全国のドクター14,065人の想いを取材
クリニック・病院 156,460件の情報を掲載(2025年11月22日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 栃木県
  3. 宇都宮市
  4. 宇都宮駅
  5. しん陽東クリニック
  6. 渡邊 洋伸 院長

渡邊 洋伸 院長の独自取材記事

しん陽東クリニック

(宇都宮市/宇都宮駅)

最終更新日:2025/11/17

渡邊洋伸院長 しん陽東クリニック main

宇都宮駅から車で10分の「しん陽東クリニック」は、かつて「赤羽医院」運営していた医師の死去を経て、その先輩である渡邊洋伸先生が遺志を継ぎ、2019年に再出発を果たした。「患者さんとお友達になれば良い」――渡邊先生は、医師として初めて受け持った肺がん患者との出会いから生まれたという診療哲学を、今も大切に守り続けている。同院では内科と小児科を扱い、親子で一緒に受診できる利便性を追求。経鼻内視鏡による胃カメラ検査や、リウマチ・膠原病など見逃されがちな内科疾患への対応などのほかに、気分の落ち込みや不眠の背後に隠れた病気の発見に努め、患者の不安に応える「地域の健康相談窓口」的な役割も果たす。「何でも相談してほしい」と温かな表情を見せる渡邊院長に、地域医療にかける思いを語ってもらった。

(取材日2025年10月25日)

後輩の遺志を継ぎ、地域医療の担い手に

クリニック開業の経緯を教えてください。

渡邊洋伸院長 しん陽東クリニック1

もともと兄と2人で一緒に実家の医院を継いで診療していたんですが、大学の後輩が運営していた「赤羽医院」を継承し「しん陽東クリニック」として開業しました。実はその後輩が病気になり、赤羽医院の診療継続が難しくなったんです。彼が亡くなったタイミングで診療を手伝い始めました。実家のほうは兄がいるから、力になれたらと。最初はお手伝いするだけのつもりで始めたのですが、10年ほどたった頃にご家族から継承のお話をいただきました。そうして、一度閉業していたクリニックを2011年に本格的に引き継ぐことになり、「しん陽東クリニック」として再開業しました。

内科や消化器を専門に選ばれた理由は?

父が開業医で内科が専門でしたし、兄も姉の連れ合いも皆、内科系の医師なんです。そうした環境の影響もあり、私も内科の道へ。その中でも、私は特に消化器を専門にすることをめざしました。私にとっての消化器内科の魅力は、内視鏡検査などを通じて自分の技量で診断や治療ができる点にあります。実際に自分の手で検査して、その場で病変を見つけたり治療したりもできる。直接的な診療にやりがいを感じたんです。

診療体制について教えてください。

渡邊洋伸院長 しん陽東クリニック2

内科一般から消化器系検査、超音波検査、エックス線検査、心電図検査、さらに新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの検査まで幅広く対応できる体制です。診療は私と看護師2人、そして家族で協力して行っています。受付は妻と息子の妻が担当し、月に1度は内科医をしている息子も手伝いに来てくれています。普段私が診ている患者さんを、その日は息子に診てもらっていますね。この地域は30年以上前に工場跡地に一戸建てがたくさん建った新興住宅街です。当時入居された方々が高齢になってきていますが、近くに宇都宮大学があるので学生さんも多く、若いご家族も増えてきました。患者さんの年齢層もさまざまですが、基本理念である「地域に密着し、地域の方のニーズに合わせた診療」の実践に努めています。

苦痛を抑えた検査と、見逃されがちな病気への対応

胃カメラ検査について教えてください。

渡邊洋伸院長 しん陽東クリニック3

当院の胃カメラ検査は、鼻からカメラを入れる経鼻内視鏡を使用しています。従来の口から入れる経口内視鏡と違って喉の奥に押しつける感覚が少ないので、嘔吐反射が出にくいというメリットがあります。鎮静剤を使ってほしいという方もいらっしゃるかと思いますが、あくまで麻酔ですからリスクはゼロではありません。当院では「鼻からなら苦しさの軽減が見込めますよ」としっかりご説明して、基本的には使わない方針です。検査中は常に「今ここを見ていますよ」「もう少しで終わりますよ」などと説明しながら進めます。声をかけ続けることで、患者さんは説明のほうに気を取られて苦しさを感じにくくなるのではと思っています。最終的に「安心して検査を受けられた」と思っていただけるように、できる限りの配慮に努めています。

