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黒岩 玲 院長の独自取材記事

あだち小児科

(横浜市保土ケ谷区/保土ケ谷駅)

最終更新日:2024/06/12

黒岩玲院長 あだち小児科 main

保土ヶ谷駅から徒歩2分の場所に位置する「あだち小児科」。1973年の開業以来半世紀以上、子どもたちの健康をサポートする存在として地域で親しまれ続けている。2023年にすぐ前の敷地に移転リニューアルし、スペースや機能を拡張したばかり。2020年に先代院長の父親から引き継いだ黒岩玲先生は、1児の母でもある。保護者の話に自分の子育て経験を重ね合わせることで、より親身に診ることができるようになったという。「子どもは、自分で治る力もありますし、そんなに弱くはありません。不安になりすぎず、親同士一緒に子育てを楽しみましょう」と明るく笑う黒岩先生に話を聞いた。

(取材日2024年4月23日)

アレルギー疾患を得意とし、専門性に基づく治療が可能

小児科専門のクリニックとして、50年以上の長い歴史があるのですね。

黒岩玲院長 あだち小児科1

小児科専門の地域密着クリニックがまだめずらしかった時代、私の父でもある現名誉院長の足立武先生が「なんでも屋」ではなく、専門分野に関してはなんでも応えられる医師でありたいと考え、1973年に開業しました。当時は内科の医師が小児科も診るのが一般的でしたので、小児科だけを診る医師の存在が地域に浸透し、診療体制が軌道に乗るまでには時間がかかったそうです。今では、昔来ていたお子さんが親となり自分のお子さんを連れて来られたり、親子三代にわたって診させていただいたり、引っ越された先の遠方から来院していただいたりと、地域の皆さまに支えられ現在に至っています。2020年に足立先生が名誉院長となり私が院長に就任し、手狭になっていたため2023年に向かいの敷地に移転しました。発熱患者さんのための外来の専用フロアやカウンセリングルーム、処置室など必要なスペースを確保でき、機能的にもかなり拡張できました。

診療理念について教えていただけますか?

「診ることができるものは全部診る」という、父の代から引き継いだ理念を守り続けています。それが地域に根差すかかりつけ医の使命だと考えています。風邪やおなかが痛いといった内科的なことだけでなく、皮膚科や耳鼻咽喉科、メンタルのこと、アレルギーなど、体や心の不調の悩みを最初に受けとめる入り口となり、さらに専門的な治療が必要な場合は大きな規模の医療機関を紹介します。その他、ワクチンや健診、何か困った時は抱え込まずいつでも来ていただければと思います。年齢的にも小学校まで、中学生までと区切るのではなく、新生児の0歳から小学生、思春期、成人した子どもでも、長期的、かつ継続的にトータルに診療します。

アレルギー治療が得意のクリニックと伺っているのですが、特徴を教えていただけますか?

黒岩玲院長 あだち小児科2

足立名誉院長や私も含めて、所属している5人の医師全員がアレルギー疾患が専門で、当院の最も得意とする分野です。アレルギーというと耳鼻咽喉科や皮膚科などを想像されるかもしれませんが、アレルギーにも食物や鼻炎、花粉症、気管支喘息、皮膚炎など、いくつか併発している場合もあります。個別にそれぞれを診るのではなく、鼻水でも皮膚のかゆみでもとりあえず小児科に来ていただければ全身を診ることができるため、総合的な診断や治療が可能です。また、子どもは成長の過程で、アレルギーの原因や種類、罹患しやすい病気やその質が年齢とともに変化していきます。幼少期の病気が治まったように見えても体質としてアレルギーが残れば、将来的に別の病気を発症する可能性も少なくありません。そのため乳幼児期から思春期まで、一人の子どもをトータルに診ることにより、年代に合わせた対応を心がけています。

各領域の専門家を集め大学病院のような診療システムを

夜尿症や漢方など、さまざまな専門領域に取り組んでいらっしゃいますね。

黒岩玲院長 あだち小児科3

開業当時から「各分野のスペシャリストを1つの診療所に集めたい」「小児科診療をトータルに診る中で、まだ対応できる医師が少ない内容も診ていきたい」という思いがありました。開業当初は、医師と看護師、薬剤師、栄養士がそろう体制を整え、現在では、医師と看護師、臨床心理士、薬剤師、管理栄養士が在籍するような、大学病院と同レベルの診療システムをめざせる体制となりました。アレルギーや夜尿症、心理を専門とする外来、小児漢方などに力を入れているのもその一環です。例えば、夜尿症はけっして治らない病気ではなく、適切な治療をすれば多くの子どもに改善の見込みがあるといわれています。しかし、専門の窓口がまだ少ないため、治療開始のハードルはいまだに高い状況です。気軽に相談でき、かつ専門的に診ることができる地域クリニックの存在意義は高いと考えています。

心理を専門とする外来について教えていただけますか?

