脳神経内科疾患は多様な症状が特徴
専門的な診断で適切な治療を
すわのもりクリニック
(新宿区/高田馬場駅)
最終更新日:2023/03/14


- 保険診療
クリニックが診療している科の中で、あまり聞き慣れないのが脳神経内科ではないだろうか。どんな病気を診てもらえるのか、どんな時に受診すればいいのか、など疑問に思っている人も多いかもしれない。日本神経学会神経内科専門医である「すわのもりクリニック」の平田郁雄院長は、「脳神経内科で診る症状は多岐にわたっていて、全身をくまなく診察していくことが重要です。プライマリケアの中でその異常を見つけるよう心がけています」と話す。日本内科学会総合内科専門医の資格も持っていて、総合内科と脳神経内科の両視点から診察にあたっている平田院長に話を聞いた。
(取材日2023年3月3日)
目次
脳や脊髄、神経系、筋肉に関わる病気を診るのが脳神経内科
- Q脳神経内科とはどのような診療科なのですか。
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A
▲総合内科と脳神経内科の両視点から診察にあたる平田院長
脳神経内科は、脳や脊髄、中枢神経から末梢神経、筋肉の病気を内科的に診る科です。頭痛やめまい、しびれといった症状から、筋肉が落ちる、手足に力が入らない、足を引きずって歩く、手足のまひなど運動機能に関わる症状、言葉が出ない、物忘れする、二重に見える、聞こえづらいといった言語、意識、認知に関わる症状、さらに物がうまく飲み込めない、むせるといった嚥下障害など症状は多岐にわたります。精神科や心療内科との違いは、精神科は気分の変化や精神的な問題を扱う科で、心療内科は精神的な問題と体の病気との関連を診る科です。脳神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉に何らかの異常があり体に不自由が生じた病気を扱います。
- Qどんなタイミングで受診すれば良いのでしょうか。
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A
▲体の動きや感覚に違和感を感じたら受診しよう
今、お話ししたような症状があればすぐに受診するといいですね。脳神経内科が扱う病気は全身さまざまなところに症状が出ます。以前と体の動きや感覚が違う、何か違和感があるといった時や、どの科に行けばいいかわからないという時は受診していただきたいですね。私はそうした症状をプライマリケアの中で診ていくことが重要と考えています。患者さんの訴えを聞いて丁寧な問診をするとともに神経学的診察を重視しています。歩行や姿勢、動作に気になる点はないか、眼球の動きや喉の筋肉の動きに異常がないかなどいろいろな視点で全身くまなく観察するのです。こうした問診と神経学的診察で患者さんが自覚していない疾患の発見にもつながります。
- Q症状をそのままにしておくリスクについて教えてください。
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A
▲頭痛やめまい、物忘れなど放置せず検査を受けることも大切
例えば頭痛。一般的に多い片頭痛や緊張型頭痛は命に関わるような心配はないですが、急に起きた頭痛でひどく重いものであれば、脳梗塞や脳出血など重篤な疾患である可能性があります。めまいも脳卒中が原因であれば、その後体にまひが生じてリハビリが必要になることも考えられます。しびれについてもその原因が脳の障害か、脊髄神経の障害か、末梢神経の障害かによっていろいろな病気が考えられますので検査による診断が必要です。物忘れは年齢のせいと思いがちですが、放置しておくと認知症が進行していくことになります。料理や買い物など今まどおりできなくなった、会話が成り立たないといった症状があれば受診してください。
- Q脳神経内科ならではの強みはどんなことですか。
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A
▲他の科や連携病院への紹介も迅速に行っている
脳神経内科は全身を診ていく中で、その原因をさまざまな観点から探り、どこの病気であるか見極めることができる点が特徴です。脳神経内科でなくては気づけない疾患も多くあります。診察や検査によって診断し、整形外科や眼科など他の科で診てもらったほうが良い場合は、それぞれの科に紹介しますので、より適切な医療への道筋をつけられる点も一つの利点でしょう。また、より高度な医療が必要と判断した場合は近隣の連携病院に紹介しています。脳神経内科疾患の中には、進行すると介護が必要となるケースも少なくありません。そういう場合は地域の福祉機関と連携しながら患者さんの生活をサポートする体制を整えています。
- Qこちらでは一般内科疾患や慢性疾患も診てもらえるのですね。
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A
▲広々とした開放的な待合室。院内はバリアフリー対応
私は病院勤務時代、脳神経内科疾患に加えて、高血圧や糖尿病、肺炎、気管支喘息などの内科疾患の診療に長く携わってきています。当院でも糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病や、喘息、アレルギー性鼻炎などの呼吸器疾患の治療・管理に力を入れています。慢性疾患に対しては長期的な視点に立って投薬や生活指導をして、寛解や治癒をめざしていきたいと考えています。さまざまな内科疾患に対して適切な診査診断ができるよう、超音波診断装置や動脈硬化の進行度を調べる血圧脈波検査装置、心電計、白血球などを調べるための全自動血球計数器、即時にHbA1c値を調べるための臨床化学分析装置などの検査機器を設置しています。