こんな症状が、意外に内科疾患によるものだったということもあるとか。

例えば「関節が痛い」というと整形外科と思われがちですが、リウマチや膠原病といった内科的疾患が原因ということもあります。血液検査である程度の鑑別が可能ですし、検査の結果、内科での対応が必要だとわかるケースも多いんです。また、気分が落ち込む、眠れない、朝起きられないといった症状で来られる方もかなりいらっしゃいます。こうした症状は精神的な問題と思い込んでいる患者さんも少なくありませんが、実は甲状腺疾患や睡眠時無呼吸症候群など、内科的な病気が隠れていることがあります。心配でご来院される方も多いので、当院ではまず安心していただけるよう「よくある症状ですからね」とお声がけして、必要な検査を行います。どこに診てもらったら良いかわからない症状こそ、まずは相談してもらいたいですね。

診療の際、患者さんへの向き合い方として意識していることはありますか?

渡邊洋伸院長 しん陽東クリニック4

「患者さんとお友達になろう」という姿勢で診療しています。そう思うようになったきっかけは、医師になって初めて受け持った肺がんの患者さんでした。当時は病名を患者さんに告知しない時代で、どう接したら良いか本当に悩んでいたんです。そこで思いついたのが「患者さんとお友達になれば良いのかな」ということ。友達なら自然に話せるし、相手の気持ちも理解しやすいでしょう。この考え方は、今でも私の診療の基本です。当院でも、何を患者さんが求めているか、まずそれを把握することから始めます。検査一つとっても、積極的に調べたい人もいれば、薬だけで良いという人もいる。胃が痛いと言われれば「胃の検査をしましょうか」と勧めはしますが、押しつけません。患者さんと話し合いながら、その人に合った方針を一緒に決めていく。それが私の診療スタイルです。

何でも相談できる、地域のかかりつけ医として

地域医療への貢献について、どのように考えていますか?

渡邊洋伸院長 しん陽東クリニック5

地域の方々が必要としている医療を提供し続けることが私たちの使命です。この地域は精神科や心療内科は少ないですが、幸い、他の診療科は充実していて、医療連携もできる環境があります。私たちは内科的なアプローチから患者さんをサポートしていけたらと考えています。それぞれの医療機関が役割分担しながら、地域全体の医療を支えていきたいですね。

こちらは、かかりつけ医として地域でどのような役割を担っているのでしょうか?

当院は内科がメインですが、小児科も標榜しているので親子で一緒に診察を受けられます。親御さんが風邪で来たついでに、お子さんも診るということができる。利便性は高いと思います。新型コロナウイルス感染症の流行以降は発熱の外来が中心になってしまい、一般の小児患者さんは減っていますが、「来てくれたら喜んで診ますよ」という姿勢は変わりません。ほかにも、私は地域住人向けの健康増進講座の司会などもしていますよ。最近は肥満症や糖尿病の講演会を行いました。地域の皆さんの健康意識を高めるお手伝いも、かかりつけ医の大切な役割だと考えています。

読者へのメッセージをお願いします。

渡邊洋伸院長 しん陽東クリニック6

とにかく何でも相談してほしいということですね。体の不調はもちろん、どこの科に行けば良いかわからないといった悩みも含めて、気軽に相談してください。私たちは患者さんを適切な医療につなぐ役割も担っています。関節の痛みも、気分が落ち込むといった症状も、まずはご相談いただければ。内科で対応できるものなのか、専門家への紹介が必要なのか、適切に判断します。より専門的な検査や治療が必要な場合は、きちんと大学病院などに紹介しますので安心してください。当院は小さなクリニックですが、14年間この地域で診療を続けてきました。患者さんに寄り添い、友達のような関係で診療することを心がけています。「ここに来て良かった」と思っていただけるよう、これからも頑張りますので、困ったことがあったら遠慮なく相談してください。

Access