千原 直人 院長の独自取材記事
ちはらメディカルクリニック目黒
(目黒区/学芸大学駅)
最終更新日:2025/07/28

学芸大学駅から徒歩約10分。中央町バス停留所より徒歩1分。「ちはらメディカルクリニック目黒」は、内科・内視鏡内科・消化器外科・肛門外科を標榜し、幅広い治療を行っている。院長の千原直人先生は、大学病院にて消化器内視鏡検査を数多く経験してきた。同院では、その経験を生かし、徹底して患者に寄り添い丁寧な治療や検査を実践している。特に、苦痛に配慮した内視鏡検査を重視し、それを目的に遠方から訪れる患者も多いそうだ。今回、診療を終えたばかりの千原院長に、診療においてこれまでの経験から大切にしているモットー、同院の強みまで幅広く語ってもらった。
(取材日2025年6月21日)
先進の内視鏡を導入し、大学病院の技術向上に尽力
医師を志したきっかけと、消化器を専門に選んだ理由をお聞かせください。

もともとわが家は、江戸時代から続く医師の家系なんです。先祖は大名家の御典医も務めていました。だからというわけではないのですが、医師の多い環境で育ったこともあり、自然と医療の道を志すようになっていましたね。はじめから外科医をめざしていましたが、全身状態を診られる消化器外科に興味を抱くようになりました。例えば、外来で多いのは腹痛の患者さんです。心臓外科や脳神経外科で診ることはできませんが、消化器外科であれば診ることができます。日本医科大学武蔵小杉病院の消化器病センターに在籍していましたが、当時は消化器内科専門の医師がおらず、内科領域の診断から治療まで、すべて自分でしなければなりませんでした。そうしているうちに、消化器内科と消化器外科、両方の治療を担当するようになりました。
大学病院では、さまざまな内視鏡を導入し、検査や手術へ活用したそうですね。
腹腔鏡を使用した鼠径ヘルニア手術や、拡大内視鏡やダブルバルーン小腸内視鏡といった機器を導入しました。また、よりスムーズな内視鏡操作をサポートする処置具の開発に注力もしました。新しいことに取り組み、道をつくっていくのが好きなんでしょうね。私が信念を持って進めば、自然と後輩がついて来てくれて、新しい技術が現場に定着すると思っています。さまざまな取り組みの中でも特に拡大内視鏡を取り入れたことで、極めて早期のがんも発見できるようになったのは大きかったと思います。早期がんといっても、進行の度合いには幅があります。拡大内視鏡は一般的な内視鏡ではわかりづらい、極めて初期の小さながんを見つけ、取り除くこともめざせます。がんの芽を小さなうちに摘むことができれば、患者さんの負担が違います。大学病院で担当した患者さんは、私が開業してからも来てくださっています。信頼していただけていることが何よりうれしいですね。
開業の経緯と、開業に際して内装や設備でこだわった点があれば教えてください。

自分が大学病院に導入した内視鏡設備や技術がある程度根づいてきたことや、子どもの受験が落ち着いたことなど、さまざまなタイミングが重なったのが理由です。いつかは独立してみたいという気持ちもありました。当院は駅から少々距離があるので、患者さんに来ていただけるか少し不安でしたが、ありがたいことに最近では内視鏡検査を目的に来院される患者さんが増えてきましたね。地方から新幹線に乗って来られる方も多いです。内装は清潔感を大切に、内視鏡の検査室とリカバリールームが近くなるよう設計しました。椅子型になるストレッチャーを使用しているので、検査後にそのままリカバリールームで休んでいただけます。また、内視鏡にもこだわっています。粘膜表層の微細な血管もくっきりと見える先進の内視鏡システムを導入し、わずかな異常も見逃さないようにしています。
自己検査を生かし、より苦痛に配慮した内視鏡検査を
先生は、ご自身の内視鏡検査を行っているそうですね。

