしまれているのでしょうか。
単純に誰かが喜ぶのを見るのが好きだからです。矯正を受けることで自信もついて、人生に前向きになっていく姿を応援できるのは最高だと思いませんか?「そこまで他人のことを思ってる人なんかいないでしょ」とクールな考えもあるかもしれませんが、ここにいます。自分を後回しにしてでものめり込んでしまうのは、祖母や母譲りの性格もありますね。母方のルーツは代々続いたお寺で、困っている人を助けるのはごく当たり前のことなんです。でも、優しさを指摘されると照れてふてくされてしまう不器用さも似てしまいました。
患者の心も存分に満たす診療を続けたい
ここにたどり着いた方は幸せだなと感じました。

「いえいえ、そんな」と否定するのではなく「でしょう!」と胸を張れるように、スタッフたちとも力を合わせていきたいです。患者さんだけではなく、スタッフともわかり合える関係でありたいというのが僕の考えです。そのためには、家族のようにある程度長い時間を共有しなくてはいけません。お祭りにみんなで行ったり、リクエストがあれば飲みにでかけたりも結構していますね。一度、辞めたスタッフが「やっぱり先生のところで働きたい」と戻ってきてくれた時はうれしかったですね。
今後の展望についてお聞かせください。
少しずつより良い場所へと進化を続けたいですね。内装はすべて自分でデザインしましたが、先日も待合室の壁を青山通りにある輸入塗料屋さんで何万というカラーチャートからペンキを選んで塗り直しました。この先、60代、70代、80代になっても変わらずにこうだと思います。最近は海外からの視察を受けることも増え、インドの歯科医師たちに「マウスピース型装置を用いた矯正を選んだ理由の一つは、手元の細かい手技よりもパソコン作業が多く、歳を取ってもできるから」と話したら驚かれました。歯科医師を一生の仕事と考えてきましたし、早々にリタイアして遊びたいなどとは考えたこともありません。
お忙しい毎日でしょうが、趣味の時間などはありますか。

車が好きで、岐阜県まで珍しいアメリカ車を買いに行ったこともあります。通勤にも使っているのですが、カメラを向けられることもしばしば。唯一無二の存在感はすごいですが、メンテナンスには注意が必要。だいたいエンジンの微妙な異音で大事になる前に察知して、「また気づいたんですね」と修理屋さんに驚かれます。当院は患者さんもスタッフもなかなかに個性的なのですが、僕自身がこんな性分なのでむしろ望むところです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
会話はもちろん心のキャッチボールを大切にしています。矯正前後の写真を見て患者さんが喜ばれる様子を見るのは、何にも代えがたい幸せです。ただ矯正を終了させるのではなく、患者さんの心が満たされてこそのゴールだと思っています。「卒業おめでとう」とソープフラワーのブーケをお渡しする瞬間まで、ともに歩ませてください。もちろん、矯正が終了したからといってご縁がなくなるわけではありません。定期的にメンテナンスに通っていただきながら、問題を未然に防ぎ、末永く美と健康を守らせていただければと願っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正(前歯を中心とした矯正)/55万円~、マウスピース型装置を用いた矯正(全体矯正)/88万円~、表側矯正/85万円~、裏側矯正/104万5000円~、セラミッククラウン/11万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。