小児科の治療では表面化している病気の裏に、心因的な要素が隠れていることは少なくありません。心理的な問題に悩む親子を受け止めて、早期に適切な治療につなげることが非常に大切で、「それが患者さんに対する真の医療の原点だ」と足立名誉院長も言っています。これは地域のかかりつけ医として子育てをサポートしていくという面でも、非常に大きなことだと思います。近年では子どものメンタルクリニックも増えていますが、子育てをしていると、そこまで深刻ではないけれども、日常的には困っている子どもの心理的な症状が実はけっこうあると思うのですよね。そういった悩みの受け皿として本院の心理専門の外来を利用してほしいです。

患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

黒岩玲院長 あだち小児科4

患者さんの年齢によっても違ってくるのですが、できる限り子どもたちに彼らの気持ちを聞くように心がけていますね。子どもときちんと向き合い、泣いていたり治療を拒否したりしていたら、どうして嫌なのか、どうしたいのか質問してみます。子どもも小さいなりにいいものや嫌なものがあると思うので、何が原因になっているか確認します。例えば、保護者が「子どもが薬を嫌がる」と言った場合、子どもに直接「薬のどんなところが嫌なのか」聞いてみます。投与方法なのか、液が苦いのか、臭いが嫌なのかなどです。そうすると、例えば点鼻薬が嫌いだとわかれば剤形を変更したりと、いろいろ手立てを考えられます。

不安でいっぱいの保護者に「大丈夫ですよ」と伝えたい

小児科医をめざしたきっかけを教えていただけますか?

黒岩玲院長 あだち小児科5

やはり父の存在が大きいですね。クリニックのすぐ近くに住居があり、子どもの頃から働く父の姿も患者さんたちも見ていたので、医師をめざしたのは必然的といいますか、本当に自然の流れでした。父は、患者さんもスタッフも大事にします。そういった理念を50年間続けてきた信頼がありますね。私も当院で働いて20年ほどになりますが、父を尊敬し手本とするのはずっと変わりません。

今後の抱負について教えてください。

スタッフと一緒に協力して、地域の親御さんが子育ての心配を解消する場を設けたいと思っています。実は今月からスタートするのですが、看護師が地域のお母さんお父さんの悩みを聞く相談会を開催することになっています。短い診察時間の中では、親御さんたちはこまごまとしたことを言い出しにくいと思います。そのため、診察時間とは別の相談会で、看護師さんが悩みを拾い上げ、必要であれば医師に伝えてフォローするという、診療の一歩手前の段階を設けました。将来的にはベビーマッサージやヨガなどの講習会を行えればと考えています。

最後に患者さんへのメッセージをお願いします。

黒岩玲院長 あだち小児科6

自分の娘が小学6年生になり、娘が育っていく過程を思い出しながら、0歳には0歳の親の、1歳には1歳の親の、幼稚園、小学校でもそれぞれの年代の親としての悩みがあることを、患者さんたちから話を聞くたびに共感しています。自分の子育て経験を生かしながら、お子さんや親御さんに常に寄り添った診療を行っていきたいです。子育てに一生懸命になりすぎて「この症状や行動は病気ですか?」と、全部が全部心配になってしまう親御さんも見かけますが、心配性すぎて子育てを楽しめないのはもったいないです。たとえ病気になったとしても、子ども自身で治る力もありますし、そんなに弱くはありません。何万人と診てきた私の患者さんたちもちゃんと笑顔を見せてくれました。知識や情報がないから心配だという気持ちはわかるのですが、「そんなに不安にならなくても大丈夫。親同士、一緒に子育てを楽しみましょうよ」と伝えたいですね。

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