はい。内視鏡検査を受ける患者さんの気持ちを知りたかったのが主な理由です。医師として行う内視鏡検査と、患者として受ける内視鏡検査はまったく違いますから。例えば「この腸の角はこういうふうに検査すれば痛くなりにくいかもしれない」とか「ここで空気を膨らませるとこれだけ重く感じやすい」など、実際に患者さんの立場になって再認識できることがたくさんあります。内視鏡検査のどの部分で苦痛や不安を感じるか、自分の体で実感できれば、改善して患者さんの検査に生かせますよね。自己検査を経て、より苦痛に配慮した内視鏡検査ができるようになったと思います。
内視鏡検査を行う際に工夫していることを教えてください。
大腸カメラと経口の胃カメラでは、リラックスした状態で検査を受けていただけるよう鎮静剤を使用しています。経鼻の胃カメラでも、希望された方には鎮静剤を投与しています。また、検査中に胃や大腸をガスで膨らませるのですが、その際に炭酸ガスを用いている点も特徴です。体内に自然に吸収され、呼気として排出されるので、不快なおなかの張りを抑えるために役立ちます。内視鏡検査での炭酸ガスの使用は、安全性を確認した上で、在籍していた当時の大学病院にも導入しました。その他には、直腸からS字結腸に進む部分は角度がきついぶん、患者さんも苦痛を感じやすいので、なるべくスコープを素早く移動させるなど、技術面にも気を配っています。特に腸の形には個人差があるので、1度当院で内視鏡検査した方はカルテに腸の特徴を記入し、2回目以降の検査ではさらに痛みを軽減できるよう努めています。
診療にあたってテーマがあればお聞かせください。

いかに患者さんを入院させず、大規模病院に紹介せず、自分のクリニックで治療を完結できるかということをテーマにしています。例えば当院では、メスを用いた痔の手術も日帰りで行っています。また、提携するクリニックへ当院から患者さんを案内し、私が虫垂炎や胆嚢摘出の日帰り手術を担当することも可能です。患者さんの立場で考えると、何日も入院するのは日常生活への影響が大きいですし、やはりすぐに帰れたほうがうれしいと思うんです。当院は吐下血・血便の緊急内視鏡検査も対応し、止血処置も行っています。消化器以外の一般内科・外科治療も行っている他、私自身これまで内視鏡手術以外の手術も数多く執刀してきましたので、幅広く診ることができます。一ヵ所で治療が完結するからといって、治療の質そのものが下がることはありませんので、安心してお任せいただけたらと思います。
内科と外科の両方の視点から、適した治療を提案したい
消化器内科と消化器外科の両方を経験された強みは何でしょうか?

より患者さんの視点で考えられることだと思います。消化器内科と消化器外科の両方を経験したので、治療方法を選択する際に、内科的なアプローチと外科的なアプローチのどちらが適しているか、中立な立場から判断できます。消化器内科の経験のみだと、本来は外科手術が適用される病変であっても、内視鏡による切除といった内科的なアプローチに治療方法が偏ってしまう可能性があります。その逆もしかりです。人間ですから、完全に中立な視点で物事を見るのはなかなか難しく、どうしても自分になじみのある領域の治療方法を進めてしまいがちです。そういった意味であれば、限りなくニュートラルな状態で、患者さんの立場で治療を進められる点は、消化器内科と消化器外科を担当している強みではないかと考えています。
お忙しい日々だと思いますが、リフレッシュ方法はありますか?
最近は、電動アシスト自転車に乗って東京の炒飯のお店巡りをしています。炒飯が好きというよりも、何かテーマを決めて制覇していくのが好きですね。炒飯を制覇したら、次は何をテーマに巡ろうか考え中です。また、ビンテージデニムが好きなので、古着屋を見て回ることも多いです。一つ一つのディテールを見ると、だいたいの生産年代がわかるんです。それが拡大内視鏡の診断に似ていて、面白さを感じますね。
今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

まずは患者さんの立場に立った、丁寧で適切な治療を続けて、学芸大学エリアの方々に信頼してもらえるクリニックにしたいですね。そして診療テーマでもある、大規模病院に送ったり入院しなくても完結する治療を進めていけたらと思います。どのような症状であっても、最後まで手厚く対応しますので、何かありましたらお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/2万5000円~